画商兼インチキ超能力探偵・相良蒼司の元に持ち込まれた依頼は、「白菊」という絵のオリジナルを探すこと。しかし依頼人は失踪し、探偵は命を狙われる。大男の刑事や記憶喪失の女、骨董マニアが入り乱れ、ロシアの記憶を手繰りながら、物語は混乱していく。
いつもより見通しが立ってるというか、いつもの多数のガジェット使いと比べてシンプルになってる気がする。まぁ藤岡真なので、いろいろややこしいことにはなってるんですが、それでもだいぶ読みやすい。相良蒼司というキャラがしっかり軸になりうる魅力を備えているので、全体が掴みやすいのかな。
絵画と女を巡る二転三転の構図も決まっていて、ミステリらしいミステリ読んだなぁという満足感があります。いやー面白かった。今までの藤岡真の中で一番好きかもしれない。ちょうど一冊前に「コールドリーディング」を読んだので、偽超能力の手口についても楽しめたというのもあるかもしれません。