た行の作家 Archive
鳥飼否宇『逆説探偵―13人の申し分なき重罪人』
初・鳥飼否宇。綾鹿警察署の刑事・五龍神田(注:苗字)の周りに起こる数々の怪事件。情報源のダンボールハウスに向かっては、正体不明のホームレス・十(注:「つなし」。苗字)がポツリとだすヒントに右往左往。事件の裏にある「逆説」な真実とは。
全330Pの中に短編13本なので、1編あたり約25ページ。事件も解決もややこしいのが多いので必然的にページ数を食い、結果として事件発生→説明→解決が急流で、あっという間に終わってしまう。吟味する間もなく次の短編。もうなにがすごいのか不可思議なのかわからない状態に。
最後に全体通した連作短編的なオチもつくのですが、落ちついて膨らませば濃い短編になりうるネタも個々にあって、ちょっともったいない。贅沢ととるか早急ととるか。謎グルーヴ逆説トランス。
| 逆説探偵―13人の申し分なき重罪人 | |
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鳥飼 否宇
双葉社 2005-08 |
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都筑道夫『朱漆の壁に血がしたたる』
世紀の面倒くさがり名探偵・物部太郎は今回はお留守番状態で、片岡君が出先で馬車馬のように事件に巻き込まれる働きをみせるので、「最長不倒距離」のようなダラダラ感がなく、物部シリーズなのになんか忙しい。一つの特異なシチュエーションに足をとられ、他のパーツの絡みまであまり手が回ってないような気がする。人はそんなに簡単に操れるのかしらん?とも思いつつ。
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高野和明『幽霊人命救助隊』
これすんごい面白かった。神から指令を受け、地上に降り立った4人の霊。彼らは天国に行くことを条件に自殺しようとする命を救うよう命じられた『人命救助隊』だった。期間は四十九日。救うべきは100人の命。
とにもかくにもアイデア勝ち。霊魂となった彼らが生身の人間の心を動かす手段はただ一つ、「メガホンで叫ぶ」なのだった。揺れる自殺者心理をモニターしながら説得したり、時には第三者に事情を聞き込んだり、小学生にピンポンダッシュをさせたり(←これが実はすごく重要な行動なのは読めばわかる)。とても応用の効くアイデアであると共に、「こらー!」と訴え叫ぶことで物語のテンションも嫌がおうにも高まるのだ。ナイス。
あらゆる自殺の動機を網羅してあるのでちょっと分量が多い気もするけど、「幽霊」「自殺」というキーワードにそぐわぬシュールで楽しい救助隊キャラと、叫びのテンションと、泣かせるエピソードも多く取り揃え、かつ自殺者の救助を通して現代社会の問題提起まで執り行うという贅沢三昧。大変おススメです。エンターテイメントはなによりの抗うつ剤。不定な未来に絶望するのはまだ早い。
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柄刀一『レイニー・レイニー・ブルー』
”車椅子の熊ん蜂”シリーズ短編集。短編一つにこれでもかとトリックと反証を詰め込んで、そこに障害者を取り巻く社会が抱える問題まで織り込むという、もうはち切れそうな本。「密室の中のジョゼフィーヌ」は久々に密室もので興奮を味わった。「コクピット症候群」もいい。不可能犯罪がいかに「不可能」であることを見せるのが長けていて、そこを打ち砕いたときのカタルシスに大いにリターンが来るのだ。
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高田崇史『QED 六歌仙の暗号』
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