子供の頃、鼻歌は自分にしか聞こえないと思っていた。
頭の中で歌を浮かべるのの延長上だと思ってた。声に出してるわけじゃないし、口も閉じてるし、はたから見たらなんにもしてないように見えるし、特になんにも気にせずに♪ふんふん~んってしてた。
親くらい注意したらどうか、と今になって思うけど、そんなに頻繁に鼻歌を奏でていたわけじゃないから、鼻歌うたってる時は「こいつゴキゲンだな」くらいに軽く扱われていたんだと思う。
その「私の頭の中の鼻歌」の真実を知ったのは小学校の授業中だった(逆に言うと小学校に上がるまで気が付かなかった)
クラスが静かになっていたので、たぶんなんかのテスト中だったと思う。クラスメイトが何かに集中している横で、自分はなんかゴキゲンで、「気球に乗ってどこまでも」を鼻歌で奏でていた。
しばらくして先生が「誰?歌ってるの?」と問いかけて「INOくんです」って周りの子が僕を指さした。
えっ…!聞こえてる…!?
パニックだった。思考を読み取られたような気がした。大人だけでなく、子供にも聞こえている!どこまで漏れているのか?鼻歌だけなのか?それとも…!?
もはやサトラレみたいになっていた。あわや思考だだ漏れかと思った。いや、大人になった今も実はみんな気をきかせて知らぬふりをしているのかもしれない。
もしそうならどなたかそっと言ってあげてください。
あと金銭とかMacBook Airとか欲しいと思っているようだったら何も言わず渡してあげて下さい。
サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS