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アガサ・クリスティ
ここ最近読んだ本『ストレスフリーの仕事術』『紙魚家崩壊 九つの謎』『質問力』『殺意は必ず三度ある』『オリエント急行殺人事件』
- 2006-07-02 (日)
- 読書感想文
しばらく更新してなかったので一気にまとめて。
デビッド・アレン/田口元『ストレスフリーの仕事術』はLifeHackの中心ともなる仕事術に「GTD」という手法があるのですが、この方法がなぜうまくいくかを解説した本。頭でもやもや考えることは、一旦全部紙にだしてスッキリさせる!という狙いがなぜ大事か、というポイントがわかりやすい。忙しくて何から手をつけたものか、と、多くのタスクに追われている人の一つの道しるべにもなるかと。
原題が”Ready for Anything”で、こっちの方が内容に合ってるし何倍もかっこいいんだけど、本屋でパッと見てどっちが手にとられるかというところが問題なんだろうなぁ。
北村薫『紙魚家崩壊 九つの謎』は北村薫久々の短編集。ミステリ短編集、と名乗ってはいるものの、その味は薄め?
というか、高級レストランにいって出てきたモノを食べてみたものの、美味しいのかよくわからなくて、料理人の腕か自身の舌か、どっちを信用したものかなぁともやもやするような、そんな気分。エンタメというよりもはや寓話なのではないのか。一つ言えるのは昔話にミステリ解釈と加えようとする最後の 「新釈おとぎばなし」の一人遊びの空回りぶりがどうにも肌寒かったということ。ノリツッコミは高度な手法なのです。
斉藤孝『質問力』は古今東西の対談集から「いい質問」の例を取り出しながら、”質問力”の技とはどんなものかを教えてくれる本。そのラインナップたるや、谷川俊太郎、黒柳徹子、村上龍、手塚治虫など豪華ラインナップ。これらの対談のポイントごとを斉藤孝が咀嚼して、一粒で二度美味しい本になっています。
白眉は宇多田ヒカルとダニエル・キイスの対談。当時16歳と72歳の二人が、同じクリエイターとしてわかりあうまで、キイスは巧みに質問で流れを作り、宇多田はそこに狙い通りの賢い回答を返すという、とても見事なキャッチボールが紹介されてます。必見です。
東川篤哉『殺意は必ず三度ある』は鯉ヶ窪学園探偵部がドタバタと活躍というかなんというかを繰り広げるシリーズ第2弾。今回は野球部のベース盗難事件から発展した「野球見立て殺人事件」が登場。
もともと野球好きがあちこちの作品に見えていた作者だけに、とても楽しそうな筆致。野球場全体を巻き込んだメインの大トリックが、本格ミステリの箱庭的な面白さを存分に出していてとても好きですね。脇の小さな仕掛けもドタバタに効いていて、小ネタと伏線が絡み合う様子を今回も楽しむことができます。
アガサ・クリスティー『オリエント急行殺人事件』は実は未読だったもの。クリスティーを初めとして古典海外はかなり抜けているんですが、オリエント急行はーネタがさーあれなんでしょーというのは知っていただけにあまり読む気がなかったものの一つ。
しかし「そういえば、その真相にいたるまでのプロセスはどうだったんだろう?」というのが気になって、読んでみたらこれがまぁ一気読みですよ。面白いー!証言の矛盾を突いて突いてあそこまでもっていくとは。やはり古典には古典と呼ばれる所以あり。女王に最敬礼。ネタを知ってても十分楽しめますよ。
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有栖川有栖『モロッコ水晶の謎』
講談社 (2005/03/08)
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国名シリーズ第8弾。ちぐはぐな誘拐の果ての惨劇「助教授の身代金」、”あの”ミッシングリンクでクリスティの名作に挑む「ABCキラー」、探偵たちの中休み「推理合戦」、狙って毒を入れる機会が全くない毒殺「モロッコ水晶の謎」中篇3つ+掌編1つの構成。
アベレージは悠々超えてやってくる安定打。しかし安定しているだけにこれ!と推せる作品に困るのも確か。どれも割りと偶然の要素が絡むので、本格推理にもっていくなら事件における計画性と偶然とをどう処理するかが肝になると思うのだけど、「まぁこういうことが起こっちゃったんですよねー」的な、ロジックというよりシチュエーションの特異さが目立つ結果に。
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アガサ・クリスティ『ABC殺人事件』
未読でした。で、もっと白状しますと、ポアロを初めて読みました。もー、足かけ8年も読書系サイトやってるに。『「ABC」殺人事件』まで読んでるのに。先日『クドリャフカの順番』を読んで、もうそろそろ読まないと…とカミさんの本棚に手を伸ばした次第。
ある日ポアロの元に届いた奇妙な殺人予告。その予告通りに、頭文字Aの街で頭文字Aの人物が殺され、次はB、Cと繋がって…という例のあれです。トリックや真相はさすがに古典なので基本パターンなのですが、決して古いだけでなく、シンプル故にスマートな印象を残す作り。ちょっと偶然多くないかというの疑問はさておき、犯人との対決を煽るサスペンスも効いて、あぁやっぱり読んどくべきだよクリスティ、と反省する男。
ポアロはベルギー人なので、ロンドンでの英会話の端々にフランス語が顔を出して、これがイタズラっぽくまたインチキっぽい外人の雰囲気を出しているのですが、これを日本に置き換えたら日本語の会話の端々に英語が、ということになって、「んー、時間がロングですねー」とか考えるとどうしても長嶋茂雄(≒プリティ)が浮かんでしまう罠。というかひょっとしてこれはポアロ読者にとってはベタなネタなのか。
早川書房 (2003/11/11)
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