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エラリー・クイーン
北村薫『ニッポン硬貨の謎』
北村薫 and エラリークイーン and 「五十円玉二十円の謎」と来れば期待しないわけにいくまいて、と、未読だった『シャム双子の謎』も読んで望んだわけでございます。結果としてはうーん…まだ読むべきじゃなかったかもしれない…
北村薫がクイーンの未発表原稿を訳した、という設定で文体パスティーシュをしているわけなんですが、3,4ページめくるたびに訳注が挟まって、マニアックな中身をさらにマニアックに解説しているのですが、結果として物語の流れが細切れになってしまって、なんだか乗り切れず。自分が書いた本文に対して訳注で「原文は~だっただが~だろう」等、一人ボケツッコミ状態なのも一因か。エラリー・クイーンが本当に好きで一家言あるくらいの人でないと、訳注のマニアックな部分や、途中に挟まれる『シャム双子の謎』論や、殺人事件の真相の突飛さに乗っていけないのではないのか…。クイーンへの愛で固められた一冊。楽しそうだなぁ。いいなぁ。ずるい、ずるいなぁ。
東京創元社 (2005/06/30)
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エラリー・クイーン『シャム双子の謎』
ニッポン硬貨の謎を読む前に必須、という話を聞きつけて読了。実は国名シリーズは全て未読。またシリーズものを途中から読んでしまった…。
山火事に追われて山頂の山荘に飛び込んだクイーン父子、怯える人々、異形の研究者、”骸骨”、”蟹”、そして殺人。迫り来る火事に囲まれたクローズドサークルで、火の手が迫るタイムリミットがサスペンスを盛り上げ、一方殺人事件の検証はトランプや指輪といった小さな証拠をこねくり回す。火事の恐怖と殺人の恐怖。外の内のスケール感の違いが味でもあり弱点でもある(「そんなことしてる場合か」的な)。ダイイング・メッセージものは解釈が多岐に渡るためロジックに不安を覚えることが多く、本作も例外じゃないのだけど、ダイイング・メッセージがどう残ったかという外枠を二転三転させる企みに唸る。外と内、枠と中、観察者と実行者。迫る業火に燃やされるのは人か、罪か。
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エラリー・クイーン『九尾の猫』
2005年一発目からいきなり後期クイーン問題ですよ。ミッシングリンクものの傑作ということながら、内容は本格本格というよりサスペンス中心な感じ。とはいえあれだけバラバラな材料が一つの事実をもって一網打尽にまとまる手腕は見事。燃やせ自分の地図。それにしても装丁のセンスがすごいいい。
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