東川篤哉『密室に向かって撃て!』

東川篤哉、烏賊川市シリーズ2作目。今度は衆人環視の密室に銃声が響く。天然とツッコミの女子が増えて会話の小ネタが回りやすくなりました。肝心の事件の方はよく考えられてますが現実性はなかなかに無理無理。でも楽しい。このテンションだからこそあのトリックでも読みやすくなってるのかも。

東川篤哉『密室の鍵貸します』

東川篤哉のデビュー作であり烏賊川市シリーズ第一弾。手ひどく振られた元彼女が墜落死。でも彼にはアリバイがある。先輩と一緒にビデオを見ていたから。でも誰にもアリバイが言えない。その夜、密室となった先輩の部屋で彼の死体を発見していて…。

初めて書いた長編とのことで、地の文が回りくどく小ネタのキレもちょいと鈍い。ただメインのネタはなかなかに練られていて、この後の成長の片鱗が見えますよ。ギャグ描写と思われたのが重要な伏線だったりするのも油断ならないところ。自分のとって東川篤哉は今年の収穫なのでこれから追っていく所存。

東川篤哉『館島』

バカ館最高!面白いなぁ。東川篤哉は実は初めて読んだのだけど、節度を保った小ネタギャグセンスに好感。肝心の館はもう一発炸裂の二尺玉。伏線を丁寧に拾うあまり謎解き部分がやや長く感じてしまうのはギャグを欲してしまうからか。突飛なトリックの割りになかなかに外堀を埋めてあって、箱庭の中で遊ばせてもらった印象。