「売る人」と「買う人」は切なくすれ違う

photo:On the Way Home by Caveman Chuck Coker

「いいものを作れば必ず売れる」という言葉がある。

技術大国ニッポン、この言葉を旗印にして日々精進してきたわけですが、やっぱりちょっと気になる。

「いいものを作れば必ず売れる」の「いいもの」って、誰にとっての「いいもの」だろう?

「いいものを作れば必ず売れる」は売るほうの人の言葉なので、ここで言う「いいもの」は売るほうの人が考える「いいもの」である。どうだ、いいものだろう。おひとついかがかな。

photo:Disney – Poisoned (Explored) by Express Monorail

いやいやお客様のことを考えていいものを作っております、と売る人は言うと思うけど、それも「『買う人は何をいいものと思うか』を売る人が考えたいいもの」である。めんどくさい。結局売る人は考える。なにが売れるかな。なにがいいかな。

で、当然お買いものなので、買う人が「いいものだー」と思わないと、残念ながら売れない。そんなにいいものじゃないなー、とか言われる。

「売る人が考えるいいもの」と「買う人が考えるいいもの」はピッタリ一緒にならない。二人の頭の中は近づくこともあるけど、必ず一緒にはならない。

ということは、「いいものを作っても必ず売れるわけではない」ことになる。

なんとまぁ。話が違う。

photo:dino kart by mugley

マーケティングとか経済とか素人なので、間違ってしゃべってたらごめんなさいね。

そうそう、だったら買う人が売る人になっちゃえば早いじゃない、とも思う。事実、読者がプロデュース!みたいなものある。でも、買う人は売る側になった途端に原価とか粗利とかコストとか大人の事情がアァ~って現れて、元・買う人はやっぱり売る人になっちゃう。

買う人と売る人は、掛け持ちできない。

だから、がんばっている売りたい人はマーケティングとかで「買う人が考えるいいもの」をなんとか知ろうとする。買う人が考えてなかったりもするから難しい。買う人が考えたこともなかったいいものを、いつか出してみたい。

逆に「いいものを作れば必ず売れる」とブツブツ言いながら外に出ない売る人は、部屋に売れないものがどんどん積み上がっていく。「好きという思いは必ず通じる」と、ラブレターを書き続けてフラれ続ける。

モノがあふれるあまり、買う人自身も自分がなにが欲しいかわからなかったりする世の中。こんなの欲しかったでしょ。うわぁ!そうそう!という幸せな出会いが、もっと生まれて欲しいなと思う。

がんばれニッポン。なんとなく言ってみる。

むかし悪かった人を「やんちゃ」って呼ぶのズルい

さっき不良の話題が出たので、ついでにちょっと言いたいこと。

むかし悪かった人を「やんちゃ」って呼ぶの、なんかズルいんだよなぁ。

あんなに怖かったのに、いたずら坊主的な、なんかカワイイ感じにしちゃってるのズルい。やんちゃはいっても器物損壊まででしょ。恐喝や傷害までいかないでしょ。ドリフ観たら寝るでしょ。

あと本当の意味でやんちゃ坊主だった人が「不良だったんだ…」と誤解されるかもしれない。毎日野山を駆け回っていただけなのに。

まぁその、「やんちゃ」な人たちに、本当にやんちゃなエピソードがあるのなら仕方ないけどもだ。

・毎日泥だらけで帰宅するため洗濯が間に合わない
・透明ランナーがどの塁まで進んだかで大ゲンカ
・和尚さんに怒鳴られたことがある
・セミを食べる
・年中ランニングシャツ一枚
・ゲタを履いている
・おにぎりが大好き

最後まできて、まさかの山下清画伯登場。裸の大将だ。

「ぼ、ぼ、ぼくは、む。むかし、や、やんちゃだったんだな」と凄んでも、おばあちゃんに「そうかいそうかい」と返されて本気にされない画伯。

それぐらいの気迫でやんちゃを名乗ってほしい。野に咲く花のように。

「○○歳までにしておきたいこと」が多すぎる

最近本屋に行くと、「○○代のうちにしておきたいこと」とか「○○歳までに知っておきたい△△のこと」というタイトルの本がある。

けっこうある。

もう、生きてるうちにどんだけのことするんだ、というぐらいある。試しにAmazonで「歳までに」で検索してみたら、幅広い年代の「歳までに」が出てきた。ちょっと見てくださいよ。
 

・「3歳までにやっておきたい育児法ベスト30 」
・「5歳までに決まる!才能をグングン引き出す脳の鍛え方・育て方」
・「7歳までに学力アップ!」
・「8歳までに経験しておきたい科学」
・「9歳までで決まる! 算数が得意な子になる本」
・「10歳までに決まる!頭のいい子の育て方」
・「12歳までにかならず教えたいお金のこと」
・「13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと」
・「25歳までにしなければならない59のこと」
・「28歳までに結果を出す!勉強のルール」
・「30歳までに「小金持ち男」と結婚する本」
・「32歳までに知らないとヤバイお金の話」
・「あたりまえだけどなかなかできない 33歳からのルール」
・「35歳までに身につけておくべき プロの経理力」
・「38歳までにするべき3つのこと」
・「お金の知恵は45歳までに身につけなさい」
・「50歳までに「生き生きした老い」を準備する」
・「60歳までに1億円つくる術」
 

思いのほか数字が細かい。全部埋まるかと思った。もう「0歳までに」とかありそうな勢い。

5歳までに決まる学力が10歳で決まったり、25歳までに59のことをしなきゃいけないのに38歳までには3つに減ったり、35歳までにプロの経理力をつけるのに45歳までにお金の知恵をつければよくなってる。30歳までに小金持ちと結婚するのに、ヤバいお金の話を知るのは32歳までってのは手遅れじゃないのか。みんなちゃんと話を合わせてから出版してほしい。
 

じゃぁもう死ぬまでになにしたらいいの?と、長生きしている人のご意見をうかがってみると、

結局ね、そういうことなんですよ。

生きてるだけで丸もうけ。それでいいじゃない。
 

メダルをめぐるあれやこれやをそろそろやめたい

photo:Go World!! by geckoam

オリンピックで金メダル、って結構ニュースになるじゃないですか。1番ですからね。そりゃすごいことなわけですよ。

で、銀メダルや銅メダルを取った人に対して、「金メダルが取れなくて残念でした」って反応があるじゃないですか。インタビューとかでね。すいません、なんて謝ってしまう選手とかいて。

そしてその反応に対して「いやいや、銀や銅だって立派なもんじゃないか。世界の2位3位だぞ」って反論があって、さらにその次に「メダル取れなくたって、オリンピックに出るってだけで相当なことなんだぞ」という意見が出るんですよ。

毎回毎回。夏も冬も。

これ、もうそろそろ、なんとかならないかなと。

言ってたじゃん、わかってるじゃん、と。みんながんばってるのは。精一杯やってるのは。

だから、なんだろ、「金」の価値観が高すぎるのかな。金がすごいぞ、という意識が高まりすぎてるのかな。金10、銀2、銅1ぐらいになっちゃってるのかな。金信仰みたいなのがあるのかな。

メダルの材質と順位をいったん切り離してみたらどうなるかな。

3位も2位も1位も紙のメダルにして、4位以下の人にもみんなに賞状あげて、

最終日に聖火台で全部燃やしちゃうの。

その灯りの周りで人々が浮かれ騒ぐの。

記録じゃなくて、記憶に残るように。天にささげる感じで。

がんばってる姿を、お天道様は見ているんだよ。

だから謝ったりしなくていいんだと思うよ。ねぇ。どうだろ。
 

スイカは野菜か果物か?自分の知ってる「当たり前」について

今日はちょっと実験としてしゃべってる風に書いてみますよ。

あのー、自分が当たり前だと思ってることでも、実は世間では当たり前になってない、なんてことがあったりします。

先日、僕の両親がうちに遊びに来たんですよ。で、孫とひとしきりたまむれまして、キャッキャワイワイしまして、お土産に持ってきたスイカをね、切って食べたんですよ。みんなで。

そこで、志村けんばりにスイカにむしゃぶりつきながら、スイカは果物か野菜か、って話になったんですよ。

これはね、僕としては当然スイカは野菜なんですよ。でも両親は果物だっていうんですよ。甘いじゃないかと。いやいやそんな区別じゃないと。軽くもめまして、でも子供の手前「どーなんだっけんねぇ~」なんて終わって。

それをいま思い出して、大人げなくこう書いてるわけですけど、スイカはね、野菜なんですよ。自信なくなっちゃったから調べちゃった。野菜と果物の区別ってこうなんですよ。


◆野菜:草や地面にできるもの
◆果物:木になるもの

だからスイカもイチゴもメロンも野菜なんですよ。ホントだよー。

バナナは木になるから果物で、パイナップルは…まぁその…草っぽいからグレーゾーンですけど。三ツ矢雄二ばりのグレーゾーンですけど。南を甲子園に連れていってくれますけど。

これってやっぱり「自分は当たり前だと思ってるけど、世間では当たり前じゃない」ってことになるのかと思って。いや三ツ矢雄二じゃなくてスイカの話が。

ジャイアント馬場が昔ジャイアンツに在籍していたのも、ビビる大木とテレ朝の大木アナが親族なのも、ブラックデビルは最初は高田純二だったのも、自分は普通に知ってるんだけど世間では当たり前じゃないのよ。さっき「志村けんばりにスイカにむしゃぶりつきながら」って普通に言っちゃったけどこれも万人に通じるわけじゃないのよ。あのすごいスピードのやつ。

でもね、これは逆に、世間の当たり前を僕が知らない可能性だって十分あるわけですよ。

冠婚葬祭のマナーとかの一般常識もしかりね、あとみんな、AfterScoolとT-ARAの区別ができるかもしれないでしょう?こちら、猫の手があるかないかでしかわかんないもの。何人だっけか。

年をとるとね、どんどんこうやって時代に取り残されていくわけですよ。自分が知ってる「当たり前」にいつまでもしがみついていてはいかん。いま大事なこと言った。言ったなー。

あーあと最近聞くけどよく知らないのが「塩麹」。あれ、なんなんだろ。みんなご飯の時に塩麹シャッとしてるの?