触りまくり探偵 竹内真『シチュエーション・パズルの攻防』

ここまで女性のおっぱい触りまくりの探偵役が他にいただろうか。

大学入学を機に、叔母がママを務める銀座の文壇バーでアルバイトをすることになった了。
その店は、人気ミステリー作家・辻堂珊瑚朗先生ご贔屓の店だった。普段は店のホステスにちょっかいを出しながら、バーボンと葉巻を楽しむサンゴ先生だが、ひとたび不思議な謎に出合うと、鮮やかな推理をさりげなく披露する。
ミステリー作家は本当に名探偵なのか?文壇バーで毎夜繰り広げられる推理ゲームと、サンゴ先生の名推理。

探偵役の珊瑚朗先生は大ベテランの大御所作家。マフィアのような風貌でホステスはべらせまくり。事あるたびにお触りである。

ミステリとしては安楽椅子探偵もの短編5編ということになるんだけど、後半にいくにつれ段々苦しくなってくる印象。謎解きというよりも、夜の銀座の男と女の駆け引きといったところに落ち着いてきます。ちょっと謎を解いてはまたおっぱいお触りですが。

その中でも群を抜いて好きなのは2本目の表題作「シチュエーション・パズルの攻防」。いわゆる「ウミガメのスープ」などの水平思考ゲームを下敷きにしている。ある日バーにこんなファックスが届く。差出人は不明。

『夜の酒場に一人に男が入ってきました。
彼はカウンターのマスターに向かって、「み、水をくれ」と告げました。
マスターは無言のまま拳銃を構え、銃口を男に向けました。
すると男は、マスターに礼を言い、何も飲まずに帰っていきました。
—–
さて、これがどういうことだが、説明できますか?』

出された問題対して質問をし、「イエス」「ノー」「関係ない」という3つの答えだけしかもらえない状況で真実を当てるのがシチュエーション・パズルのルール。さて、このファックスはなんのために送られてきたのか?

ラストの絵解きはなかなか綺麗です。
 

ツルツルの生き方 岡田圭右『無欲 岡田がおかだである理由』

パァ!!出た!!ワォ!! 岡田でーす!
いやぁ~~、俺の本!!
いやいや~~、俺で本!!
こんなうすっぺらい人間が本を出す。まさにキセキの一冊だ。
(「はじめに」より)

冒頭からこのノリです。ますだおかだ岡田の初の著書。雑誌連載のコラムをまとめたもの。もう最初に言わせてほしい。誰に向けた半裸なのか。

日本のスベリ芸の先頭を行く人なのに、本だと誰もつっこんでくれないので、ひとりボケひとりツッコミのオンパレード。「…って、何言わすねん!」「…って、コラー!」「もう閉店ガラガラや!」雪道で起きた交通事故を誰も処理せずに半壊の車が放置されたままのような状態です。

内容は半自叙伝。小学校の卒業アルバムの寄せ書きに「無欲」と書くほどの岡田少年である。流れ流されの人生なのだ。

「ますだおかだ」を結成するときも、既に就職している岡田を増田がもう何回とかく誘ったらしい。最終的には車の中で二人きりの状況で真顔で一緒にやろう、とプロポーズかという状況だったのに「ノリで」OKしてしまうほどの流れ者。

もうツルツルのエッセイが続き、いいこと言ってるのかもしれないけど頭に入ってこないのですが、子供の話となるとちょっと真顔が見えるのがさすがベスト・ファーザーin関西。

40歳の誕生日、サプライズパーティを仕掛けられた岡田。ひとしきり盛り上がった後、会場の照明がダウン。BGMに小田和正の「言葉にできない」が流れ、子供が感謝の手紙を読むという演出があった。そこで息子登場。

「僕は手紙は読みません。自分の言葉でお父さんに言います」

もうこれだけで胸ジーンや。よっしゃ!お父さん、お前のすべてを受け止めたる。

「パパへ パパは普段シラけた感じの芸ですが、これからは明るい芸風でがんばってほしいと思います」そして大号泣。

マジないか、コラーッ!

 
がんばってほしいと思います。

絶対に押してはいけないセルレグザ

ビックカメラに行ったら、東芝の新製品、薄型テレビ「CELL REGZA(セルレグザ)」が売られていた。

すごい画面綺麗。写真は8チャンネル全て同時に映している様子。しかも8チャンネル分の番組を26時間同時録画できたりとかするらしい。えぇー。(あと詳しくはこの辺を→頭脳を持つテレビ。セルレグザ55X1が登場 – [テレビ] All About

これが「すごいテレビだ」とアメトーークの家電芸人で土田晃之が言っていたやつか、と思ってお値段を見たら978,000円!ここまで来ると「でも、お高いんでしょ~」とテレビショピング風にねだってみても何にも効かないと思う。じゃぁ特別に50万円で!って言われても買えない。

で、よくよく売り場の横を見てみたら、なんか白いボタンがある。

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お腹がよじれる!子供たちの創作おはなし集 サトシン監修『きいてね!おてて絵本』

NHK教育『みいつけた』内の1コーナー、「おててえほん」が超おもしろい。

子どもたちが両手のひらを絵本にみたてて、自分の創作したストーリーを話す、というものなんだけど、もう、お話の展開が想像の斜め上を行って、ここに落ちるかと思ったらオチがなかったり、空中でパンと消えてしまうように終わったり、もうメチャクチャのスットコドッコイなのだ。

例えばこんな感じ。7歳の女の子の作品。

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