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	<title>イノミス &#187; 【オススメ本】</title>
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	<description>読書感想文と小ネタ中心のコラムをお食事中に失礼します。</description>
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		<title>適当男の真顔　高田純次・茂木健一郎『裏切りの流儀ーあらゆることはバランスで成り立っている』</title>
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		<pubDate>Mon, 30 Aug 2010 20:13:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<category><![CDATA[読書感想文]]></category>

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		<description><![CDATA[今までの高田さんの本で一番面白いよ 。ーーー他は読んだことないけど。（茂木）
「五時から男」高田純次と「アハのおじさん」茂木健一郎の対談本。
茂木健一郎が、「適当」で「一人高度成長期」状態の高田純次にこそ日本を元気にする [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4899981023/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UqFoEQZvL._SL160_.jpg" width="109" height="160" alt="裏切りの流儀ーあらゆることはバランスで成り立っている"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4899981023/inomys-22/ref=nosim/'>高田 純次『裏切りの流儀ーあらゆることはバランスで成り立っている』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4899981023/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<blockquote><p>今までの高田さんの本で一番面白いよ 。ーーー他は読んだことないけど。（茂木）</p></blockquote>
<p>「五時から男」高田純次と「アハのおじさん」茂木健一郎の対談本。</p>
<p>茂木健一郎が、「適当」で「一人高度成長期」状態の高田純次にこそ日本を元気にする秘訣があるのではないか、と高田純次から話を聞き出していく形になっている。</p>
<p>だが一方、「テキトー男」高田純次は冒頭にこんな告白をする。</p>
<blockquote><p>適当男っていうのは、二年くらい前から言われるように鳴ったんですけど、自分から言い出したわけじゃないんです。でも言葉だけが一人歩きしちゃって、「あれ？どうやったら適当になるんだっけ」って分かんなくなちゃった。<br />
（中略）<br />
例えば便所行っても、水を流さない方がいいのか、お店は行っても、金払わないで出てきた方がいいのか。右折禁止の道は必ず右に曲がるようにしてたら適当かもしれないけど、捕まっちゃうしね（笑）そういうことに悩んでますね。</p></blockquote>
<p>「五時から男」や「元気が出るテレビ」で定着し、最近になって「テキトー」さを再評価されている高田純次は、自らについたレッテルと自身のギャップをちゃんと考えてるのだ。</p>
<p>そんな高田純次が語る。キーワードは「負け好き」と「セルフプロデュース」</p>
<p>自らを「負け好き」と語る高田純次は、負けることで得るものの大切さを重視している。</p>
<blockquote><p>絶対に負けた方が、ステップアップになりますよ。麻雀でも勝ったときより負けたときに「どうしてああなったんだろう」って考えちゃいますもん。ただ勝って「よかった」と思ってるより、その方がいい。</p></blockquote>
<p>「一回負けても、別の勝負で勝てばいい」。大学受験に失敗して専門学校に行き、会社勤めを経て30歳から劇団・東京乾電池に入った高田。異色の経歴から現在の地位になるまで、負けては考えて、やりたいことに辿りついてきている。</p>
<p>また、「五時から男」から貼られたレッテルを利用して、どうやったら面白く見られるかを、状況や自分の年老いた肉体まで俯瞰して考える。時には裸にもなる。役割を演じる、ということを常に意識している。無意識のうちに「セルフプロデュース」を行っている。</p>
<p>茂木健一郎もちゃんと仕事をしていて、高田純次が思っていたことに脳科学の立場から裏付けをとって安心させてあげて、さらにトークを引き出している。たまに下ネタを振られてアワアワしていたりする(「茂木先生はまだ元気だから股間でテーブルの一つも持ち上がるでしょ（笑）」とか言われている)</p>
<p>不良がたまに見せる優しさのように、高田純次がたまに見せる真顔にはドキリとするものがある。</p>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%81%A9%E5%BD%93%E6%97%A5%E8%A8%98-%E9%AB%98%E7%94%B0-%E7%B4%94%E6%AC%A1/dp/4478003769%3FSubscriptionId%3D0XCJNEQAMEJNQBV731R2%26tag%3Dinomys-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4478003769" title="Amazon で商品の詳細を確認する">「適当日記」</a>などとは違い、真顔の高田純次を見れる一冊。その姿はまさにプロフェッショナルで、カッコいい。</p>
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		<item>
		<title>森見流「少年時代」 森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』</title>
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		<pubDate>Sat, 17 Jul 2010 22:02:15 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
				<category><![CDATA[【オススメ本】]]></category>
		<category><![CDATA[ま行の作家]]></category>
		<category><![CDATA[読書感想文]]></category>

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		<description><![CDATA[舞台は京都でもなく新興住宅地、主人公は腐れ大学生じゃなくて小学生男子。森見登美彦、新境地。
小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼく [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048740636/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41n3or6FoHL._SL160_.jpg" width="110" height="160" alt="ペンギン・ハイウェイ"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048740636/inomys-22/ref=nosim/'>森見 登美彦『ペンギン・ハイウェイ』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048740636/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<p>舞台は京都でもなく新興住宅地、主人公は腐れ大学生じゃなくて小学生男子。森見登美彦、新境地。</p>
<blockquote><p>小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。 </p></blockquote>
<p>というあらすじだけ見ても何がなにやら。「ペンギン」は何かの比喩なのかな？と思ったら、本物のペンギン。</p>
<p>主人公は小学生だけど、そこは森見登美彦らしく、とても理屈っぽい、ませた文系男子。「ぼくは小学四年生だが、大人に負けないぐらいいろいろなことを知っているし、努力をおこたらないが、将来はきっとえらい人間になるだろう。」こんな感じである。</p>
<p>このちょっと変な男子と、友達との冒険、女子との会話、ガキ大将からの攻撃、といった小学生の日常を描きながら、少しづつSFでファンタジーな要素が入り込んでくる。タイトルはペンギン・ハイウェイだけど、事件はペンギンだけじゃ全然終わらない。住宅地は少しづつたいへんなことになっていく。</p>
<p>この「少しづつ」たいへんなことに、というのが実はポイントだと思っている。次々事件を起こして読者を退屈させない方向に持って行くこともできるけど、このお話はあくまで「少しづつ」。誰もが抱いた子供のころの不安（死んだらどうなるの？とか）や、信頼できる大人たちとの会話、哲学的なやりとりや、ちょっとした思春期の芽生えなんかも散りばめて、森見登美彦流の「少年時代」をたっぷり書いてくれる。それはとても暖かく、いとおしい。</p>
<p>最初は、こんな男子ホントにいたらかわいくないだろうなー、という印象なんだけど、読み終わることにはもう、ギュッと抱きしめて頭をなでてやりたくなる愛しさ。ひと夏の冒険。ちいさな恋。またひとつ、森見登美彦に引き出しが増えた。それはとても嬉しいことだと思う。</p>
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		<title>人情であぶり出す真相　東野圭吾『新参者』</title>
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		<pubDate>Sat, 19 Jun 2010 15:05:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<category><![CDATA[は行の作家]]></category>
		<category><![CDATA[読書感想文]]></category>

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		<description><![CDATA[作中で刑事・加賀恭一郎がこう言っている。
「捜査もしていますよ、もちろん。でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062157713/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51YH3KbF%2B-L._SL160_.jpg" width="111" height="160" alt="新参者"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062157713/inomys-22/ref=nosim/'>東野 圭吾『新参者』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062157713/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<p>作中で刑事・加賀恭一郎がこう言っている。</p>
<blockquote><p>「捜査もしていますよ、もちろん。でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です」<br />
<em>―第六章 「翻訳家の友」 P.220―</em></p></blockquote>
<p>日本橋の片隅で発見された四十代女性の絞殺死体。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。</p>
<p>9編からなる連作短編集で、短編ごとに煎餅屋、料亭、瀬戸物屋など視点人物が入れ替わるのだけど、肝心な殺人事件の方はなかなか解決に向かわない。それぞれの登場人物たちの身に起きた小さな謎を、加賀がその洞察力で解き明かしてまわっているのだ。いわゆる「日常の謎」をシリーズキャラクターの加賀恭一郎にやらせているのである。これ、今までなかったんじゃないかなぁ。</p>
<p>保険の外交マンの行動が変だったとか、犬の散歩コースに矛盾があったりとか、各短編に出てくる謎は小さなもの。しかしその謎が解かれるたびに親子・夫婦・嫁姑などのもつれた糸が解けていき、わだかまりが溶けていく。これらは結局殺人事件には関係ないのだけど、「事件と関係ない」ことがわかることによって、逆にどんどん外堀が埋まっていく。真相に向けてじわじわと輪が小さくなっていく。</p>
<p>また、被害者の女性は「最近日本橋に越してきた」「熟年離婚してから二年経過」という設定なので、日本橋には親しい人がおらず最近の様子がわからない。お店で交わした会話などから、徐々に被害者の人柄も明らかになっていく。じわじわと光が当たって鮮明になっていく。</p>
<p>手がかりを次々に得て真相に近づくミステリが足し算ならば、『新参者』はどんどん関係ないこと明らかにして最後に真相を残す引き算のミステリとも言えるのかな。引かれていく様子は心に残る人情話になっていて、被害者の人となりは逆にどんどん盛られていく。</p>
<p>一読して、派手なサプライズとか感じず、引き算の構成ゆえ犯人も最後の最後まで全然特定できないし、もぅ…と思っていのだけど、読み終わってからしみじみ考えているとなんかどんどん評価があがっています。なんだろこれ。よくこんなもの作れるよなぁと、まさに日本橋で民芸品を手にとったような感慨が残るのだった。<br />
　</p>
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		<title>動機と叙述の華麗なる融合 梓崎優『叫びと祈り』</title>
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		<pubDate>Thu, 17 Jun 2010 03:32:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<category><![CDATA[さ行の作家]]></category>
		<category><![CDATA[読書感想文]]></category>

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		<description><![CDATA[もう言っちゃいますけどね、超オススメですよ！
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488017592/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/518P9Hwb%2BrL._SL160_.jpg" width="112" height="160" alt="叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488017592/inomys-22/ref=nosim/'>梓崎 優『叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488017592/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<p>もう言っちゃいますけどね、超オススメですよ！</p>
<blockquote><p>砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。大型新人の鮮烈なデビュー作。 </p></blockquote>
<p>5編からなる連作短編。世界を飛び回るジャーナリストの斉木という男が主人公かつ探偵役なので、5編とも舞台となる国が異なるというのがまず面白い趣向。砂漠で、修道院で、アマゾンの密林で、様々な事件に巻き込まれる。</p>
<p>とにかく動機の謎をめぐる「ホワイダニット(Why done it?)」が素晴らしい。例えば1作目「砂漠を走る船の道」では砂漠を横断するキャラバンで連続殺人が起きる。でも、このキャラバン、斉木を含めて5人しかいない。そんなところで殺人を犯してもバレちゃうリスクは大きいし、なにより遭難の危険性が高まってしまう。それでもこの殺人にはちゃんとした意味、動機が存在する。彼らの中でしか成立しない形で。</p>
<p>動機の謎、というのはけっこう「イヤイヤイヤそうかもしれんけど他になんかあるんじゃないの」となりがちな難しさがあるのだけど、舞台を海外にして、母体を部族や宗教者などの「意思のある集団」にすることで、「普通じゃない動機」が輝きを増す。これまた、風景や登場人物の意思などの書き込みがすごく丁寧なので、異国の雰囲気にどっぷり浸ってしまうのもスパイスとして作用する。この人ホントに新人なのか。しかも20代て！</p>
<p>もう一つ、この人、叙述トリックもすごい上手い。雰囲気たっぷりの風景描写に、人物たちの何気ない会話に、罠を静かに滑り込ませてくる。ネタバレになるので詳しく書けないけど、「ホワイダニット」と「叙述トリック」が類を見ない融合をしている。しかも、何発も。</p>
<p>そして最終章の書下ろし「祈り」でこれまでの話をまとめ上げる、というワザまで見せつけられるわけで、もうこれがオススメせずにいられるかという出来。今年のランキングに上位入り必至。梓崎優、その名を覚えておいて絶対損はない。梓崎優（しざきゆう）ですよ。大事なことなので二回言いましたよ。</p>
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		<title>過去から未来へ繋ぐバトン　宮下奈都『スコーレNo.4』</title>
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		<pubDate>Sat, 22 May 2010 21:53:03 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<category><![CDATA[ま行の作家]]></category>
		<category><![CDATA[読書感想文]]></category>

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		<description><![CDATA[自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分の [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334746780/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41fxZP9bYPL._SL160_.jpg" width="112" height="160" alt="スコーレNo.4 (光文社文庫)"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334746780/inomys-22/ref=nosim/'>宮下 奈都『スコーレNo.4 (光文社文庫)』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334746780/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<blockquote><p>自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは…。ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。 </p></blockquote>
<p>骨董品屋の長女・麻子の成長を、全体を4章にわけてそれぞれ中学時代・高校時代・就職直後・就職して3年後、という年代設定にして、連作短編として仕上げている。あの子がこんなに立派になって…という仕組みになっていて、終盤には、おっちゃんは中学の頃からこの子知ってんねんでーとすっかり物語に入ってしまう。</p>
<p>自分は地味で誇るところがないというコンプレックスを抱え、六人家族で暮らす多感な思春期を過ぎ、就職し…という流れで、就職してからがもう白眉。入社後の戸惑、突然の現場への派遣、そこから徐々に人間関係を築いて、仕事も覚え…と、その中で過去に自分に起きた出来事が今の仕事につながって…と、いろんなものがリンクしていく。人生はその場しのぎではなくて、過去の自分が未来の自分を作っていく。</p>
<p>特に”何かに目覚める時”が鮮やかだなぁと感じました。初恋や職場での気づきと言った場面で、パァァと目の前の世界が変わる。自分の中の変化を自分で感じる瞬間が美しい。</p>
<p>たぶん女子向けの本に分類されるんだろうけど、娘をもつ親御さんにもオススメです。もう、主人公をハラハラしながら応援してしまう自分がいます。</p>
<p>この本はTwitterで書店員の方々によって結成された「秘密結社」が、大好きな本として全国の書店（その数約100店舗！）で大プッシュしているもの。ハッシュタグは<a href="http://twitter.com/#search?q=%23Schole">#Schole</a>。Twitterが生んだフェアでこの本に出会えたことを感謝します。お近くの書店でも平積みされてるかもしれませんよ。（メディアでの紹介→<a href="http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news0/index.php?page=article&amp;storyid=21437&amp;storytopic=1">ツイッターで販売に火　「大好きな本」書店員プッシュ！　社会　福井のニュース：福井新聞</a>）</p>
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		<title>日常系報道カメラマン　梅佳代『うめめ』</title>
		<link>http://inomys.net/2010/05/20100514_11001937.html</link>
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		<pubDate>Fri, 14 May 2010 02:00:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<category><![CDATA[あ行の作家]]></category>
		<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[読書感想文]]></category>

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		<description><![CDATA[先日の角川文庫の太宰治の表紙が味写すぎる件について、よく調べてみたら、あの表紙は太宰治生誕100周年の梅佳代×祖父江慎のコラボカバーだったらしい。そういうことだったのか！
　→太宰 治生誕100周年フェア｜角川書店（梅佳 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489815185X/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/5143XDG0P1L._SL160_.jpg" width="160" height="103" alt="うめめ"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489815185X/inomys-22/ref=nosim/'>『うめめ』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489815185X/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<p>先日の<a href="http://inomys.net/2010/05/20100511_12001905.html">角川文庫の太宰治の表紙が味写すぎる件について</a>、よく調べてみたら、あの表紙は太宰治生誕100周年の梅佳代×祖父江慎のコラボカバーだったらしい。そういうことだったのか！<br />
　→<a href="http://www.kadokawa.co.jp/fair/200904-03/">太宰 治生誕100周年フェア｜角川書店</a>（梅佳代×祖父江慎の対談あり）</p>
<p>これまた先日の<a href="http://inomys.net/2010/05/20100507_14301833.html">天久聖一『味写入門』の感想</a>では帯に「プロには無理」と書いてあるのだけど、味写を撮れるプロがそういえば、いたいた。梅佳代である。</p>
<p>梅佳代は何冊か写真集を出しているのだけど、小学生男子のおふざけばかり収まってる<a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%94%B7%E5%AD%90-%E6%A2%85-%E4%BD%B3%E4%BB%A3/dp/4898152155%3FSubscriptionId%3D0XCJNEQAMEJNQBV731R2%26tag%3Dinomys-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4898152155" title="Amazon で商品の詳細を確認する">『男子』</a>や、実の祖父を10年撮り続けてた<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%81%98%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%95%E3%81%BE-%E6%A2%85-%E4%BD%B3%E4%BB%A3/dp/4898152392%3FSubscriptionId%3D0XCJNEQAMEJNQBV731R2%26tag%3Dinomys-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4898152392" title="Amazon で商品の詳細を確認する">『じいちゃんさま』</a>も好きだけど、やっぱり最初の『うめめ』は衝撃だった。</p>
<p>なんでもない住宅地、駅、公園。なのに、ハプニングの一瞬がいくつもいくつも撮られている。「どうしてこうなった！？」と声をあげてしまうインパクト。大人が通勤してる横でアスファルトの上でひっくり返っている小学生、1つのコインロッカーに群がっているご親族、フライドポテトをこぼしてるのに遠くを見てる子供（表紙）、衝立の向こうから突然現れるノッポン（東京タワーのマスコット）…。</p>
<p>常にカメラを持ち歩かなければ撮れない写真なのはもちろんだけど、瞬間を見逃さない「目」と何かを引き寄せる「磁場」が三位一体揃わないとこんなのできないなぁ。</p>
<p>ニュースばかりが「報道」じゃない。日常の変なことを報じたっていいじゃないの。脱力しながら不思議な余韻。日常の横で、奇妙な扉が半ドアで開いてる感じです。</p>
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		<title>自分データベース大開放　伊集院光『のはなしに』</title>
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		<pubDate>Wed, 12 May 2010 03:00:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<description><![CDATA[伊集院光のエッセイ『のはなし』の第二弾。あいうえお順に「アウトセーフ」の話から「んまーい!」の話まで全86話を収録。（※『のはなし』は文庫化されて『のはなしにぶんのいち』になってます）
相変わらず驚くのは、「自分の引き出 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796661905/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51xpvpdXPdL._SL160_.jpg" width="110" height="160" alt="のはなしに"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796661905/inomys-22/ref=nosim/'>伊集院 光『のはなしに』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796661905/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<p>伊集院光のエッセイ<a href="http://inomys.net/2008/04/20080406_2238302.html">『のはなし』</a>の第二弾。あいうえお順に「アウトセーフ」の話から「んまーい!」の話まで全86話を収録。（※『のはなし』は文庫化されて<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/search?ie=UTF8&#038;keywords=%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97%E3%81%AB%E3%81%B6%E3%82%93%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%A1&#038;tag=inomys-22&#038;index=books&#038;linkCode=ur2&#038;camp=247&#038;creative=1211">『のはなしにぶんのいち』</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=inomys-22&#038;l=ur2&#038;o=9" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />になってます）</p>
<p>相変わらず驚くのは、「自分の引き出し」の多さ。子供ころの思い出から仕事の話までの現在過去、アホな思いつきに下ネタ、思いつきに妄想まで、ホントに大量でかつ多種多様ですごい。引き出しというよりもはや自分データベース。出来事とその時の感情をセットにして、いったいどれだけ蓄積されているのやら。</p>
<p>しかし、決して&#8221;爆笑エッセイ&#8221;では終わらない。</p>
<p>伊集院は自分の言葉でいろいろ考える。幼少期の夕焼けを。理不尽に対するモヤモヤを。あの日あの時どうすればよかったかを。ぼやきや下ネタの間にフッとそれらが挟まって、何層もの伊集院が現れる。</p>
<p>この「多様な伊集院」については、まえがきに本人も書いている。テレビでは良い人、ラジオではダメな人、同じテレビでもNHKの伊集院と深夜の伊集院は違い、そして新たに「『のはなし』の伊集院光」も出てきてしまった。</p>
<blockquote><p>どれも嘘はありません。</p>
<p>以前は「早くどれか一つにしたい」と思ったこともありましたが、今は「むしろ増やしてやろう」と思っています。小さいのがものすごくたくさんあったら、大きいのは一つしかないのと同じだから。
</p></blockquote>
<p>どの人にも必ず気に入る1話があると思います。ちなみに僕が一番覚えてるなのは「盗んだ金」の話。お金を盗むのはもちろんいけないことなんだけど、待っているのはまさかのノスタルジー。</p>
<p>相変わらずのおすすめです。</p>
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		<title>押し入れから神様が出てきた！　天久聖一『味写入門』</title>
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		<pubDate>Fri, 07 May 2010 05:30:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<description><![CDATA[ほぼ日刊イトイ新聞に連載されていた「天久聖一の味写入門」の書籍化。
まず「味写」とは何か。Amazonから書籍紹介を引用してみましょう。
明らかにシャッターチャンスを逃し、構図はデタラメ、ときには赤の他人が堂々と真ん中に [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757217706/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51R%2BVbScB7L._SL160_.jpg" width="115" height="160" alt="味写入門(あじしゃにゅうもん)"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757217706/inomys-22/ref=nosim/'>天久 聖一『味写入門(あじしゃにゅうもん)』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757217706/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<p>ほぼ日刊イトイ新聞に連載されていた<a href="http://www.1101.com/ajisha/">「天久聖一の味写入門」</a>の書籍化。</p>
<p>まず「味写」とは何か。Amazonから書籍紹介を引用してみましょう。</p>
<blockquote><p>明らかにシャッターチャンスを逃し、構図はデタラメ、ときには赤の他人が堂々と真ん中に写っていたり…。そんな“失敗写真”を押し入れの奥から発掘し、改めて眺めてみると、撮った当時は気づかなかった意外な味わいが生まれていることがある。失敗と偶然が絶妙の効果を発揮した「味のある写真」=「味写」。神のイタズラとしか思えない名作の数々が、あなたの脳をとろけさせます。 </p></blockquote>
<p>で、もう一度この本の表紙を御覧下さい ↑ 左の幼子の、頭をつかまれた首の角度といったら！素人たちの失敗写真が天久聖一のコメントと共に爆笑の渦を巻き起こす。</p>
<p><a href="http://www.1101.com/ajisha/p_012.html">おじいさんと後ろの掛け軸の柄が重なったり</a>、<a href="http://www.1101.com/ajisha/2006-05-28.html">卒業式にくのいちが現れたり</a>、<a href="http://www.1101.com/ajisha/2006-02-05.html">スフィンクスをバックにアラブ人が遠くを指さしていて手前におばさんがアップになっていて全員目線が違っていたり</a>、犬が浮いてたり、知らないオッサンが無重力だったり…。</p>
<p>狙っても撮れない、かといって報道のような大げさはない。まさに「油断」意外のなにものでもない写真たち。いかにも昭和！な写真も多く、ノスタルジーの味わいと油断の味わいを同時に味わえるおまけつき。</p>
<p>ハプニングにしてはボンヤリしてて、奇跡にしては滑稽で、神様のイタズラにしては度が過ぎている、誰も見たことがない写真集。百聞は一見にしかず、ですよ。<br />
　</p>
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		<title>探偵役の主観と客観　米澤穂信 『追想五断章』</title>
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		<pubDate>Sat, 17 Apr 2010 14:25:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
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		<description><![CDATA[古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アント [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087713040/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51WZ5unCqJL._SL160_.jpg" width="113" height="160" alt="追想五断章"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087713040/inomys-22/ref=nosim/'>米澤 穂信『追想五断章』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087713040/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<blockquote><p>古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は?米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。 </p></blockquote>
<p>結末をわざと伏せて、その後の展開を読者に任せるタイプの小説を「リドルストーリー」と呼ぶ。有名なところだと<a href="http://kuroneko22.cool.ne.jp/ridoru.htm">『女か虎か？』</a>とかなんですが、上の粗筋にある、亡くなった父が残した「五つの小説」がすべてリドルストーリーの形をとっていて、小説探しの本編の中でひとつひとつ小説が見つかるたびに作中作としてこのリドルストーリーが挟まれる、という構成になっている。</p>
<p>本編の他に5編のリドルストーリーが考えられていて、しかも裏に一つの未解決事件という背骨をつけて、さらにさらにとある”仕掛け”まで用意されているという、本格魂的にもうなんとも贅沢な造りなのである。ミステリ的な仕掛けもさることながら、この作品の評価を高めるもう一つの材料が主人公の大学生・菅生の描き方。</p>
<p>これまでの米澤穂信作品でもいわゆる「探偵役」は一筋縄でいかない設定が多い。面倒事に極力関わりたくない古典部シリーズの折木奉太郎、推理能力を隠して暮らそうとする小市民シリーズの小鳩、ちゃんとした推理があっさり無視されてしまう『インシテミル』など。</p>
<p>今回の主人公、菅生は大学生とはいえ休学中（事情は物語中で徐々に明らかになる）。小説探しの依頼を受け、最初は報酬に目がくらんで調査を始めるも、段々と事件に含まれた「物語」にひきこまれていく。他人の「物語」と自分の存在の対比に段々と変化してく主人公の心情が、こちらにも重くのしかかる。</p>
<p>謎を解くという役目と、その役目によって影響を受ける探偵役。外側である事件の解決と、内側である探偵役の葛藤。これまでのシリーズ作品などよりもかなり落ち着いたトーンで描かれる本作は、外側／内側のコントラストがより濃く浮き出てくる。</p>
<p>仕掛けの素晴らしさと、登場人物の重さとが、絶妙に融合した本作。お勧めです。お勧めですよ。</p>
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		<title>人生はスタンプラリー　博多大吉『年齢学序説』</title>
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		<pubDate>Mon, 01 Mar 2010 07:26:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>ino</dc:creator>
				<category><![CDATA[【オススメ本】]]></category>
		<category><![CDATA[は行の作家]]></category>
		<category><![CDATA[読書感想文]]></category>
		<category><![CDATA[博多大吉]]></category>

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		<description><![CDATA[選ばれし者は26歳の時に時代を掴む!?芸人、アスリート、歌手、漫画家、格闘家、アニメ主人公…ありとあらゆるジャンルを調べ尽くして発見した、「年齢に隠された成功の秘密」とは。 
博多華丸・大吉の「アタックチャンスじゃないほ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div style="margin:6px 0px 12px;"><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434401782X/inomys-22/ref=nosim/'><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51wmo7Gn0XL._SL160_.jpg" width="109" height="160" alt="年齢学序説"></a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434401782X/inomys-22/ref=nosim/'>博多 大吉『年齢学序説』</a><br><a href='http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434401782X/inomys-22/ref=nosim/'><img src='http://inomys.net/wp/wp-content/themes/inove/img/amazon.png'>Amazonで詳細を見る</a>　</div>
<blockquote><p>選ばれし者は26歳の時に時代を掴む!?芸人、アスリート、歌手、漫画家、格闘家、アニメ主人公…ありとあらゆるジャンルを調べ尽くして発見した、「年齢に隠された成功の秘密」とは。 </p></blockquote>
<p>博多華丸・大吉の「アタックチャンスじゃないほう」博多大吉初の著書。そこらのタレント本と比べると本人の芸風をも暗示するような超地味な表紙。しかし一線を画すのはその分量。約250ページにわたり文章がぎっしり。新書2.5冊分はあるのではないか。それでも一気に読んでしまった。これはおもしろい。</p>
<p>『年齢学序説』は<strong>「選ばれし者は２６歳の時に時代をつかむ」</strong>という説からその幕を明ける。一線で活躍している芸人の代表的な番組のスタートやブレークのきっかけといったターニングポイントが26歳であることが挙げられる。こんな感じ。</p>
<p>・ダウンダウンが「ガキの使いやあらへんで！」を始めたのが26歳<br />
・とんねるずが「みなさんのおかげです」を始めたのが26歳<br />
・ウッチャンナンチャンが「やるならやらねば」を始めたのが26歳<br />
・ナインティナインが「めちゃイケ」を始めたのが26歳<br />
・志村けんが「東村山音頭」をヒットさせたのが26歳<br />
・明石家さんまが「オレたちひょうきん族」で二代目ブラックデビルに選ばれたのが26歳</p>
<p>そして、自身、博多華丸・大吉はというと、R-1ぐらんぷりで優勝してブレークのきっかけとなった「児玉清のモノマネ」を華丸が開発したのが26歳なのだ。</p>
<p>そしてこの説はお笑い界だけで収まることはない。野球・サッカー・格闘技（とりわけ新日本プロレス）・演歌・J-POP・漫画にいたるまで、幅広く展開していく。時に強引に26歳に括りつけられる場面もあれど、そこに持っていくまでの飄々とした語り口で、時にくすぐりを入れ、あちこちから知識を総動員し、それでいて詐欺師ばりの論理展開でグイグイ読んでしまう。対象とする人物が「年齢学」で考察する年齢に到るまでを伝記のように綴るため、自分の興味の薄い分野でも全然大丈夫だった。</p>
<p>後半、今度は38歳・51歳という数字を使って、「元気が出るテレビ」がもたらした革命、FUJIWARAが不遇時代からどのように今の地点にこれたか、そして綾小路きみまろの”潜伏期間30年”についてなど、お笑い好きにはたまらない考察が続く。</p>
<p>そして最終章。<strong>『第十章 経験としての26歳』</strong></p>
<p>博多華丸・大吉の26歳時代は「博多華丸が児玉清のモノマネを開発した年」だった。ではこのとき、博多大吉自身はどんな年だったのか。これが一章まるごと使って語られる。中学の時イケてなかったどころではない、本当の、本当の、暗い年。それでいて、確実に今の彼に必要だった年の出来事を。これは一つのサプライズであるので、ここでは詳細については触れないけど、彼らの軌跡でもあり奇跡でもある一年を是非読んでほしい。</p>
<p>最後に、本書で個人的に心に残った文章を引用しておきます。</p>
<blockquote><p>　個人的には、人生はスタンプラリーだと思っている。人は誰しも「記憶」という台紙を持ち、そこに「思い出」というスタンプを押しながら、それぞれの「寿命」という有効期限内を生きているのだ。<br />
　どうせ押すというならば、できるだけ色鮮やかなスタンプを押したいと思うのが人間である。だからこそ、我々には「向上心」という名の「欲望」が装備されているのではないだろうか？無論、その出来映えには個人差がある。懸命に努力してもスタンプがズレたり、予想外のアクシデントで上下が逆になったり、一瞬の判断ミスで色が滲んだりすることも、人生においては多々あるだろう。しかし、決して忘れてはいけないのは、それでも「押している」ということだ。そこに「優劣」は断じてない。そこにあるのは、その出来栄えに本人が満足しているかどうか、ただその一点だけなのだ。 （P.150)</p></blockquote>
<p>数々の人生から、色鮮やかなスタンプを見つけていく「年齢学序説」。</p>
<p>あとがきに「150」という数字を用いた著者の今後の人生の目標が書いてあるのだけど、上に引用した文章がちょうど「150」ページに載っているのは、偶然なのか？必然なのか？</p>
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