絵本「りんごかもしれない」の脱力するタッチと発想で、すっかり我が家の心をつかんだ、ヨシタケシンスケさん。
2009年に出たこの単行本は、映画「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」からのスピンオフ企画。
次々寄せられる会社の愚痴に、ヨシタケさんが絵入りで一問一答する形式。これまた、クスクス笑いが止まらない…!
登場する「会社の愚痴」は、映画のスピンオフ企画として公募したもの。「もう一ヶ月も休みがない」「酒癖の悪い上司からの飲みの誘いが断れない」といった”あるある”なものから、「前の席の同僚のモノマネがうるさい」「ゲイの上司に迫られて困っている」といった一癖あるものまで、全部で60個。
このお悩みに「委員会メンバー」がお答えする、という形式なんだけど、斜め上からの回答連発で楽しい。
Q.上司があきらかにズラで、気を使うんですけど。
A.巣から落ちたタマゴを頭であたためているやさしい人だと思うようにしましょう。
Q.たいした事じゃなくてもため息ばかりの上司にうんざりしています。常にネガティブって…
A.ひょっとしたら上司は恋をしているのかもしれません
Q.社員研修で富士山に登らされるのが、しんどい。
A.キライな上司が目の前で滑落するかもしれません。希望を捨てないで。
一事が万事こんな調子。これにゆるいイラストが添えられて効果倍増。ため息ばかりの上司のとこは、部下が飲みの席で「えーっ 言っちゃいなよ!ホラ!」とうつむく上司を肘でつついてたりする。あと、上司が滑落してたりとか。
無責任だけど、真面目に悩んでもしょうがないものは、しょうがないのだ。
斜め上のポジティブでも、ポジティブはポジティブ。ゆるく参りましょう。
こんなお悩み回答もありましたよ。
Q.社会に出て5年、自分があんまり成長していない気がするんですが、このままでいいんでしょうか?
A.先人の知恵、魔法の言葉があります。「大器晩成」(先行っといて〜。あとで追い抜くから〜)
僕も、30代前半のころ、横浜中華街で手相を見てもらったときに「50歳から」と言われた言葉を信じて今を生きています。
来い、大器晩成。