『海街Diary 怒りのデス・ロード』のあらすじ

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が気になる。

何が気になるって、「怒りのデス・ロード」である。

原題は”Mad Max: Fury Road”。Furyは激怒という意味なので「怒りの」はいいんだけど、Roadだけで「デス・ロード」。

こういうサブタイトルって誰がつけてるかわからないけど、どうも何かしら付け足してしまう傾向がある。マカレナに「恋の」とつけたりとか。

ただ、「怒りのデス・ロード」は、たぶん何につけても面白いフレーズなのがズルい。『海街diary』『海街diary 怒りのデス・ロード』になる。観たい。観たいので、あらすじを作ってみた。それぞれの公式サイトに載ってるあらすじを混ぜ合わせると、こんな感じになる。

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まぶしい光に包まれた夏の朝、石油も、そして水も尽きかけた鎌倉に住む三姉妹のもとに届いた父の訃報。十五年前、父は家族を捨て、その後、母(大竹しのぶ)も再婚して家を去った。父の葬儀で、三姉妹は愛する家族を奪われ、本能だけで生きながらえている腹違いの妹すず(広瀬すず)と出会う。資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するジョーの軍団に捕われたすずに、長女の幸(綾瀬はるか)は思わず声をかける。「鎌倉で一緒に暮らさない?」反逆を企てるジョーの右腕・幸と、配下の全身白塗りの次女・佳乃(長澤まさみ)は何かとぶつかり合い、三女の千佳(夏帆)はマイペース。そんな三姉妹の生活に、すずが加わった。季節の食卓を囲み、それぞれの悩みや喜びを分かち合っていく。しかし、祖母の七回忌に音信不通だった母が現れたことで、一見穏やかだった四姉妹は奴隷として捕われた美女たちを引き連れ、自由への逃走を開始する。凄まじい追跡、炸裂するバトル……。絶体絶命のピンチを迎えた時、秘められていた心のトゲが見え始めるー。

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観たい。石油も水も尽きかけた古都鎌倉。本能だけで生きながらえてる広瀬すず。クライマックスの大竹しのぶとの白熱するバトルも見どころだ。

あと全身白塗りの長澤まさみも観たい。

『アルプスの少女ハイジ』にトライさんはいない

ぼんやりテレビを見ていたある日、ふとその可能性に思い至った。

まさか、いやそうかもしれない。恐る恐る、しかし少しの確信を持って、子どもたちに言ってみた。

「アルプスの少女ハイジに、ホントはトライさんはいないんだよ」と。

返事は「えー!うそ!」だった。やっぱり。やっぱりだったか。

『アルプスの少女ハイジ』をベースにした「家庭教師のトライ」のCM。元となったハイジの画質そのままに合成されたキャラクター・トライさん。吹き替えもハイジたちと会話しているように絶妙に変えてあって、すっかりハイジの世界に馴染んでいる。

うちの子どもたちは『アルプスの少女ハイジ』本編より先に「家庭教師のトライ」に触れてしまったので、もうすっかり「トライさん」がハイジの登場人物にいると思っているのだ。無理もない。あんなに馴染んでたら無理もないのである。

このあいだスーパーに行ったとき「アルプスの少女ハイジ パンチップス」なるお菓子があった。パッケージを指さして、「ほら、トライさんいないでしょ」と再度教えた。

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「えー、ホントだ」と一旦は納得した娘8歳。しかし、「後ろの家の中にいるんじゃないの?」とまだ諦めていなかった。

いない。いないんだって!ハイジにゃ学校も、試験もなんにもないんだって!(夜は墓場で運動会でもない)

もういっそこの調子で、いろんな名作アニメにトライさんを出してほしい。999に乗り込み、哲郎とメーテルに夏期講習を勧めるトライさん。虎の穴でタイガーマスクに個別学習をするトライさん。少年院で丹下段平の葉書を受け取る矢吹丈に、通信学習も合わせてオススメするトライさん……。

どんなアニメにもトライさんが見切れる。トライさんが共通言語になる。トライさんを介して世界がつながり、一つになる。We are the world. We are the トライさん。

「あなたもサザエさん わたしもサザエさん」みたいになってきた。カツオにこそトライさんがいる気もする。

全国の線路がつながる!駅すぱあとの新しい『全国路線図』がバージョンアップ

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タモリが鉄道に目覚めたきっかけは、幼少期に「このレールをたどれば全国どこでもいける」という事実に衝撃を受けたからだそう。

駅すぱあとの「新しい路線図」、全国路線図がアップデートしました。この路線図、地域ごとの表示をなくして、全国の路線図を1枚につなげたものなんです。

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しかも、そのままつなげるのではなく、ズームイン/ズームアウトで縮尺がかわります。都心をアップにすると、省略されていた地下鉄網がはっきり映しだされます。まさに路線図界のGoogleMapなのです。

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私鉄密集地帯の富山もこのとおり。

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1本のレールが全国どこでもつながってる。その果てしないイメージを路線図で確かめられます。いやぁいいなぁ。ずっと見てられる。たまらんです。

「全国路線図」はベータ版で、今後APIの提供も検討しているそう。気になる方はメールで登録しておくと最新情報が届きます。おすすめ。

「駅すぱあと」のあたらしい路線図

ラッスンゴレライじゃない。「本物に似せた名前のコスチューム」がいろいろ大変

ラッスンゴレライでおなじみ、8.6秒バズーカーになりきれるセットがAmazonで売られていた。つなぎ・ベルト・ネクタイ・サングラスが含まれているらしい。

しかし名前が『ちょっと待ってフルセット』である。

こうしたパーティーグッズには、しばしば「本家の名前は出さないけど、本家をうっすらと想像させる感じの名前」がつくことがある。権利関係がゴニョゴニョなのかなんなのか、いろいろと理由があるのだと思う。

『ちょっと待ってフルセット』だって、8.6秒バズーカーとは全く関係なくて「いや、ちょっと待って欲しいときに使うやつです」と言われるかもしれない。商品説明には「ド派手な赤いコスチュームでリズミカルに踊ってみよう!」と書いてあるけどもだ。

そういえば最近のアレとかコレとか、どんな名前がつけられているんだろう?と思って調べてみた。
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1枚で2つの世界。「カラーユニバーサルデザイン」の路線図(メトロ・都営・横浜市営地下鉄)

路線図が好きすぎて、ついにデイリーポータルZに載ってしまいました。

路線図をただながめて「いいねぇー」って言うだけのオフ会 – デイリーポータルZ:@nifty

前回記事路線図には川とか緑とかキリンもあるの最後で告知してたオフ会であります。ライター西村さんに参加&取材していただきました。記事では僕が真顔で解説してますが、西村さんのうんちくも最高だったんですよ。最後に北朝鮮の地下鉄路線図見たりしたんですよ(「統一」とか「戦友」って駅がある!)

で、いろいろ語り足りないなぁ、と思って。記事中にでも出ていた、メトロの「カラーユニバーサルデザイン」の路線図。色覚障がいの方向けに、券売機の横にひっそり貼ってある路線図です。

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アップにするとこうなってる。微妙にシマシマがあったり、路線が黒で縁取られて、交差するときは白抜きになってる。

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実はこのタイプの路線図、都営地下鉄にもあるんです。こんな感じになります。

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都営はメトロほど色数がないのだけど、路線名のところを見ると「マゼンダ」や「ローズ」というように色名が書いてある。

最初、なんの知識もなくて、「なんか違う色のやつが貼ってある」くらいに思ってたんです。そんでちゃんと調べたんですよ。

丸ノ内線は茶色、都営新宿線は黄色に見える

一般的に「色盲」「色弱」と呼ばれる色覚障がい。その数は全世界で2億人。日本全体では300万人以上もいるそう。日本人男性では20人に1人の割合。学校の1クラスに1人はいる計算になる。

色で指示をされることって多い。「申請は緑の用紙です」「ピンクの錠剤を飲んでください」「赤いランプは充電中です」……。色覚の違いで取り返しがつかない誤りをおこす可能性もある。この問題をデザインで解決する取り組みが「カラーユニバーサルデザイン(以下CUD)」。

色で示すといえば、路線図だって路線の違いを色で表現する。路線数が多いほど色弱者には区別が難しくなる。福島県が作成したカラーユニバーサルデザインガイドブックから引用すると、こんな感じに見えるそう。

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どれが銀座線(黄色)かわからない。真っ赤な丸ノ内線も茶色になってしまう。「赤いやつに乗ってください」と言われてもわからない。

じゃぁ専用の路線図を別に作ればいいじゃん、という話になりそうだけど、CUDは「色弱者用のデザインではない」のが特徴。1つのデザインで、色覚者にも色弱者にも伝えるのが目的。デザインの力で、どんな人にも見えるようにしようじゃないの、というわけ。

デザインって、アイデアひとつで複数の困難を一気に解決できる力を持っている。かっこいいなぁ、といつも思う。

CUDを取り入れた横浜市営地下鉄の路線図

とはいえ、既に路線のカラーが決められちゃった状態で、じゃぁCUD対応しましょうと言われても難しい。東京メトロや都営地下鉄も、後付けの対応で別に路線図を作っているんだと思う。

でも、最初からバリアフリーを目的にして、CUDを路線図に取り入れた鉄道会社もある。横浜市営地下鉄。

2008年に開通した横浜市営地下鉄グリーンラインでは、駅構内サインにCUDを取り入れた。路線図や運賃表、トイレの案内などにCUDが活かされている。路線図はこうなっている。

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路線図に載っているのはJR・私鉄を含めた21路線。一般的な路線図は路線ごとに色を変える。でも、横浜市営地下鉄の路線図では鉄道会社ごとに色を統一している。その結果、路線の色数は10色に減った。JRは緑の縞模様、京急はピンクの二重線など、線種も変えている。

横浜付近をアップにしてみると……。

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路線が交差するポイントには白い境界線を描いている。駅名が路線にかかる場合は、その部分だけフォントに縁取をつけている。色弱者に細かい配慮がなされ、かつ一般の色覚者にも違和感がない。CUDが施されていることすら気がつかない人も多いと思う。

横浜市営地下鉄はこの取り組みで、内閣府が主催する「平成20年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」において「内閣府特命担当大臣表彰優良賞」を受賞している。国のお墨付きである。
横浜市交通局 インフォメーション 横浜市交通局が「内閣府特命担当大臣表彰優良賞」を受賞!

色や線がごちゃごちゃしているのが路線図の魅力でもあるけど、CUDの配慮ももっと広がればいいな、と思う。CUDの路線図は1枚で2つの世界を映し出す。世界は見たままのものとは限らないのである。