伊坂幸太郎『チルドレン』

まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き。ばかばかしくて恰好よい、ファニーな「五つの奇跡」の物語。吉川英治文学新人賞作家、会心の受賞第一作。

テンション低め安定。緩やかに紡がれる短編のような長編。短編それぞれのネタはミステリ的には割と基本ネタだけど、出来事の前後にある「正義」の形がまた良いのだ。最初はうざかった陣内のキャラが終いには畏敬に変わってました。日向を歩く。まっすぐに。

霞流一『ウサギの乱』

登場人物がおっさんばかりで区別がつかないまま終わってしまった…。

全体的になんか無駄が多いなぁ。ゴテゴテしてる。前代未聞の密室トリックが出てくるんだけど、いまいちサプライズにつながらない。このころにはバカミスのオーラに包まれまくっているので、どんな不可能犯罪でも「ふーん」になってしまうのだった。

慣れとは恐ろしい。

恩田陸『上と外』

画像とリンクのテストも兼ねて。刊行時には1年かけて6冊の文庫で出版された本作ですが、これは1冊で一気に読んだ方が緊張感も続くし評価も上がる思います。かくいう僕は文庫版6冊を古本で買って一気に読んだんですが、この読み方がベストかもしれない。この後どうなるんだ…!というところで1冊終わって、一息ついて次へ、という感じ。