すごいタイトルです。「非常識」ってどれくらい非常識なの、というと、こんな感じのことが書いてあります。
・膝に不安がある人こそ薄底シューズを履く
・かかと着地は間違い
・腕は横に振ってリズムを作る
・ランニング後にストレッチをしてはいけない
ええーっ、全部違うふうに聞いたんですけどー!?
すべて「経験」からの言葉
「最小のトレーニングで最大限の効率」を追求する著者の岩本さん。ランニングチームの代表でありつつ、自身もウルトラマラソンを走り切る現役ランナー。この本に書いていることは、医学など学問からひいたのではなく、すべて実際に走った経験からきている。
例えば、一般的には「初心者は厚底シューズ」って言われている。初心者は足の筋肉が出来てないので、地面からの衝撃を和らげるためにもクッション性の高いシューズがいい、って。聞きましたよ。風のウワサで。外聞で。
でも岩本さん曰く「初心者には薄底シューズ」。底が厚いと足元が不安定になる、というのが主な理由。スニーカーよりハイヒールのほうがグラグラする。厚底シューズだとこのグラグラが足首から膝へ響く。厚底のほうが怪我しやすいとまで言う。
実際の自分の走り、チームメンバーの証言、いろいろ集めて考えてみての結論。最初はそんな~って感じで読んでたんですけど、実地でならした人の話しなのでやはり説得力がある。そうか…となってくるから不思議。
じゃぁやってみよう。
実際に走ってみた
頭で読んで疑ってもしょうがない。こちらも実際に走ってみようじゃないか。
というわけで、フォームに関する言葉を頭に入れてランニングをしてみた。「腕を横に振る」「かかと着地はしない」「ふくらはぎを使わない」「背中で両腕を組んでフォームを矯正する」など。
そうしたらやっぱり楽に速く走れる。わっ。ホントだ。
腕を横に振ると、腰が回転する。骨盤が回ると、振った手と反対側の足が自然と前に出る。
かかと着地をせず足全体で着地するようにすると、骨盤が前傾して推進力が増す。背中が丸まってきたら、背中で両腕を組めば骨盤が前傾する。
実際にやってみるとやっぱりホントなんだなぁ。ちょっと続けてみようと思いますよ。ホント。いやビックリ。
フルマラソンにむけて
フォームの話だけじゃなくて、フルマラソンに向けたトレーニング法(「峠走」「ビルドアップ走」)や、レース前やレース中のマネジメント(食べ物やペースなど)など、これも全て実際のチームの経験から書かれていて、とても勉強になる。
でも忘れちゃいけないことがひとつ。
「ラクしてフルマラソンをベストタイムで走れるわけではない」
タイトルにある元キャバ嬢は、技術を吸収する力とガッツが並外れていることがちゃんと語られている。書かれているメソッドで効果が出るのはもちろんだけど、それにはちゃんと日々の練習が必要。一日してならずなのだ。
僕もハーフマラソンを完走したし、いつかフルマラソンを走ってみたい。そのために、日々、努力努力。