路線図には川とか緑とかキリンもある

以前、路線図ファンの苦悩というエントリで路線図好きを表明しておりますが、最近になって再燃しております。

なんかもう、ここ1ヶ月、どんな駅でも改札付近で一回止まっちゃう。だって路線図があるから。

縦・横・斜め45度の直線のみで描かれた路線図がありますよね。駅と駅との関係をシンプルに表現したデザイン。「ダイアグラム型」と呼ばれる路線図。誕生したのは1931年のロンドンまでさかのぼる。

当時の路線図は地図に路線を重ねたもの。ロンドン地下鉄の従業員ハリー・ベックは考えた。どうせ地下を走るんだから、駅の位置関係だけわかればいいんじゃない?地図は無視して駅を直線で結んだ。試しに配布してみると大ウケ。1933年にロンドン地下鉄が公式に採用することになった。

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↑最新のロンドン地下鉄路線図はベックのデザインではないんだけど……

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↑左下のあたり。ちゃんと「ダイアグラム型の発案者」としてベックの名前が記されている。

ベックが描いた路線図は駅と路線だけのシンプルなもの。道路や建物は含まれていない。しかし、テムズ川が下3分の1を横切るように流れている。駅の位置関係がわかればいいのに、なぜテムズ川が描いてあるのか?

他の国を見てみても、川が描いてある路線図って多い。

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↑パリはセーヌ川

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↑ソウルは漢江

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↑モスクワはモスクワ川

川は都市の最大のランドマーク(目印)とも言える。川を配置することで、全体のエリアや縮尺を一発で把握できる。川は路線図とリアルを結ぶ助けになる。

一方、東京にも隅田川・荒川・江戸川といった河川が多く存在する。でも、東京メトロ・都営地下鉄の路線図には川が全く描かれていない。

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↑東京メトロ(東京湾はあるけど川はない)

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↑都営地下鉄(海すらない)

川の代わりに共通して存在するのが、皇居の緑。

皇居の地下は地下鉄が通っていない。路線のみを描くと中心が不自然に空いてしまう。中心に緑のエリア=皇居を配置することで不自然さを無くす効果がある。

……と、思ってたんだけど、最近東京メトロの地図ベースの路線図をよく見たら、もっと緑があった。

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皇居の他に、上野公園、新宿御苑、代々木公園が描いてある。ベイエリアもしっかり描き込まれている。でもやっぱり川はないのだった。川よりも緑押しの東京である。

「路線以外に何を描くか」は国ごとに違うのも面白い

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↑プラハの川は中洲まで描いてある。ランドマークもいっぱいあって、動物園にキリンまでいる。

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↑オランダ鉄道やノルウェー鉄道は複雑に入り組んだ海岸線まで全てダイヤグラム化している。圧巻。

(写真はMark Ovenden『Great Railway Maps of the World』より。世界中の路線図が載っててヨダレがダラダラな本!)

『路線図を眺めるオフ』をやります

そんなこんなで、ずっと路線図を見ているので、路線図のオフ会を開くことにしました。告知まで長かったけども、ここまで読んでくれる人じゃないと興味ないかなと思って!

『路線図をただ眺めていいねぇ〜と言うオフ』
日時:4月25日(土)15:00
場所:パセラリゾート渋谷
参加費:2000円(ワンドリンク・おつまみ付き)

とにかく世界中の路線図を眺めて「いいねぇ~」と言うだけです。うんちく不要。デザインやインフォグラフィックとして路線図を鑑賞します。普段鉄道はそこまで興味ないんだけど、路線図のデザインだけ気になるって方(僕がそう)に喜んでいただければ〜。

参加を希望される方は@inomskまでDMするか、このブログのメールフォームまでご連絡を。TwiPlaでも告知しています。

よろしくどうぞ!