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や行の作家 Archive

山田 浩子 ほぼ日刊イトイ新聞『ほぼ日手帳の秘密―10万人が使って、10万人がつくる手帳』

ほぼ日手帳の秘密―10万人が使って、10万人がつくる手帳。
山田 浩子 ほぼ日刊イトイ新聞
幻冬舎 (2005/11)
売り上げランキング: 78236

去年から「ほぼ日手帳」を使っています。1日1ページ、という構成は「そんなに書くことあるかなー」とか思ってたのですが、1年振り返ってめくってみると意外と書き込んでいたりする。スケジュール帳にもなればネタ帳にもメモにもなんでも使える奥深さ。その自由度の高さから、「他の人はどう使ってるんだろうなぁ」と気になる手帳でもあります。

ほぼ日手帳初の公式本『ほぼ日手帳の秘密』はそんな声に答えてか、43人(!)の使用例インタビューをカラーで紹介。罫線を大胆に無視したり、交換日記にしたり、写真を貼ったり…とユーザの「自由」がこれでもかと連発。43人でも足りないなー。他に「糸井重里インタビュー」と「ほぼ日手帳の歴史」の3部構成なのですが、使用例インタビューがもっともっと見たかった。奥が深いなぁ。

2006年版も購入したので来年もお世話になります。まさに今追加販売の真っ最中なので、買い逃し方はこれを機にどうぞ。

そうそう、この本、カバーがほぼ日手帳のカバーを模しているわけですが、これをめくるとまたビックリ、中身もほぼ日手帳の中身を模しているのです。手元にある方はお試しを。芸が細かいなー。

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米澤穂信『犬はどこだ』

犬はどこだ
犬はどこだ
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米澤 穂信
東京創元社 (2005/07/21)
売り上げランキング: 17015

米澤穂信流ハードボイルド『犬はどこだ』。元銀行員が社会復帰のために開いた犬探し専門の調査事務所。しかし最初の依頼はOL失踪事件と古文書の解読。しぶしぶ調査を進めると、二つの依頼は巧妙にリンクして…。

熱くもなく悲劇でもない、ニュートラルな再出発を目指す主人公であります。静かなテンションに会話の遊びを乗せる筆力はさすがの米澤穂信でして、安心して読み進められる。

本作しかり古典部シリーズしかり、探偵が徐々に「目を覚ます」様子が描かれているわけですな。かたや本格方面、かたやハードボイルド方面。本作のラストのあの余韻が、探偵の成長に繋がるとなれば、このシリーズの今後も期待大でございます。

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横山秀夫『ルパンの消息』

警視庁にもたされた一本のタレこみ――15年前に自殺として処理された女性教師の墜落死は、当時の教え子3人による殺人事件だという。時効まで24時間。事件解明に総力を挙げる捜査陣は、その教え子を取調室に連行する。15年前、ツッパリだった彼らは期末テストを学校から盗み出す計画を立てていた。その計画の名は、ルパン作戦――

時効寸前の事件に全力であたる警察サイドと、取調室で語られる15年前の高校生活が交互に描かれるのですが、警察サイドはいつもの横山秀夫の骨っぽいやりとりで安心できるとして、収穫なのが15年前のヤンキーの青春群像の生き生きしているやりとり。おもしろくせつなくで、こういうのも巧いのねー。

15年前の供述と現在が近づいていく終盤は加速するサスペンスに目が離せない展開。三億円事件まで絡めた全体像はかなり大味なものになっているけど、横山秀夫の処女作だということを差し引いてもこれは面白い。今の作風にはあまり見られない「遊び」を見られる貴重な作品だと思う。

ルパンの消息
ルパンの消息
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横山 秀夫
光文社 (2005/05/20)
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米澤穂信『クドリャフカの順番』

古典部シリーズ3作目。いよいよ始まった文化祭。手違いで200部も刷ってしまった文集を前に愕然とする一同。部の知名度をあげて文集完売を目指すためにあの手この手。遂には学内で起こった連続盗難事件に挑むことに。

前作まで折木の一人称だった文体が、古典部の部員4名の視点で細かに変わる。今まで触れてなかった各人の心中を覗くことができて、キャラに一層深みが増しております。浮き足立った文化祭の雰囲気や、思春期ゆえの諍い等も絡め、あぁ懐かしいな高校時代と浸れる展開。事件はミッシングリンクもので、発端・真相に一理あれど、推理の展開はちょいと飛躍しすぎか。とはいえ、わらしべプロトコルや料理対決などのくすぐりも楽しく、ラストはちょっと苦く切なくの展開はまさに米澤プロトコル。文化祭が終わって一区切りついて、この先このシリーズどうなるのか。私、気になります。

クドリャフカの順番―「十文字」事件
米澤 穂信
角川書店 (2005/07)
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米澤穂信『愚者のエンドロール』

古典部シリーズの2作目。収穫。これは収穫だ。安孫子武丸『探偵映画』、バークリー『毒入りチョコレート事件』を意識したとあとがきで触れられている通り、一つの事象に幾つもの推論を重ねていく展開なのだが、これに主人公・折木の「探偵の自覚」に発火をさせ、探偵の誕生と謎解きのジレンマを交錯させ、それを青春ミステリとして形作るという偉業。shakaさんも書いていたがホント志が高い。このページの薄さの中に幾つの手がかりと伏線が散りばめられていたことか。ただ『探偵映画』の時も自分はそうだったのだけど、作中人物が映像で観たものを文章で表して推論を重ねていると「なんでもあり」感が出るせいか緊張感が薄れてしまう。また、折木の一視点であり、周辺人物がポイントで絡む印象だからか、もっと厚みを!と食い足りない。でもまぁそれは欲というもの。スニーカー文庫でここまでやったらいいでしょ!途切れたフィルムに、灰色の日々に、ピリオドを打つ物語。

愚者のエンドロール
愚者のエンドロール
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米澤 穂信
角川書店 (2002/07)
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