空想オルガン

  • 著者/訳者:初野 晴
  • 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)( 2010-09-01 )
  • 単行本:286 ページ
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吹奏楽の“甲子園”普門館を目指すハルタとチカ。ついに吹奏楽コンクール地区大会が始まった。だが、二人の前に難題がふりかかる。会場で出会った稀少犬の持ち主をめぐる暗号、ハルタの新居候補のアパートにまつわる幽霊の謎、県大会で遭遇したライバル女子校の秘密、そして不思議なオルガンリサイタル…。容姿端麗、頭脳明晰のハルタと、天然少女チカが織りなす迷推理、そしてコンクールの行方は?『退出ゲーム』『初恋ソムリエ』に続く“ハルチカ”シリーズ第3弾。青春×本格ミステリの決定版

「退出ゲーム」(→以前の感想)「初恋ソムリエ」(→以前の感想)に続くハルタ&チカのシリーズ第三弾。4編からなる短編集。今回はいよいよ吹奏楽のコンクールに挑戦。

これまでの二作は、影を抱えた演奏者達を謎解きという「憑き物落とし」をして仲間を増やしてきた。生徒一人をフィーチャーして、その暗がりに光を照らしてきた。その構造が今作ではあまり使えない。

コンクール会場がメインなので、会場周辺で起きたトラブルや他校の生徒との絡みがミステリ的なネタになる。なので前二作のような憑き物落としまでのインパクトはなくちょっと物足りない。ハルタの活躍も抑え目な様子。

それでもこのシリーズとしては通過せねばならない一作であることは確か。コンクールでの経験を経て、さらに成長するであろう登場人物たちに期待が高まってしまうのだ。

彼らの物語を、もっと読みたい。

 

初恋ソムリエ

  • 著者/訳者:初野 晴
  • 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)( 2009-10-02 )
  • 単行本:260 ページ
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廃部寸前の弱小吹奏楽部に所属する穂村チカと上条ハルタ。吹奏楽部の甲子園「普門館」を目指して日々練習を重ねる二人に、難事件が?

『退出ゲーム』(→感想)の続編。音楽室の侵入者を追う「スプリングラフィ」、地学研究会の部長を捕まえる密命「周波数は77.4Hz」、一ヶ月の間に席替えを三回も行ったあげく自宅謹慎になった教師の謎「アスモデウスの視線」 、寓話で語られる埋れた初恋の記憶「初恋ソムリエ」、の4編からなる短編集。

学園モノの日常の謎モノなのだけど、事件の関係者がみんな天才・奇才・曲者ぞろいですごい楽しい。前作のようなミステリ的なサプライズよりも、登場する学生たちの癒しと再生に重きを置いてある感じ。

たぶんその「癒しと再生」要素だけ取り出したらベタな展開になるのだろうけど、奇妙な事件・奇特な人物・奇抜な真相のおかげでそのベタさが薄皮に包まれているなぁ、と思った。目くらまし、というか。

新メンバーが増えてきた吹奏楽部に今後も期待大。あといかにも初恋っぽい表紙ですが、表題作の「初恋ソムリエ」はお年寄りが40年くらい前の初恋の記憶を辿る話なので、なんかちょっとズルいと思ったりして。

 

退出ゲーム (角川文庫)

  • 著者/訳者:初野 晴
  • 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)( 2010-07-24 )
  • 文庫:294 ページ
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穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに―。

初野晴は初めて読みます。4編からなる短編集。吹奏楽部の部員を増やす=難題を解決して仲間にする、という、これだけ取り出すとRPGみたいな展開。1編づつ奏者を仲間にしていく中で、いわゆる日常の謎系の青春ミステリになるんだろうけど、全然「日常」じゃないのがポイント。

4編のあらすじはそれぞれこんな感じ。

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