アーカイブ

‘さ行の作家’ カテゴリーのアーカイブ

殊能将之『キマイラの新しい城』

2004 年 8 月 14 日 Comments off

750年前の事件と現代の事件。石動シリーズということはまず真っ直ぐには行かないわけで、本格の本道から路地に入って座り込んでタバコふかしてるような不良ぶり。今回は「750年前の幽霊が社長に取り憑いた」という設定で、中世と現代のギャップにうろたえる幽霊視点がかなりオモロイ(六本木ヒルズで黒蜘蛛にビックリ!とか)。ミステリ的には既存の本格をこねて叩いて壁にぶつけて観察するような、パロディと稚気の面白さ。いろんな意味で小ネタ満載の本でした。So Nice.

カテゴリー: さ行の作家, 読書感想文 タグ:

清水 義範 (著), 西原 理恵子『おもしろくても理科』

2004 年 7 月 31 日 Comments off

清水先生の面白理科話とサイバラの無気力挿絵ツッコミ。ちょいと理科に通じた人が読むと物足りない感じがするが、そこは理科嫌い向けに太陽系を中央線に当てはめたりなど一生懸命に文章を選んでいる清水先生の奮闘にエールを送るように楽しむべきであろう。がんばれー。

カテゴリー: さ行の作家, 読書感想文 タグ:

柴崎友香『きょうのできごと』

2004 年 6 月 29 日 Comments off

ある晩、友人の引っ越し祝いに集まった数人の男女。彼らがその日経験した小さな出会い、せつない思い。5つの視点で描かれた小さな惑星の小さな物語。書下ろし「きょうのできごとの、つづきのできごと」収録。

宅飲みに集まった大学生たちのなんでもない一日。誰も特別でなく、なんでもない会話で、なんでもない夜のはずなのに、場面場面がこんなにも特別に感じるのは感傷のせいだけではないのだろう。さくっと読めるけど満たされる気持ち。登場人物が行間で饒舌な感じ。こういう時大阪弁はずるいなぁ。東北弁だどこうはいがねぇもんなぁ。