た行の作家 Archive
高橋征義『でかいプレゼン 高橋メソッドの本』
巨大な文字のみプレゼンを行う手法、それが高橋メソッド。1ページ2,3行、300ポイントクラスの文字を扱うその高橋メソッドを、著者自ら解説したのが本著。ミステリ系更新されてますリンクを作ったあのたかはしさんである。
見開いて左ページに解説の項、右ページに高橋メソッドの紹介を高橋メソッドで一ページずつ掲載。ぱらぱらめくるだけで高橋メソッドの仕組みがわかる!という構成になっております。わかりやすい。
ただ文字を巨大にすればいいというわけではなくて、フォント選びから会場の客層、発表内容の難易度等による調整など、普通のプレゼンテーションでも忘れがちな基本をちゃんと押えた解説なのがいいですねぇ。一通りメソッドを解説した後の「part 5 高橋メソッドの舞台裏」の章では別のメソッドの紹介や新メソッド誕生への期待等に見える、独特の丁寧さ・腰の低さが好印象。ブログもあります→高橋メソッドな日々。
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竹内真『カレーライフ』
「好きな食べ物:カレー」と事あるごとにプロフィール欄に書くほどカレー好きな僕なわけですが、『カレーライフ』はホント、全てのカレー好きに読んでもらいたいですよ。もーこれを読み終わるまでに何杯のカレーを食べたことか。食べたくて食べたくてしょうがないんだもの。
洋食屋だった祖父の通夜の晩、幼かった僕たち5人の従兄弟は「大きくなったらカレー屋になる」と約束をした。あれから幾年月たって今は19歳。それが「親父の勘違い」によって現実になってしまった。従兄弟たちを集めて、祖父の味を再現して、カレー屋になるために、想像を超えた冒険がいま始まる。
従兄弟達を訪ねて地球上を行ったり来たり。出会って別れてカレーを作ってと、まさにカレー・ロード・ノベル。まさかこんなにドラマチックな青春小説が生まれるなんてと大感動ですよ。もうカレーを求める浪漫がたまりません。ガンジス川にゆっくりとボートをこぎ出して、地平線から昇る朝日を見ながら「俺は、カレーが好きなんだ」って呟いたりするのよ!あぁ!
一つの鍋に自由に食材を飲み込んで、うまみに変えるカレーは和の象徴なのかもしれない。あぁカレー食いたい作りたい。
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鳥飼否宇『昆虫探偵』
ある日起きたらゴキブリになっていた…という出だしだけど『変身』ではなくて鳥飼否宇『昆虫探偵』。熊ん蜂の探偵とゴキブリの探偵助手が昆虫界の難事件に立ち向かう短編集。文庫は書き下ろし一編がプラス。
昆虫なのに日本語喋ってたりとか、異なる虫が一緒に行動しすぎとか、探偵事務所構えるってどこやねんとか、まーツッコミどころは多いのです。で、なにぶん昆虫の世界なんで、動機に怨恨とか金目当てとか一切なし。「生き延びる」か「子孫を残す」の二つか一つ。これに擬死や交尾や擬態などの昆虫の特性を交えて、密室や犯人当てを構成していくんだからなかなかに恐れ入る。短編タイトルも「昼のセミ」「生きるアカハネの死」「吸血の池」などタイトルをもじっており、内容も軽くなぞらえて作られているのが楽しい。
文庫書き下ろしの第六話「ジョウロウグモの拘」の犯人指摘のプロセスが一番キレイだなぁ。単行本のみ読んでる方、お見逃しなくですよ。ファーブルになりたかった男の探偵記。世界最小の不可能犯罪が幕を上げる。
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タモリ『タモリのTOKYO坂道美学入門』
「日本坂道学会副会長」を名乗るタモリが、東京の「よい坂」を37坂紹介。「暗闇坂」や「桜坂」などメジャーどころから、抜け道裏道のマイナーどころまで街歩き。1坂あたりにつき、見開きの写真・タモリによる解説・辺りの他の坂・江戸時代の地図・イラストマップ・周辺のタウンガイドまでついている充実振り。坂道がこんなに丁重に扱われてる本は他にないのではないか。
休みの日にパラパラと広げて、この坂行ってみようかとお出かけマップに使うもよし、江戸風俗と照らし合わせて歴史に思いを馳せるもよし。一家に一冊の東京坂道バイブルに仕上がっています。なごむなぁー。
坂道もさることながら、タモリ自身によるまえがきも必見。坂道に目覚めるきっかけになった幼稚園時代を真面目な顔で飄々と描く書きぶりがいい感じです。エッセイとか出さないかなぁ。
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鳥飼否宇『痙攣的』
美術論とキテレツな殺人事件を絡めた短編集…のつもりだったのに本の真ん中まできて一気にUターン。とんでもないバカミス全開フルスロットルに!ええっ!なんだこりゃぁぁぁぁ。
従順で真面目でちょっとお茶目な子だったのに、なにがきっかけであんなにグレてしまったのか…と言わんばかりの否応なしの積木崩し。思っていたレールと全然違う方向に連れて行かれて一人旅。面白いけど認められない、爆笑しながら大遠投、評価軸もぶるぶる震える痙攣的。羊の皮をかぶったバカミスの生き様を見よ。もー、いかにもイカサマでいかがわしくもいかんともしがたい。
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やってる人 : INO