IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2012

IKEAのぬいぐるみをウオッチし続けるこの企画、気がつけば5年目ですよ。今年はギリギリになってしまった。間に合った。

ギリギリになった代わりに、暦はもうすぐクリスマス。ひょっとしてIKEAのクリスマスは相当浮かれているんじゃないだろか。あの珍獣たちがツリーを彩っているんじゃないだろか。こりゃ初のクリスマススペシャルになるのでは。


と言うわけでやってきましたIKEA港北店。

期待に胸膨らませ店内に入ってみると…。


あれ?

クリスマスのクの字もない、いつもの感じでお出迎え。ここまで何もないとは、全く思っていなかった。

あとで知ったのだけど、いつも売ってるモミの木のクリスマスツリーはもう売り切れてしまったらしい。それでクリスマスムードゼロなのか。ギリギリすぎた。

ぬいぐるみ売り場に行ってみる。


やっぱり普通。

クリスマススペシャルになるかと浮かれていたけど、浮かれていたのは僕だけだったみたい。

来年の干支

クリスマスムードは見当たらないけど、正月を迎える準備はしていた。来年の干支、ヘビのぬいぐるみが充実していたのだ。


赤と黄色のヘビ。普通に可愛い。


しかし油断していると上から狙っている。


普通じゃないヘビもいた。

シルクハットにストライプとチェックの服、飛び出した舌には星が三つもついている。そんなところに星。まさに「蛇にピアス」か。

年賀状の絵柄にお困りの方は2匹ぐらい買ってグルグルさせればそれなりのモノができるのではないでしょうか。

かわいいぬいぐるみが増えている

「センスがおかしい」で始まったIKEAぬいぐるみウオッチ。数年観察していたせいで変化がわかる。

ぬいぐるみが、明らかにかわいくなってきてる。


目がぱっちり。

キツネにウサギにクマ。普通の動物、しかも、目がぱっちりとしたモノが新しく出てきてる。かわいい。


ゴマフアザラシ。白い子供アザラシもついている。


玉乗りアシカ。口に魚をくわえている。ご丁寧に魚の目が×印になっていた。


ベビー向けのモビール。象やライオンが風船で浮かんでいる。


紳士的な犬もいる。

着てる服もちょっと微妙ではあるけど、これまでのセンス(身体全体が青いなど)に比べれば余程マシである。

やっぱり売れるぬいぐるみを追求した結果、かわいいぬいぐるみになってきたのだろうか。この企画も今年で終わりだろうか。

そうでもないやつら

しかしというか、やっぱりというか、なんかおかしいぬいぐるみもちゃんといた。


恒例、ハートに両腕。陳列の密度が低いせいか、虚空に手を伸ばしている様子が生々しい。

かわいいぬいぐるみが増えたせいなのか、おかしいぬいぐるみの「おかしさ」がより濃くなってる気がする。

たとえばこれ。


くち。

ピンクのくちびるに前歯だ。うろ覚えでストーンズのマークを描いたみたいになってる。


去年登場した子供ぬいぐるみも健在。無造作にカゴから足が飛び出ていてビックリする。


初登場のパペット。半笑いのライオンの頭にネズミ。物語が始まる予感。

いやー、こりゃ今年は「くちびるに前歯」が一番かな、ハート両腕と合わせたら子供泣くなぁ、なんて思いながら、満足してレジ付近まで進んで行った。

そうしたら、そこに今日一番のインパクトがあった。

藁の山羊

とにかくご覧ください。こちらです。


ワラ!?

ぬいぐるみどころかワラ人形!?そしてまさかの9割オフ!


とてもIKEAとは思えない売り場のワラ感。

正月飾りまで売り始めたのか、熊手とかもあるのかな…と思ったけど、違った。

このワラのヤギ、北欧の伝統的なクリスマスの飾りらしい。ユール・ゴートという名前。

アメリカ風のサンタクロースが広まるまでは、スカンジナビアでは北欧神話の神「Tor / Thor / トール」がいつも連れている山羊が、クリスマスのプレゼントを各家々に届ける役目を担うと信じられてきました。

引用元:もういくつ寝ると…クリスマス! : ハナトモのベルギー→スウェーデン→オーストラリア日記

今でも北欧ではこのワラの山羊が飾られていて、大切にしている家だと実家から代々引き継いで、ヴィンテージと化しているものもあるらしい。知らなかったなぁ。


ミニサイズもある。かわいい。

図らずも最後にクリスマス感が出たのでした。

以上、2012年のレポートでした。

*関連
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2011
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2010
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2009
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい

書斎に”洗濯機”を備えよう いしたにまさき『あたらしい書斎』

これは書斎をめぐる冒険の書だなぁ。

収納術や整理術の本は多々あれど、それらとはちょっと違うところがある。

過去に2度、自宅の書斎作りに失敗した著者。本棚が溢れたり、大きい机が有効活用できなかったり…。

そこで、今の時代の「あたらしい書斎」とはどんなものか、改めて考えるところからはじまる。まず思想から入るのだ。

「魔法の洗濯機」

そこで引用されているのがTEDの「ハンス・ロスリングと魔法の洗濯機」というプレゼン。日本語字幕つきの動画を貼っておきます。日本語化されたテキストはハンス・ロスリングと魔法の洗濯機 | TEDを日本語で読む:TED人気スピーチ日本語訳 – 30秒で把握するTEDプレゼンで読むことができる。

これ、素晴らしい話なので、一度観るか読むかしてくださいよ。あ、ちゃんとこっちにも帰ってきて。

いい話なんですよ。褒めるの2回目ですけど。

洗濯機がない時代、女性の一日の労働の大半は洗濯に費やされていた。洗濯機の登場により、手間が大幅に減った。しかしまだ、世界の大半では水をくみ、場合によっては水を温め、手で衣類を洗っている。

もしすべての人々に洗濯機が行き渡ったら。ハンスは最後に「魔法」について語る。

では何が魔法なのか? 私の母は洗濯機を初めて使った日にそれを教えてくれました。 「ハンス、洗濯機に、洗濯物を入れたから、あとは洗濯機がやってくれる、その間図書館に行けるのよ」と。 これが魔法なのです。 洗濯物を入れて、洗濯機から何を得るのか?本です。児童書です。そして子供に本を読む時間です。母は大喜びでした。私は「ABC」を学びました。私の教授のキャリアはここからスタートしています。母が本を読んでくれる時間ができてからです。母は自分用にも本を借り、外国語として英語を、勉強する時間を作りました。また様々な小説を、沢山読みました。私と母は洗濯機がとても気に入りました。

魔法が魔法を打ち消してしまう

洗濯機のみならず、いまでは様々な家電が僕たちに時間を与えてくれている。

料理の手間は電子レンジで、移動時間は航空機や電車で、子守もアンパンマンに任せたりしてる。

さて、そうやって生まれた時間をどう使っているか?

電車のちょっとした待ち時間でもスマホを開いて情報収集したり、メール書いたり、検索したりする。そして結局、子供に本を読む時間がなくなってしまったりする。

「魔法の洗濯機」の魔法が、別の機器が生んだ魔法に喰われてしまっている。

そこで必要なのが、あたらしい魔法、「あたらしい書斎」である、と続く。

「あたらしい書斎」をめぐる冒険

細切れの時間をまとまった時間にする。集中して学んで考える時間を作る。そのためには、その時間を使うための魔法、書斎という場所が必要になる。

ここから、著者の書斎をめぐる冒険がはじまる。

江戸川乱歩ほか、先人の書斎を訪ねて学ぶ。IKEAの協力を得て、IKEA家具で「1畳の書斎」の組み合わせを考える。書籍の電子化・クラウドなどデジタルの要素をいかに使うか考える。ノマドと書斎の関係について考える。巨大な本棚がある書斎を拝見する。建築事務所で未来の書斎を設計する…。

「あたらしい書斎」の思想をもとに、とにかく行動しまくってる。これだけのお題目を丁寧に追い始めるとキリがないので、1冊の本の中でのそれぞれ分量は軽め。本気でやったらEテレで全10回の書斎講座の番組ができるほどの内容だと思う。

「魔法の洗濯機」を知るだけでも有用な1冊。自分の家の環境を見て、さてどこからアプローチしたものか…と考えるのも楽しい。あとIKEAに行きたくなります(笑)

IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2011

2008年から始まったこの企画も4回目。極彩色に彩られたぬいぐるみをウォッチし続けて4年。一緒に連れて行く子供も成長しまして、遂にあのハートに両手クッションを見て「こわい」とリアクションしました。IKEAのぬいぐるみで感じる娘の成長。


やっぱり売ってるハートに両手クッション

ところで、今年はちょっとぬいぐるみ事情にいくつか変化がおきていました。その変化についてレポートしたいと思います。
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IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2010


気がついたらこの企画もう3年目ですよ(2008年2009年

今年もやってまいりました、「IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい」極彩色の動物たち、そもそも動物と思えない異形のものたち。みんなみんなワゴンに山積みにしていたIKEA。行ったときはちょうどセール中。あのぬいぐるみたちに変化はあったのか?
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IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2009

昨年、IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしいというレポートを書きまして、結構えらいことになっていることを知っていただいたと思うのですが、昨日ほぼ一年ぶりにまたIKEAに行ってきたので、最新のぬいぐるみ情報をお届けしようと思います。

まずはおさらいの意味をこめて、昨年の様子から。

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