サムライブルーの憂鬱
マリッジブルー「私、結婚していいのかしら…」
マタニティブルー「私、子供を産んでいいのかしら…」
サムライブルー「私、刀なんて持っていいのかしら…」
オーシャンブルー「私、海なんか入っていいのかしら…」
ディープブルー「ちょっと深いんじゃないかしら…」
ヒステリックブルー「春がくるたびあなたに会えるんじゃないかしら…」
限りなく透明に近いブルー「よく見えないけどブルーなのかしら…」
((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル「このネタここで終わっていいのかしら…」
マリッジブルー「私、結婚していいのかしら…」
マタニティブルー「私、子供を産んでいいのかしら…」
サムライブルー「私、刀なんて持っていいのかしら…」
オーシャンブルー「私、海なんか入っていいのかしら…」
ディープブルー「ちょっと深いんじゃないかしら…」
ヒステリックブルー「春がくるたびあなたに会えるんじゃないかしら…」
限りなく透明に近いブルー「よく見えないけどブルーなのかしら…」
((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル「このネタここで終わっていいのかしら…」
作中で刑事・加賀恭一郎がこう言っている。
「捜査もしていますよ、もちろん。でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です」
―第六章 「翻訳家の友」 P.220―
日本橋の片隅で発見された四十代女性の絞殺死体。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。
9編からなる連作短編集で、短編ごとに煎餅屋、料亭、瀬戸物屋など視点人物が入れ替わるのだけど、肝心な殺人事件の方はなかなか解決に向かわない。それぞれの登場人物たちの身に起きた小さな謎を、加賀がその洞察力で解き明かしてまわっているのだ。いわゆる「日常の謎」をシリーズキャラクターの加賀恭一郎にやらせているのである。これ、今までなかったんじゃないかなぁ。
保険の外交マンの行動が変だったとか、犬の散歩コースに矛盾があったりとか、各短編に出てくる謎は小さなもの。しかしその謎が解かれるたびに親子・夫婦・嫁姑などのもつれた糸が解けていき、わだかまりが溶けていく。これらは結局殺人事件には関係ないのだけど、「事件と関係ない」ことがわかることによって、逆にどんどん外堀が埋まっていく。真相に向けてじわじわと輪が小さくなっていく。
また、被害者の女性は「最近日本橋に越してきた」「熟年離婚してから二年経過」という設定なので、日本橋には親しい人がおらず最近の様子がわからない。お店で交わした会話などから、徐々に被害者の人柄も明らかになっていく。じわじわと光が当たって鮮明になっていく。
手がかりを次々に得て真相に近づくミステリが足し算ならば、『新参者』はどんどん関係ないこと明らかにして最後に真相を残す引き算のミステリとも言えるのかな。引かれていく様子は心に残る人情話になっていて、被害者の人となりは逆にどんどん盛られていく。
一読して、派手なサプライズとか感じず、引き算の構成ゆえ犯人も最後の最後まで全然特定できないし、もぅ…と思っていのだけど、読み終わってからしみじみ考えているとなんかどんどん評価があがっています。なんだろこれ。よくこんなもの作れるよなぁと、まさに日本橋で民芸品を手にとったような感慨が残るのだった。
この前、朝ヒゲを剃っていて気がついたことがある。
ブブゼラの音がする。
初のアフリカ大陸での開催となった、ワールドカップ南アフリカ大会。試合の最中に応援席から鳴らされる南アフリカの民族楽器、ブブゼラ。試合中、ずーっと「ブーーーーーーン」と鳴り続け、ハエのようだと表現され、テレビの故障かと思わされ、あの周波数をカットできないのかと見るものを悩ませる、ブブゼラ。じゃぁ日本代表は対抗して法螺貝を鳴らせば!とまで言われている、ブブゼラ。
そのブブゼラと同じ音が我が家の洗面台で!
うちのヒゲ剃りにそんなポテンシャルがあったとは。というか、あれ、ヒゲ剃りでいいのか。ずっと吹いてると疲れるだろうから、そんな時はヒゲを剃ってればいいんじゃないか。ブーンって。
後半ロスタイム4分ぐらいの時には南アフリカの人たちはお肌ツルツルなんじゃないだろうか。
絶対にまけられない肌がそこにはある。
北野武最新作『アウトレイジ』が公開されている。
出てくる人がみんな悪人ということで、キャッチコピーに「全員悪人」とついている。他にも全員がうんぬん、みたいなのがいろいろあるから、みんなそうしちゃえばいいと思う。
全員悪人:アウトレイジ
全員怪人:X-MEN
全員役人:官僚たちの夏
全員海人:釣りバカ日誌
全員老人:高齢化社会
全員巨人:東京ドーム一塁側ベンチ
全員狩人:あずさ2号
全員素人:AV
全員防人:海は死にますか 山は死にますか
全員他人:東京
全員舎人:荒川区
全員集合:ドリフ
8時だよ!
もう言っちゃいますけどね、超オススメですよ!
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。大型新人の鮮烈なデビュー作。
5編からなる連作短編。世界を飛び回るジャーナリストの斉木という男が主人公かつ探偵役なので、5編とも舞台となる国が異なるというのがまず面白い趣向。砂漠で、修道院で、アマゾンの密林で、様々な事件に巻き込まれる。
とにかく動機の謎をめぐる「ホワイダニット(Why done it?)」が素晴らしい。例えば1作目「砂漠を走る船の道」では砂漠を横断するキャラバンで連続殺人が起きる。でも、このキャラバン、斉木を含めて5人しかいない。そんなところで殺人を犯してもバレちゃうリスクは大きいし、なにより遭難の危険性が高まってしまう。それでもこの殺人にはちゃんとした意味、動機が存在する。彼らの中でしか成立しない形で。
動機の謎、というのはけっこう「イヤイヤイヤそうかもしれんけど他になんかあるんじゃないの」となりがちな難しさがあるのだけど、舞台を海外にして、母体を部族や宗教者などの「意思のある集団」にすることで、「普通じゃない動機」が輝きを増す。これまた、風景や登場人物の意思などの書き込みがすごく丁寧なので、異国の雰囲気にどっぷり浸ってしまうのもスパイスとして作用する。この人ホントに新人なのか。しかも20代て!
もう一つ、この人、叙述トリックもすごい上手い。雰囲気たっぷりの風景描写に、人物たちの何気ない会話に、罠を静かに滑り込ませてくる。ネタバレになるので詳しく書けないけど、「ホワイダニット」と「叙述トリック」が類を見ない融合をしている。しかも、何発も。
そして最終章の書下ろし「祈り」でこれまでの話をまとめ上げる、というワザまで見せつけられるわけで、もうこれがオススメせずにいられるかという出来。今年のランキングに上位入り必至。梓崎優、その名を覚えておいて絶対損はない。梓崎優(しざきゆう)ですよ。大事なことなので二回言いましたよ。
奥泉光といとうせいこうが北沢タウンホールで定期的に行っている『文芸漫談』の書籍化第二シリーズ。1回に一冊「薄いブンガクの本」を題材に二人がセンターマイクを挟んで語るという形式(イベントではその後奥泉光のフルートといとうせいこうの朗読があるらしい)
前作『文芸漫談』ほど枕は長くなく、途中の脱線も少ない(あと漫談に茶々ばかり入れていた脚注がなくなったのは個人的にうれしい)。カフカ『変身』や夏目漱石『坊ちゃん」、ポー『モルグ街の殺人』など、冒頭からラストにいたるまで粗筋を引用しながら、不条理な展開を笑い、小説技法に唸り、作家の心中を推し量る。未読の人には興味をひくプレゼンテーションになり、既読の人には再確認ができる。
これが「漫談」という形式で成立するのはすごいなぁ。難しいことを人に分かりやすく説明する、というのは頭がよくないとできない。ちなみにタイトルにある「志村、後ろ後ろ!」は主人公の危機に読者は気がついているもののどうしようもできないという、”物語の客観性”を表している比喩。こんな感じで、難しくなりがちな文芸評論が二人の「読み」から「トーク」への昇華によって手に届きやすくなっている。
今回取り上げられてる9冊はどれも薄くてさっと読める本。同じく世界文学を独自の視点とツッコミで解説する伊藤聡『生きる技術は名作に学べ』と比べてみるのも面白いかも。
「その、まさかだよ」って言ってみたい。
個人的に言ってみたい台詞上位に入る「その、まさかだよ」驚きで声を失う相手、そこにかぶせて自分は最初から知っていたのだよと優越感をもって繰り出される「その、まさかだよ」、たまに悪役が使うけど、ちょっと言ってみたい。
しかしなかなか言う場面がない。理由は色々あるけれど、特に厳しい条件が相手が「まさか…」と言わないといけないところだと思う。驚いたとしても「まさか」と言ってもらわないと「そのまさか」が使えない。
どうしたらいいだろう。
—-
「あのさ、金太郎の歌の出だしってなんだっけ?」
「は?えーっと、♪まーさかり…」
「その、まさかだよ!」
—–
「あのさ、中森明菜『DESIRE』のサビってどんなんだっけ?」
「は?えーっと、♪まっさかさーま」
「その、まさかだよ!」
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「問題。松平健の名字と名前の最初の一字を入れ替えると?」
「けつだいら まん!」
「では草刈正雄では?」
「まさかり…」
「その、まさかだよ!」
—-
全部だめだ。そういうことじゃない。そのまさかじゃない。まさかりじゃない。