Home > Tags > 大倉崇裕
大倉崇裕
大倉崇裕『警官倶楽部』
マニアが過ぎてもはや特使能力がついてきちゃった警察マニア達が、巻き込まれたトラブルを解決させるために東奔西走する大倉崇裕『警官倶楽部』。同じ作者による『七度狐』等の本格路線より『無法地帯』のアクションもの寄りです。
盗聴・鑑識・パトカー・銃器・逮捕術・尾行などなど、様々な警察マニアがそれぞれの技能を駆使するわけで、その幅広さはとても面白い。ただ秘密の倶楽部にしてはだいぶ人数が多くって(10人以上?)薄味になっちゃった印象。困った→あいつを呼ぼう→よかった→困った→別のマニア登場→よかった→困った…の連続でキャラが使い捨て気味なので、それぞれイジったり組合せたりしたらもっと面白いことできそう。盗撮マニアの双子とか。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
大倉崇裕『福家警部補の挨拶』
好きが高じてコロンボのノベライズまでやってしまうほどのコロンボ好きの作者が、真っ向から倒叙ものに挑んだ短編集。帯には「コロンボ、古畑任三郎の系譜」の文字。
犯人は図書館司書、大学教授、女優、酒蔵の社長といった面々で、頭脳明晰のつわもの揃い。そんな犯人の皆さんをこれでもかとネチネチ追い詰めるのは題名にもある通り福家警部補(女性)。ふち無し眼鏡に低身長。どんな人にあっても警察官と思われない容姿、何度徹夜しても乱れない表情、ずっと持ってるのは擦り切れた手帳。それでもキャラ付けは最小限にしてあって、犯人との知恵比べに存分に手間がかけられています。この出来がまた素晴らしい。
倒叙ものは犯行が行われるところから書かれるわけで、読者にもどんなトリックが使われたかは伝わっている。こうなると最大の見せ場は犯人の指摘ではなく、最後に突きつけられる決定的な証拠であり、それが意外であればあるほど読者に驚きをもたらす。この辺の”晴れ舞台”の設け方、伏線の張り方がどれも巧いんだよなぁ。
確かなクオリティであり、シリーズ第1作ということで、今後大化けの予感。『川に死体のある風景』もよかったし、個人的に大倉崇裕株が急上昇しています。今が買い。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
e-NOVELS編『川に死体のある風景』
「自由に川を設定し、死体があるところか始める」という縛りでミステリ作家が短編を競作した短編集。e-NOVELSと東京創元社「ミステリーズ!」との連動企画であり、通称「川ミス」。
水面に浮かんでいた”死体”が起き上がり、自分を流した張本人に危険が迫っていると言う「玉川上死」(歌野晶午)/同じ場所に車が3台も沈んでいた長良川下流。偶然か?殺人か?「水底の連鎖」(黒田研二)/遭難者を探す山岳救助隊。小屋に残ったはずのリーダーがなぜか沢を滑落死。誰もいなかったのになぜ?「捜索者」(大倉崇裕)/舞台はコロンビア。蜂の巣にされた水死体と刑務所の脱走騒動の顛末「この世でいちばん珍しい水死人」(佳多山大地)/近所で見つかった水死体。見覚えのある顔は”あれ”に取り憑かれていた…「悪霊憑き」(綾辻 行人)/桜川に浮かぶ美しすぎる少女の水死体。それを撮った写真は何のために?「桜川のオフィーリア」(有栖川有栖)
執筆陣が豪華なだけあって、全体的にレベル高し。「川に死体」という設定が読み手のビジュアルを喚起しやすいためか、物語の中に没頭しやすい。最初聞いたときはそんなに惹かれる設定じゃなかったのだけど、読んでみて納得。作家の演出によっては幾つもバリエーションが生まれ、事実このシリーズでは似たシチュエーションは全くなし。まだまだ出来るんじゃないかな。
ずばりマイベストは「捜索者」(大倉崇裕)。ハウダニットの興味と犯人指摘の決め手のシャープさ、そして山岳ミステリ特有の男気が絶妙なバランス。もう川、というより山、なのだけれど、そんなことはお気になさらず。多種多様な川の流れに向けたミステリ作家の腕試し。e-NOVELSには特集ページもあります
大倉 崇裕 佳多山 大地 黒田 研二
東京創元社 (2006/05/27)
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
大倉崇裕『丑三つ時から夜明けまで』
霊魂が人間に復讐することが、実験によって明らかになった近未来。幽霊による犯罪を取り締まるべく、警察庁は霊媒師やら占い師やらを集めて、実験的に静岡県警に捜査五課を新設。実験期間なので五課の捜査は必ずどこかと合同。必然的に殺人を扱う捜査一課と一緒になり、あげく仲は悪くなる一方で…。
あくまで霊魂にこだわる五課と、あくまで幽霊なんて信じない一課が、不可能犯罪を肴にガチンコ対決。幽霊による超常現象と本格推理的な展開がミックスされて、ホラーでもないSFミステリでもない、なんとも奇妙な味わいの短編集。ちょっと五課の作りがベタすぎ(坊主の大男やら人形を抱いた少女やらがメンバー)なのが難か。ブレザーに丸めがねの少年までいたりしますが。
雪の密室と幽霊出現のルールをうまく絡めた「復讐」あたりが白眉かな。ラストの「最後の事件」に仕掛けがあれど、もうちょっと「あの時!」みたいな効果が欲しかったところ。全体的にライトな仕上がりでございます。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
大倉崇裕『やさしい死神』
落語ミステリ第三弾。以前よりも落語とミステリとの融合度は増していて、それでいて師弟間・親子間の人情噺でほろりと落とす。こなれた感じは出てるんだけどもうちょっとインパクトが欲しいかなぁ。登場人物がみんな普通な感じなのがそう感じさせるのかな。
しかし個人的には探偵役である編集長・牧のキャラクターがやっぱりどうしてもなじめない…。人の話を聞く!意味なく話題を変えない!わかったことは早く話す!そんなにもったいぶるから『七度狐』の時はあんなになっちゃたんじゃないか!と、ひとり苦言を呈しながら読んでいました。
東京創元社 (2005/01/08)
売り上げランキング: 116,425
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
Home > Tags > 大倉崇裕






やってる人 : INO