祝『鍵のかかった部屋』ドラマ化!「謎解き系男子」に贈る密室殺人ミステリ5選

今度のフジ月9ドラマ『鍵のかかった部屋』(主演:大野智)は、密室殺人をベースにした推理モノらしい。原作は貴志祐介!本気じゃないか!

『三毛猫ホームズの推理』も相葉雅紀でドラマ化されるし、この前の『謎解きはディナーのあとで』のヒットを受けて推理モノ+ジャニーズがのドラマがまたトレンドな感じ。

そうなんですよ 。「また」なんですよ。推理モノ+ジャニーズは過去にも「金田一少年の事件簿」(堂本剛・松本潤)、「HERO」(木村拓哉)、「33分探偵」(堂本剛)、「うぬぼれ刑事」(長瀬智也)などなど、昔から結構あるのだ。捜査の過程や謎解きなど、かっこいい、かつ、頭良さそう、という見せ場が作れるのが、ジャニーズと相性いいのかな。

ドラマを見てミステリを読むようになりました、という人も増えるかもしれない。そんな「謎解き系男子(or女子)」をターゲットに、密室殺人ミステリを勝手に贈ってしまおう。国内モノで、キャラが立ってて、文庫になってるのがいいかな。
 

『三毛猫ホームズの推理』赤川次郎

そうそう、そもそも『三毛猫ホームズの推理』からして密室モノなのだった。三毛猫ホームズ第一作。現場は工事現場のプレハブ。なぜか室内からは机や椅子が運び去られていて、ガランとした空間に転がる男の死体。奇想天外なアプローチに当時は驚きました。三浦洋一、陣内孝則などで過去に何度か映像化されています。
 

『すべてがFになる』森博嗣

舞台は孤島に建つ研究所。少女時代から部屋に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。外との通信はネットとモニタ越しのみ。彼女の部屋から現れた、両手両足を切断されたウェディングドレス姿の死体。森博嗣のデビュー作であり、犀川&萌絵シリーズの第1作。独特の「理系」の雰囲気が常識をゆさゆさ揺さぶる。
 

『扉は閉ざされたまま』石持浅海

よくなる密室殺人だとドアをバーン!って破って入ったりする。でもバーン!ってドア壊すの、普通やる?壊しておいてなんでもなかったとか気まずくない?
というわけで本作、現場となった密室は最後まで開けらないという変わり種。古畑任三郎のように犯人が殺人を犯すところから始まってるので、読者は事件が起きてることは知ってる。舞台は高級ペンションで開かれた同窓会。部屋から出てこない男を心配する一同。しかしうち一人が不自然な事に気がつく。閉ざされたドアを前にした犯人vs探偵役の息詰まる攻防は必見。
 

『密閉教室』法月綸太郎

最近では『キングを探せ』など、本格ミステリの王道を貫く作家・法月綸太郎の処女長編。早朝の教室、遺書を残して死んでいる一人の高校生、窓とドアは閉ざされて、48組あった机と椅子がなくなっている。級友の死に推理マニアの高校生が動くが、担任教師らと衝突し…。という、本格ミステリ+青春小説の原風景。トンでもなラストは今でもインパクト大。
 

『富豪刑事』筒井康隆

深田恭子でドラマ化された『富豪刑事』だけど、原作の主人公(富豪)は男性。お金をジャブジャブ使って事件を解決しちゃう富豪の刑事。収録作の「密室の富豪刑事」は特にすごい。会社社長が密室で殺される。容疑者はライバル社の社長なのだが証拠がないし犯行方法もわからない。そこで富豪刑事、同じ業種の会社を設立。富豪なので設備投資ジャブジャブ。自ら社長となり容疑者にプレッシャーをかけ、容疑者が同じやり方で自分を殺そうとするのを誘い込む!
 

最近読書量が減ったり、ラノベ方面は疎かったりするので、これがオススメ!これ忘れてるよ!というのがありましたら、コメント欄にいただけると嬉しいです。
 

小さな悩みをぶっ飛ばす「OK GO」の一発撮りPVまとめ

「OK GO」というバンドのPVが大好き。

アメリカの4人組ロックバンドなんですが、PVがアイデア満載で大掛かりでとにかく楽しい。そしてそのほとんどが一発撮り。「スゲー!」と驚けて、悩みもふっとぶ会心作ばかり。

以前もまとめたんですが、新作が出たりリンクが切れたりしてるので改めてまとめました。半分自分用です。スカッとしたいときに観ようっと。
 

OK Go – Needing/Getting – Official Video

最新作。メンバー4人が乗った車の中から始まる映像。周りは荒野。エンジンをスタートさせると、車に取り付けられたバーが道の両脇に配置されたピアノやギターやドラム缶その他モロモロを叩いて音楽が生まれる!見た目のバカバカしさと裏腹に、スケールの大きさ、運転テクニックの確かさ(このためにメンバーの一人がカースタントの訓練をしてる!)それなのに曲調はメロウ。見終わったあと絶対もう一回観ちゃう。
 

OK Go – End Love – Official Video

コマ撮りストップモーションなんだけど、公園で撮ってる間に夜が来て、寝袋で寝て、朝になってまだ撮ってるメンバー。そしてまさかの大エンディング。公園がきれいでアヒルがいちいちついてきてるのも可愛い。
 

OK Go – White Knuckles – Official Video

犬!犬!犬!全編通してとにかく犬が賢すぎてすごい!動物使って一発撮りってすごいなぁ。緊張したメンバーの顔がその大変さを物語る。
 

OK Go – This Too Shall Pass – Rube Goldberg Machine version – Official

こじんまりしたピタゴラ装置がどんどん大きくなって、車は動くピアノは倒れるの大騒ぎ。メンバーの服が汚れてる理由は最後にわかる。そしてその理由ゆえ「これ何回撮り直したの!?」とまた驚く。
 

OK Go – This Too Shall Pass – Official Video

4人で始まったマーチングバンド。茂みの中から続々と人々が合流。一発撮りのはずなのに、なんで最後にカメラがあんなことに!?

 
OK Go – Here It Goes Again

OK GOを一躍有名にした、8台のランニングマシーンを交互に並べて流れるようなダンス。ちなみに口パクで歌っているハゲたおじさんは実はボーカルじゃなくてベースの人。

OK GO – A Million Ways

裏庭で踊る4人。超低予算。振り付けはメンバーのひとりのお姉さんらしい。この不思議かつノリノリのダンスは世界中で真似されてYouTubeにあげられまくった。彼らのパフォーマンスの原点。

どれもこれもバカバカしいことにお金をかけて時間をかけて、そしてできたモノには素晴らしい魔法がかかってる。

これぞエンターテイメントの力だと思う。
 

『九マイルは遠すぎる』テーマをまとめてみる

「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、まして雨の中となるとなおさらだ」
ミステリーでたびたび引き合いに出されるハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』。英語にしてたった十一語の文章から、考えられる推論を重ねていき、終いにはとんでもない事件を引き当ててしまう。

まさに安楽椅子探偵の極みであり、推理というか妄想にも近くなるのだけど、このテーマはやはり面白く、数々の作家が挑戦しております。思い出す限りちょいと集めてみました。
  

アンソロジー『競作五十円玉二十枚の謎』
池袋の書店を土曜日ごとに訪れて、五十円玉二十枚を千円札に両替して走り去る中年男

なぜ書店で両替するのか?なぜそんなに五十円玉がたまるのか?なぜ毎週千円に両替するのか?若竹七海が書店でアルバイトをしていた時の実体験が元となり、プロアマ13人が自分なりの解決を考え抜いて短編に仕上げているという、なんとも贅沢&異色な1冊。この時不参加だった北村薫が後に『ニッポン硬貨の謎』を上梓しております。そして法月綸太郎の解決がずるすぎる。
 

西澤保彦『麦酒の家の冒険』
迷い込んだ山荘には一台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫を開けてみるとヱビスのロング缶96本と凍ったジョッキ13個が。
著者自らあとがきで「九マイルは遠すぎる」を意識したと書いている本作は、タックシリーズの2作目。タック・タカチ・ボアン先輩・ウサコが冷蔵庫のビールを勝手に飲みながら延々と推理。ベッドしかない山荘に、なんでこんなにたくさんのビールとジョッキがあるのか?状況が突飛すぎるゆえ、仮説もとんでもなくなって、だれることなく面白さ持続。シリーズの中でも好きな作品。
 

米澤穂信『遠まわりする雛』収録 「心当たりのあるものは」
「十月三十一日、駅前の巧文堂で買い物をした心あたりのあるものは、至急、職員室柴崎のところまで来なさい」
つい最近読んだので。きっかけは校内放送、放課後に1回だけ行われた生徒への呼び出しから導き出される犯罪の臭いとは。「古典部」シリーズの折木奉太郎と千反田えるの語りだけで構成される本作は、推理作家協会賞候補にもなっていたりする。
 

都筑道夫『退職刑事』収録 「ジャケット背広スーツ」
ジャケットと背広とスーツを持って駅を走る男
現役刑事の息子がぶつかった事件を、退職刑事の父親が聞くだけで解決してしまう安楽探偵椅子ものの白眉。殺人事件の容疑者が見たというこのジャケット男は、いったい何を意味するのか?割と経緯が複雑だったかで、どういう結末だったか忘れてしまった(笑)読み返すかなぁ。

他にも島田荘司『UFO大通り』(「傘を折る女」)とか、蒼井上鷹『九杯目には早すぎる』とか、まだまだありますな。有栖川有栖あたりにもあったような気がするんだよなぁ。