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古川日出男『LOVE』古川日出男『LOVE』

東京の品川・目黒一帯を舞台に、数々の登場人物が乱れる群像劇。全てを見ているのは無数の猫たち。

「ハート/ハーツ」「ブルー/ブルース」「ワード/ワーズ」「キャッター/キャッターズ」の4つの短編があり、その間に東京の土地と猫についての挿話がある。各短編には5~6人の登場人物がいて、それぞれを二人称でスケッチし、別々の暮らしをしていた人々が微妙にリンクしていく。小学生は自転車を飛ばし、ミュージシャンはガード下で歌い、少女は都バスに乗り続ける。その文体はとても独特で、短く切った文章がテンポよく積み重なり、品川・目黒・五反田がビュンビュンと後ろへ通り過ぎていく。

このドライブ感はもはや小説というより、音楽に近いかもしれない。ひとつひとつの電球がネオンを作るように、ひとつひとつの楽器が音楽を作るように、一人一人の物語が東京を作っていく。音色はいまも、鳴り止まない。
 
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・過去の感想:古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』
 

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