普段なかなか読まない傾向の本だったのですが、いや面白かった。言葉とイメージの集合体。理屈はわからぬがこの温度はなんだろう。高橋源一郎追おうかな。
伊坂幸太郎『チルドレン』
まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き。ばかばかしくて恰好よい、ファニーな「五つの奇跡」の物語。吉川英治文学新人賞作家、会心の受賞第一作。
テンション低め安定。緩やかに紡がれる短編のような長編。短編それぞれのネタはミステリ的には割と基本ネタだけど、出来事の前後にある「正義」の形がまた良いのだ。最初はうざかった陣内のキャラが終いには畏敬に変わってました。日向を歩く。まっすぐに。
霞流一『ウサギの乱』
登場人物がおっさんばかりで区別がつかないまま終わってしまった…。
全体的になんか無駄が多いなぁ。ゴテゴテしてる。前代未聞の密室トリックが出てくるんだけど、いまいちサプライズにつながらない。このころにはバカミスのオーラに包まれまくっているので、どんな不可能犯罪でも「ふーん」になってしまうのだった。
慣れとは恐ろしい。
パーシヴァル・ワイルド『探偵術教えます』
史上最も頭の弱い探偵役。あまりの物分りの悪さにイライラするも終わり際にはクセなる曲者野郎。ミステリ界のミスター・ビーン。頼むから家でおとなしくしてて。