おはよう靴下の思い出

宮城県では穴のあいた靴下を「おはよう靴下」と呼ぶ。

以前、秘密のケンミンSHOWでも紹介されたらしいこのローカル用語。僕も地元では使ってた。

というか、「宮城県限定」じゃなくて「我が家限定」だと思っていた。母親が繰り出した面白フレーズだと思っていた。

なんだ、こんなことなら県内ではもっと大手を振って「おはよう靴下」を口に出してもよかったのか。

小さい頃、母親に「へそのゴマをごま塩に混ぜて食べてお腹を壊した」という嘘をつかれたことがあり、それを信じて友達に話して笑われたことがあった。それで警戒してしまっていた。いま思い返してもなんでそんな嘘をつかれたのかわからない。ボケだったのだろうか。見ていたお笑いはドリフぐらいだった幼少の息子に「そのゴマと違うわ」とつっこませるには随分と飛ばしすぎたボケだと思う。

ちなみに「おはよう靴下」はあくまで親指がちょっと覗くくらいの穴であり、もう爪の根元まで見えるレベルの穴は「こんにちは靴下」と呼んでいた。

あ、まさか、と思って「こんにちは靴下」をGoogleで検索してみた。

ヒットしない。

うちの母親、油断も隙もあったものではない。

ホラー映画のスタッフがホラー好きとは限らない

ホラー映画が苦手です。

ホラー映画に限らず、怖い話が苦手です。だって怖いじゃないですか。見たり読んだりした後に、生活の中にさっきの怖いのが入りこんでくるのがもう嫌なのだ。怖いのだ。就寝時の消灯、半開きのドア、洗髪中の背後、向かいのホーム、路地裏の角、こんなとこにいるはずもないのに。

というか、ホラー映画を作る人の中にも怖いのが苦手な人が絶対いると思う。

映画の最後に延々流れるエンドクレジット。一本の映画を作るのに、撮影・編集・美術・音声などなどたくさんの人が関わってるけど、みんながみんなホラー大好き!じゃないと思う。一人くらいは「俺、血とか全然ダメで…」という人がいるはずだ。

普段はベタなラブコメとかを愛しているしがない映画スタッフであったが、この不況下、人が足りないという理由でホラーの現場に駆り出されてしまう。「いや自分、こういうのはチョット…。」「じゃぁお前以外に誰ができるんだよ」「それはそうですけど…。」最終的に上司に押し切られ、例えばグチョグチョした音とか、小腸に似せた何かとかを作らないといけなくなってしまう。

ラブもコメディもない現場に苦悩する彼であったが、なんとか自分が怖がらずに済む手法を編み出して対応していく。怖くて試写も見れない彼。しかし、これまでと違うクオリティを持った出来映えに職人としての腕を買われ、どんどんオファーがきてしまい…。

なんかデトロイト・メタル・シティみたいな話になってきた。

ハートフル・コンタクトレンズ

以前、「視力がよいのでコンタクトレンズのチラシは必要ないのだが、そのことをチラシ配りの人にそれとなく伝えたい」という話を書いた。

先日、街を歩いている時にコンタクトレンズのチラシ配りの人に遭遇。勇気をもって、そして、申し分なさもニュアンスに含ませて、「裸眼なので…」と言ってちゃんと断ってみた。

ノーリアクションだった。

考えてみれば、コンタクトレンズを売る側からすればそんなことは関係ないのだった。ただの自己満足であった。自分は何を期待していたのだろう。お恥ずかしい話である。

とは言え、裸眼(両目視力1.0)の自分にコンタクトレンズを売られても困ってしまう。目になんかいれるのは怖い。

妻に贈るとか?

「ただいま。ケーキ買ってきたよ」
「あら、めずらしい」
「あ、いいよ、僕が切るから…はい。」
「ありがとう。いただきます…(ガリッ)…え、これって…」
「いつも…ありがとう」
「あなた…」

みたいなことだろうか。

「鏡の中の君の顔が、僕が見ている君の顔のように、はっきりと美しく見えるようにと思って」

そんなハートフルストーリー。

でも「ガリッ」の時点でレンズがもうダメになっている気がする。

力士テレフォンショッキング

笑っていいとも!のテレフォンショッキング、千代大海→九重親方と続いていた力士リレーも、まさかの綾小路きみまろへの紹介で幕を下ろした。

もし力士だけでテレフォンショッキングを回していったらと考えてしまう。

少なくとも二年は固いと思う。力士の顔写真だけで埋まる舞台左のカレンダー。後援会からの花輪とドラえもん電報。あまり相撲に詳しくなかったタモリも、どんどん相撲トークができるようになっていく。

「すごかったねぇ、昨日の寄りきり。」
「マゲ、結った?」
「塩ちゃんこはね、柚コショウで食うとね、これがうまいんだよ。」

客席との掛け合いも「白鵬が勝ち越しましたね」「そーですね」だ。100分の1アンケートでは永谷園から懸賞がでるかもしれない。

たまにやくみつるやデーモン木暮が挟まるが、やっぱりまた力士に戻る。

そのうち他のコーナーにも相撲のかげがちらつくようになる。曜日対抗いいとも選手権で、力士の着ぐるみでピンポン玉をリレーしたりし始める。笑っていいともは完全に相撲番組にシフトしていく。

内館牧子が木曜レギュラーになったらその時が来たと確信すると思う。

第二の「筆談ホステス」オーディション

『筆談ホステス』のドラマをやっていた。

聴覚障害を持つ青森一の不良娘が独自に編み出した“筆談術”だけで銀座NO.1ホステスに成り上がる苦闘のすべてを描いた感涙必至の青春ストーリー

らしい。

このご時世、銀座の世界で生き残るのも大変なことだろう。もっといろいろなホステスがいたらいいと思う。

■怪談ホステス
「昔このお店で首をくくったホステスがいましてね…」

■漫談ホステス
「今日のお客さんもすごいですねぇ。社長さん、社長さん、一つ飛ばして社長さんなわけですけども」

■示談ホステス
「お金でなんとかならないでしょうか…」

■縁談ホステス
「お客さんにぴったりの女性がいるの。写真だけでも見てみないかしら」

■破談ホステス
「やっぱり写真見るのやめたら?」

■後日談ホステス
「お客さんが帰った後、大変だったんですよぉー!」

■会談ホステス
「普天間基地移設について話し合いを持ちたいのですが」

■三者面談ホステス
「本日奥様に来ていただいたのはですね、旦那さんのお店での振る舞いについてのことなんですが…」

っていうか大体のホステスが雑談ホステスだよね。