緑色だけど「青」信号だと教えないといけない


photo credit: My Buffo via photopin cc

息子二歳が青信号を指差して「みどり!」と言っていた。

正しい。

確かにあれは緑色をしている。青じゃない。でもこれからあれを「あお」と教えないといけない。なんだか後ろめたいなぁ……。

大人になると「理由はどうあれ、そう呼ばれてるからそう呼んでいる」というモノがいろいろ出てくる。自然と受け入れてるけど、子供に「なんで?」と聞かれて、そういえばなんでだ……?とわからなくなることがある。

こんなとき「とにかくそう呼ぶの!」と押すんじゃなくて、ちゃんと答えられるようにしておきたい。青葉や青果など、日本では緑色のものを「青い」と呼ぶ習慣があって、信号の緑も「青」と呼ぶようになったのだよ、と言えるようにしておきたい(というかいま調べた)

「昔のSMAPの映像観ると一人多くない?」とか、「関ジャニ∞は7人なのになんでエイトなの?」とか、「オッサンなのにKinKi Kids?」「オッサンなのに少年隊?」とか、他にも子供にいろいろ聞かれると思う。ちゃんと真摯に答えていきたい。

というかジャニーズ事務所はもう少し先を考えたネーミングをしたらどうかと思う。

「アボカド」が言えなくて

スーパーで買ったアボカドを見た息子二歳、パパに「これなぁに?」と不思議そうに聞いてきた。

アボカドだよ、と教えてあげたけど、何度も言っても「アボカボ?」って答える。舌足らずでかわいい。

そこに娘六歳が登場し、息子二歳にちゃんと「アボカド」と言わせようとしたのだけど、これが完全に漫才になっていた。

「アボカド」
「アボカボ」
「ちがうよ、アボカド」
「アボカボ」
「ア・ボ・カ・ド」
「アボカボ」
「ア!ボ!カ!ド!」
「アボカボ」
「だーかーら!ア!ボ!カ!ド!」
「アボカボ」
「ア!」
「アー」
「ボ!」
「ボー」
「カ!」
「カー」
「ド!」
「ドー」
「そうそう!アボカド!」
「アボカボ」
「もー!ボ、じゃなくて、ド!ドー!」
「アドカド」
「ちーがーうー!」
「アドアドw」
「アー!ボー!カー!ドー!」
「アドカボーンww」
「アボカドでしょ!」
「アボカボアボーンwww」
「コラー!待てー!」

息子二歳が逃げてオチた。ボケツッコミの例文みたいだ。なんだこの子たち。

アボカボ→ボしゃなくてド!→アドカド(ボが2つともドに変えられてる)のくだりとか、偶然かもしれないけど、ちょっとでき過ぎている。なんだこの子たち(2回目)

女は生まれながらにして女優だという。子供も生まれながらにして芸人なのかもしれない。

『となりのトトロ』で一番好きなのは「お風呂場」のシーン

まだまだ新潟に帰省しております。

昨日は海水浴へ、今日はお墓参りに行ってきました。焼けた砂の上を飛び跳ねたり、暑さで飴のようにグニャリと曲がったロウソクを見たり、猛暑の影響をあちこちで感じています。暑すぎるでしょ。

今日のお墓参りは午後からだったので、午前中はまったりと過ごしました。娘六歳が絵日記を書いてるあいだ、息子二歳が邪魔をしないよう、別室で『となりのトトロ』のDVDを観ていました。

子供たちともう何度も観ているので、次のセリフがわかるくらいになってますが、毎回、このシーン好きだなぁ、というポイントがあるんです。

まだトトロが登場する前。開始から20分ぐらいのところ。

サツキたちが引っ越した当夜、家族全員で風呂に入るシーンがあります。

外は暴風。「お化け屋敷」とバカにされるほどの古い家は、ガタピシと音を立てます。メイの「お父さん、おうちボロだからつぶれちゃうよ」との不安げな訴えに、引っ越した日につぶれたら困るなぁ、とノンビリとお父さんが答えると、さらに激しい風が吹き、トタンのバリバリという音がします。

全員声を失い、一瞬不安な空気になった、次の瞬間。

「わーはっはっはっ!」

って、お父さんが笑うんです。

「みんな笑ってみな。おっかないのは逃げちゃうから」と子供たちを誘い、わーはっはっはっ!わーはっはっは!とみんなで大笑い。お父さん、ついでにガオー!とお湯を撒き散らし、お風呂場は笑いにつつまれます。

……ここ、好きなんですよねぇ。

お父さんは、理屈じゃなくて、気持ちで、子供たちを安心させているんですよね。

「古い家ほどこれまで暴風にさらされても大丈夫だったんだから平気だ」とか「木造家屋はしなるから逆に大丈夫」とか、大人は理屈を言いたくなるんですよね。

大人は知ってるから。そして、教えてあげたくなっちゃうから。

でも、子供たちが欲しいのは「安心」なんですよね。

お父さんの「わーはっはっはっ!」のシーン、よく見ると、お父さんの目つきが他のシーンと違うんです。

普段、あのお父さんは子供たちを優しく見守るポジションなんですけど、お風呂場で笑うシーンだけ子供の顔なんです。子供の顔で、子供といっしょにふざけてるんです。

気持ちを子供寄りに持って、時にバカになって、子供といっしょに雰囲気を作り上げる。

お父さん、かくあるべし。

あのシーンを観るたび、いいなぁ、好きだなぁ、と思うんです。

なにかわからないけど出すことにした夜

small__5508108

熱帯夜の深夜2時、息子二歳が突然暴れだしました。

なんかわからないけど怒っている。寝ぼけてる延長なんだけど、むっくり起き上がって「fづいhふぃえh、出してー!」とパパママに駄々をこねている。

な、なに?なにを出すの?

「mdskぁfもvn、出ーしーてー!」

プラレール?トミカ?シルバニアファミリー?

「ちーがーうー! るいfvにvにrvn、出ーしーてー!」

息子二歳、話が通じなくて、どんどん怒りが増してくる。抱っこしようとしても手を跳ねのける。そして半分泣き声になっているから、ますます聞き取れない。えーなに出すのー?屏風からトラとかー?

こういうとき、わかるまで聞いたり、怒鳴ったり、無視したり、パパママによってはいろんな対応をすると思うんですよ。話が通じないし、もうたぶん怒りたくて怒ってるし、難しいですよね。

ちょっと僕も困ったので、こうしました。

「わかったわかった、出そ出そ」

なにかわからないけど出すことにしました。

「うん」と泣き止む息子二歳。「ここだっけ?」とオモチャ一式が入っている押入れを指差すと、フルフルと首を振る。

「じゃぁあっちかなぁ。一緒に行こっか」と手を取って、リビングまでトコトコ行く。「どこだっけなー」と考えてると、息子二歳も「うーん」と考えている。知らんのか。

さらに別の部屋に行こうとすると「そっちじゃない!」と言う。それはわかるらしい。

「うーん」「うーん」としていたら、目をこすり始めたので、抱っこしたら素直に抱かれて、背中をトントンしたら寝てしまいました。

なにかわからないけど、出さずに済みました。なんだったんだ。

子供の話って、ぜんぜん筋は通らないし、言葉も間違ってるし、解読するのが大変。解読したとしても、「じゃぁこうする」が通じなかったりする。特にイヤイヤ期なんて、どんなに有利な条件を出しても拒んでくる。めっちゃ譲歩してんのに。

大人の理屈が通じないときは、たまに子供の理屈に合わせてみるといいのかなぁ、と思った夜でした。

「正攻法でぶつからず、ちょっと違う角度で伝える」という点では、この本↓に乗ってることも使えそう。育児も伝え方が何割か占めてますもんね。
→僕のレビュー:「伝え方が9割」の残りの1割は「通じない」

photo credit: Spigoo via photopin cc

行き届いた演出に脱帽!キッザニア東京に行ってきた。

先日、娘六歳を連れて、初めてキッザニア東京に行ってきました。

「キッザニア」は、子供がいろんな職業を体験できるテーマパーク。本物の企業が協賛してるので、ユニフォームや道具も本格的。しかもお給料も稼げる。初めて行ったけど、これはオトナもやってみたいなぁー。

キッザニアの街の様子

到着しましたキッザニア東京。ららぽーと豊洲内にあります。

入り口が空港のカウンターになってる。まさに子供の国に入国するわけです。いい演出だなぁ。

DSC00398

入ったら正面がいきなりリクルートキャリアでビビる大人たち(お仕事紹介センターだった)

DSC00399

キッザニア東京には約90種類の仕事がある。見たことある企業ばかり。飲食業はモスバーガーにピザーラ、車ゾーンにはオートバックスや三菱自動車、J-WAVEでは子供がDJしてるし、テレビ東京では観覧を募集してる。

DSC00482

写真を見るとわかるんだけど、キッザニア内には小さい車がいっぱい走っている(電動)。消防車だったり、救急車だったり、クロネコヤマトだったり。それぞれの車には、各職業のコスチュームを着た子供たちが乗ってる。「火事でーす。消防車が通りまーす」とアナウンスしてる。

楽しい!楽しい!娘六歳、なにやる?なにやる?と聞いたら、

「ガソリンスタンド!」

……ファッション系とかもっと女子っぽいのあるのに…。でも、家族で車で出かけるときに気になっていたんだろうなぁ。子供が普段何に興味を持っているのか、こういう所でも現れますね。

というわけで、ガソリンスタンド。出光がやってます。オーライオーライ。

DSC00423

ユニフォームに着替える、といっても、服の上からすっぽりかぶるもの。最初にお姉さんから仕事をレクチャーされて、さっそくお仕事。

ちなみに車でやってくるのも子供。別のところに運転免許証試験場があって、合格するとレンタカーを借りて運転できるのだ(「一般道」じゃなくて、車ゾーンの中のみ)

働いて「キッゾ」を貯める

3台くらい、給油したり窓を拭いたりして、お仕事終了。20分くらい。終わると「キッゾ」というこの街の通貨単位でお給料がもらえる。

このキッゾ、街でちゃんと使える。さっきのレンタカーを借りるのもキッゾが必要だし、他にもスポーツクラブがあったり、携帯電話を借りれたり、三越でお買い物ができたりする。キッザニア内に経済がある。

もちろん銀行もある。

DSC00403

銀行に行くと口座が作れて、カードと財布がもらえる。使い切れなかったキッゾは預金できる。あーまた来てもらうってことだなー、と親としては思うけど、上手いやり方だよなぁ。

ちなみに、日本のキッザニアだとほとんどの子供が貯金しちゃうんだけど、欧米のキッザニアだと給料入ったら即使っちゃう子が多いとのこと。国民性がでますな。

そうそう、キッザニア内にはATMもあるんだけど、ちゃんと子供サイズになってる。かわいい。

DSC00471

ちなみに暗証番号はテキトーに4つの番号を押せばいいことになっている。子供は絶対忘れちゃうので。

現実の街を「空気ごと」持ってきている

そんなこんなでガソリンスタンドを終えた娘六歳、その後クロネコヤマト → 獣医 → マジシャンとめぐる。なんだその経歴。

それにしても、クロネコヤマトの事務所なんて、この本格さですよ。お店から集荷して配送までやる。

DSC00449

壁に無事故記録まで書いてある。6年間無事故!

DSC00453

集英社もあった。漫画のアシスタントのお仕事ができる。ジャンプやりぼんの漫画が教材。

DSC00479

中のホワイトボードにちゃんと締め切りが書いてあって笑ってしまった。増刊も出るんだね。頑張れ!

DSC00478

消防士になると、ちゃんと放水して火事を消すんですよ。この家、ちょくちょく燃える。

DSC00524

一方、大林組ではスカイツリーを建設中。

DSC00404

お仕事紹介センター(リクルートキャリア)に行くと、アルバイト情報がもらえたりする。チラシ配りとかある。短時間でできるけど、キッゾは少し安め。

DSC00537

とにかく演出が行き届いている。子供だまし、なんてことが全然ない。クロネコヤマトの無事故記録なんて、大人にしかわからないのにちゃんと書いてあるし。

たとえ子供が気づかないようなところだとしても、大人が働く現実の街を、その空気ごと持ってきているのだ。いちいち感心してしまう。

お別れの時間

キッザニアは一般のテーマパークにはない、2部入れ替え制。確かにずっとやってると人気の職場は待ち時間がえらいことになるもんね。

僕らは9時~15時の第1部に行ったんだけど、人気の森永お菓子工場(ハイチュウが作れる)は入国した途端に受付終了になってました。ものの数分。

各職場は、受付できる人数が決まっているので、ちゃんと予習しておいた方が絶対いい。公式にもヒントが書いてあるので、これから行く人は読んどきましょう。
効率よく楽しむためのヒント|KidZania [キッザニア東京]

そうそう、終了の時間が近づいてくると、街のアチコチに写真が貼りだされる。

DSC00519

お仕事をしている様子をカメラマンが撮影して、印刷したものを次々貼りだしていくんです。自分が写っている写真が欲しかったら、棚から写真を取って自分でレジに持っていく仕組み。サッカー選手やファッションモデルをやると、雑誌の表紙みたいな写真を作ってくれたりする。さすがにちょっとお高い(1枚1000円~)。

さて、娘六歳はというと、お仕事に夢中になっているうちに、キッゾを使う時間が無くなってた。夏休みに遊ぶためにバイトに精を出したら夏休み終わったみたいになってた。

慌てて三越に行ってみるも…

DSC00527

買い物できるのは50キッゾから。

DSC00529

1回の仕事でもらえるの8キッゾぐらいなのに!さすが百貨店!…かと思いきや、消しゴムでも100キッゾだったりするので、どうだ働くって大変だろう…って大人がドヤ顔できるシステムになっているのだった。

キッゾは持ち帰りも可能。娘六歳は銀行でもらったお財布ごとそのままお持ち帰り。今度は息子二歳がもう少し大きくなったらかなー。

っていかキッザニア楽しい!大人もこういうのやりたい!