ダメな自分を許す占い

テレビの占いコーナーで悪い運勢だった場合、もうそりゃそうだろう人として、ということを言われることが多い気がする。

例えばこんなの。

・他人の意見を聞かないで孤立するかも!
・不安なことはそのままにしないで!
・先送りにしていた問題が爆発!

人の話は聞くべきだし、不安なことは確認したほうがいいし、問題を先送りにしたのが良くないんだ。もう、そりゃそうなのはわかってる。わかっているんだ。でも人間だもの。

こうなると良い運勢の場合は、ちゃんとこの逆のことを言っていかないとバランスが取れない。ダメな行動を許さないと、と思う。

・どんどん人間関係をおろそかにしてもオッケー。着信は無視して!
・面倒なことは見なかったことに!他人には見つかりません。
・返すつもりのない金銭を借りるのに絶好の日!

そういえば、今日のめざましテレビの占いで、最下位の星座のラッキーポイントが「動画サイト」だった。そんなテクノロジーを占星術で導けるものなのか。謎は深まる。

パパはドラえもんじゃない

娘二歳を寝かしつけている最中、添い寝しながら「おやすみなさい」と声をかけたら、「おやすみ、ドラえもん」と前振りなく突然ボケでかえされた。

パパはドラえもんではない。

しかしせっかく幼い娘がボケているというのに「違います。パパは成人男性です。おやすみなさい」と正論を返すのも大人気ない。

と思って、半分寝ぼけながらツッコミ返したら、相手をしてもらえたと思ったらしく延々ボケられた。仕方なく延々つっこむことになる。

「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。四次元ポケットない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。22世紀からきてない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。押し入れで寝ない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。シッポはスイッチじゃない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。っていうかシッポない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。パパは絵描き歌で描けない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。あそこまでどら焼きに執着はない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。身長・体重・胸囲全部同じじゃない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。妹黄色くない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。パパはコロコロコミックで連載されてない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。パパの声は大山のぶ代じゃない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。独裁スイッチでのび太に消されたりしない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。うそ800を置いて未来に帰ったりしない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。バイバインで増えすぎた栗饅頭を宇宙に飛ばしたりしてない」
「おやすみ、ドラえもん」
「ドラえもんじゃない。映画『ドラえもん のび太の魔界大冒険』でタイムパラドックスを起こしたりしない」

だんだん子供には通じない話になってきたので寝かしつけることができた。ドラえもんで育った大人を甘く見てはいけない。

伝説のチーズケーキ

「伝説のチーズケーキ」と車体に書かれたバンとすれ違った。

伝説にしてはずいぶんカジュアルにやり過ごしてしまったが、「伝説の」だ。「伝説の勇者」みたいに、勇者にしか抜けない剣を岩から抜いたみたいなエピソードがあのチーズケーキにもないといけないはずだ。チーズか。チーズを岩から抜いたのか。まぁちょっと岩から離れようか。

そもそも飲食業界は「伝説」とか「幻」を軽く扱いすぎな気がする。

厳密な品質管理や在庫管理が行われ、多様な流通・小売りを経ているにも関わらず「幻の」とかついちゃうのだ。幻である。消えちゃうかもしれない。幻だもの。

幻の洋服なんてないのだ。誰か「王様は裸だ!」と言ってもらえないものか。

オチを探しながら書いてたけど見つからないまま終わってしまった。

幻のオチ。

タクシーの「いま、なにしてる?」

タクシーの「支払」の表示が気になる。

タクシーのフロントに表示されてるアレである。「空車」とか「迎車」とかは道行くお客にアピールするために必要だと思うのだけど、「支払」はお金払ってる時しか表示されないので、なんだか必要性がよくわからない。あっ支払ってるな、とか注目しないし、支払いの隙をついて横取り40万みたいな犯罪を誘発しないのだろうか。

タクシーの状態を周りにお知らせしたいなら、いっそもっと細かい情報を伝えたら面白いと思う。

「沈黙」 会話がない状態

「泥酔」 車内が酒臭い状態

「迷子」 道に迷っている状態

「釣無」 一万円出してもいやな顔をする状態

「暫定」 今のところ目的地に行くつもりの状態

「追跡」 前の車を追っている状態

「勘弁」 なんかもう勘弁してほしい状態

「一位」 現在のところトップの状態

「メイ」 お母さんが入院している病院に一人で向かって迷子になったメイの元へ五月(声:日高のり子)が迎えに行く状態

もはや、たった2文字のTwitterだ。でも最後のはとなりのトトロだ。そしてあれはタクシーじゃなくてバスだ。

選手村が地方自治体になる

オリンピックになると必ず登場するのが「選手村」だ。

なんか「選手村」という響きには楽しげなイメージがある。各国の美味しいものがちょっとづつ食べられたりしそう。夜には枕を並べて「ぶっちゃけお前誰好き?」とかやってそう。

とはいえ、「村」であるので、一つの地方自治体として機能してしまう可能性も捨てきれない。

オリンピック終了後、選手村から去ろうとしない選手たち。あまりの居心地の良さに永住を決意する人々。不法占拠だ、と反発する地元住民を持ち前のスポーツマンシップで粘り強く説得し、ついに自治体としての「選手村」が誕生する。

村長選挙では金メダルの数がものをいったり、各国の文化の違いから争いが生まれたり(ゴミの出し方とか)するが、やはり持ち前のスポーツマンシップで一つ一つ問題を解決していく。体力だって有り余っている。田畑を開墾し、子孫を残し、徐々に地域に根付いていく選手村。

しかし4年後、別の選手村が他国に誕生する。

選手村は世界に二つもいらない。

再び、戦いの日々が始まる。持ち前のスポーツマンシップが残っているのかは、定かではない。