うめめ

  • 著者/訳者:梅 佳代
  • 出版社:リトルモア( 2006-09-04 )
  • 単行本:120 ページ
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先日の角川文庫の太宰治の表紙が味写すぎる件について、よく調べてみたら、あの表紙は太宰治生誕100周年の梅佳代×祖父江慎のコラボカバーだったらしい。そういうことだったのか!
 →太宰 治生誕100周年フェア|角川書店(梅佳代×祖父江慎の対談あり)

これまた先日の天久聖一『味写入門』の感想では帯に「プロには無理」と書いてあるのだけど、味写を撮れるプロがそういえば、いたいた。梅佳代である。

梅佳代は何冊か写真集を出しているのだけど、小学生男子のおふざけばかり収まってる『男子』や、実の祖父を10年撮り続けてた『じいちゃんさま』も好きだけど、やっぱり最初の『うめめ』は衝撃だった。

なんでもない住宅地、駅、公園。なのに、ハプニングの一瞬がいくつもいくつも撮られている。「どうしてこうなった!?」と声をあげてしまうインパクト。大人が通勤してる横でアスファルトの上でひっくり返っている小学生、1つのコインロッカーに群がっているご親族、フライドポテトをこぼしてるのに遠くを見てる子供(表紙)、衝立の向こうから突然現れるノッポン(東京タワーのマスコット)…。

常にカメラを持ち歩かなければ撮れない写真なのはもちろんだけど、瞬間を見逃さない「目」と何かを引き寄せる「磁場」が三位一体揃わないとこんなのできないなぁ。

ニュースばかりが「報道」じゃない。日常の変なことを報じたっていいじゃないの。脱力しながら不思議な余韻。日常の横で、奇妙な扉が半ドアで開いてる感じです。

 

今年の3月、新潟の佐渡トキ保護センターで飼育されていたトキが、野生のテンに襲われて命を落とす事件があった。

その際、捕獲されたテンであったが、このたび富山市へ行くことになったらしい。

佐渡のテン 駆除せず動物園へ

ことし3月、佐渡市の佐渡トキ保護センターにある飼育ケージで、トキが相次いで動物に襲われて死んでいるのが見つかりました。環境省はその後、ケージの中に仕掛けたわなでテンを捕獲しましたが、捕獲のあと、「テンを駆除しないで」という声が相次いで寄せられたことから、テンの飼育実績がある富山市の動物園「富山市ファミリーパーク」に引き取ってもらうことになったということです。
佐渡のテン 駆除せず動物園へ NHKニュース

 
動物園側の動物たちの心中を察すると、戦々恐々ではないかと思う。天然記念物を殺めたやつがやってくるのである。

もう今ごろ噂で持ちきりだろう。「札つきのワルがやってくるらしいぜ」「やばすぎて地元を追われたらしい」恐れる草食系たち。「ビビってんじゃねぇよ。どうせテンだろ」「ぶっつぶしてやんよ」強がる肉食系たち。何を考えているかわからないが、ずっと舌をチロチロしている爬虫類たち。気づかない振りをしている飼育員。全ての鍵を握る、売店のおばさんの正体とは…。

「富山市ファミリーパーク」に嵐が訪れようとしている…!

以下、風雲急を告げる次号を待て!

 

昨日、森見登美彦『新釈 走れメロス 他四篇』の感想を書いたわけですが、太宰治の文庫にリンクをはろうと思ってどうしても気になったのがこれ。角川文庫の「走れメロス」

走れメロス (角川文庫)

なんでこれが「走れメロス」なのだ。犬じゃないか。これがメロスか。でも紐でつながれてるからセリヌンティウスのほうか。

他の文庫はちゃんとしている。新潮文庫はこれ。

走れメロス (新潮文庫)

いかにも「文学です!」って感じ。

他の太宰作品も見てみると、どうも角川文庫の太宰治だけおかしな感じなのである。先日感想をかいた天久聖一『味写入門』を彷彿とさせる味写ぶりなのだ。

せっかくなのでいろいろ並べてみます。
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子供向けのアニメとか絵本とかで、森の仲間たちを描いたものがよくある。

だいたいウサギ・カメ・タヌキ・キツネ・クマ・リスといったあたりが集まって、あーでもない、こーでもないと物語を繰り広げる。オオカミが来た!と逃げたりする。

しかし、ちょっと待って欲しい。

クマも肉食じゃないのか。

もっとちゃんと書くと、熊も肉食なんじゃないか。

ウサギがなくしたドングリを探す優男てきな役割を演じたり、時にはボケ役としてキツネに騙されたりするけども、バリバリの肉食系男子である。本気で怒らせたら森から誰もいなくなる。

本当の熊はボンヤリした口調でハチミツに夢中だったりしない。
 

 

先日、家族で買い物に行った。

お昼ごはんを食べて、満腹感から娘三才が寝てしまって、仕方ないのでおんぶして帰った。買い物もしたので後ろ手に荷物も持って、10kg超えの娘をおんぶして駅構内を歩いていた。

そんなシチュエーションで、不動産屋のチラシ配りの人がチラシを手渡そうとした。

絶対無理である。

ちょっと面白すぎたので「いやいや、受け取れません」と返したら、「ですよねぇ~」と言われた。わかってるんじゃないか。なんなんだ。

同じ日。

家に着いて、ちょっと昼寝をした娘。昼下がりには元気いっぱいになり、近所の公園に散歩に連れていった。かなり大きな公園で、大きな原っぱに池、あちこちに木も生えている。ちょっと前には桜が満開だった。

原っぱでひとしきり走り回ったあと、木に登りたいと言い出した娘。しかし自力では登れないので、抱っこして木にしがみつかせて、お尻をおさえてグッと持ち上げていた。

その時、ひとりの女性がそっと寄ってきた。

チラシを片手に「そこで写真館をやってるものですが…」と言う。

絶対無理である。

娘のお尻を両手でおさえながら「受け取れません」と言う僕。あぁ、という愛想笑いで去る女性。

みんななんなんだ。見りゃわかるじゃないか。無理だって。

それとも、あんな状況でも受け取れそうに見えるのか。

僕に、神の見えざる手が?

その神にチラシを?

みんななんなんだ。
 

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