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‘読書感想文’ カテゴリーのアーカイブ

ツルツルの生き方 岡田圭右『無欲 岡田がおかだである理由』

2010 年 1 月 14 日 コメントはありません

パァ!!出た!!ワォ!! 岡田でーす!
いやぁ~~、俺の本!!
いやいや~~、俺で本!!
こんなうすっぺらい人間が本を出す。まさにキセキの一冊だ。
(「はじめに」より)

冒頭からこのノリです。ますだおかだ岡田の初の著書。雑誌連載のコラムをまとめたもの。もう最初に言わせてほしい。誰に向けた半裸なのか。

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お腹がよじれる!子供たちの創作おはなし集 サトシン監修『きいてね!おてて絵本』

2010 年 1 月 13 日 コメント 4 件

NHK教育『みいつけた』内の1コーナー、「おててえほん」が超おもしろい。

子どもたちが両手のひらを絵本にみたてて、自分の創作したストーリーを話す、というものなんだけど、もう、お話の展開が想像の斜め上を行って、ここに落ちるかと思ったらオチがなかったり、空中でパンと消えてしまうように終わったり、もうメチャクチャのスットコドッコイなのだ。

例えばこんな感じ。7歳の女の子の作品。

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山里亮太『天才になりたい』

2009 年 12 月 28 日 コメント 2 件

南海キャンディーズのツッコミ、山里亮太が2006年に書いた自叙伝。相方・しずちゃんに注目が集まるわ、容姿がブサイクだわで、テレビではいじられキャラな山ちゃんであるが、その豊富な語彙と的確なコメントは以前から割と好きなのであった。

その彼が芸人を志してからM-1決勝にいたるまでの獣道。てれびのスキマさんの「山里亮太・天才の公式(前編/後編)」で紹介されたのをきっかけに手にとってみました。

その彼が書いたこの本を読むと、彼がいかに小心者で、それゆえに努力家あることに驚かされる。芸人になりたい。しかし自分は「天才」ではない。でも「天才」と思われたい。そこで彼が取った行動は、過去のちょっと褒められた記憶を溜め込んだり、相方に厳しいダメ出しをして優位を保ったりで、「張りぼての自信」を作ることだった。

その張りぼての自信を保つゆえ、「こんな努力をして栄光をつかんだ」という話ではなく「こんな執着でここまでたどり着いた」という内容になっている。

その執着たるや容姿以上に「キモイ」と思われても仕方ないほど。

相方に厳しすぎたため二度もコンビを解消されたり、面白いと思った芸人のネタを写経のように書き写したり、当時別のコンビを組んでいたしずちゃんをケーキバイキングで口説き落として略奪したり、千葉出身なのに「芸人になるために大阪に行くため」に関西大学に進学したりする。

(そういえばロザン宇治原も芸人になるために京大に入っていた(『京大芸人』より)。勉強しなさいよ勉強を)

小さな成功のたびに過信して挫折し、何度も心が折れる音を聞きながら、面白く思われたいと切に願う。そんな山谷を繰り返しているうちに「いじられる」ことをプラスに変えて進めるようになる。

ただのよくしゃべるブサイク、と思われがちな山ちゃんは、手探りと努力で今のポジションまでやってきたのだった。そのネガティブとポジティブの反転のしかたたるや。この本が新書になってるのもある種の”教え”を含んでいるからと思う。
 
 
そして今年。M-1グランプリ2009。3回目のM-1決勝進出を果たした南海キャンディーズ。結果は決勝9組中8位となったが、終了後の記者会見にて島田紳助が「大会の総括」を聞かれ、南海キャンディーズについてこう語っている。

南海キャンディーズの山里(亮太)は天才やと思ってる。漫才では無理だけど、山里は才能あるんですわ
【M-1優勝インタビュー】新王者パンクブーブー&紳助との一問一答

 
これでまた山ちゃんの張りぼての自信貯金にチャリンチャリンと預金が増えたのかもしれないけど、もうその自信は張りぼてじゃなくてもいいんじゃないの、と思う。
 

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乾くるみ『六つの手掛り』

2009 年 12 月 15 日 コメントはありません

雪野原に立つ民家で、初めて会った者同士が一夜を過ごし、翌朝、死体発見(『六つの玉』)
姪に話して聞かせる、十五年前の「大学生・卒業研究チーム」爆死事件の真相(『五つのプレゼント』)
大学の補講中、マジック好きな外国人教授が死んだ、ESPカード殺人事件(『四枚のカード』)
中味を間違えた手紙と残された留守電が、エリート会社員殺害の真相を暴く(『三通の手紙』)
特注の掛軸は、凝ったイタズラが大好きな、地方の名士がが殺された謎を知っている(『二枚舌の掛軸』)
決定的な証拠がありありとそこに存在した、ベテラン作家邸殺人事件(『一巻の終わり』)
見た目は「太ったチャップリン」!? 林茶父が、今日もどこかで事件解決。

短編集なんですが、それぞれのネタが1つの短編に納まる分量じゃなくて、もうギュウギュウな感じ。後半はずっと謎解きのためにしゃべりっぱなし。生放送で残り時間少ない、みたいな急ぎよう。ギュウギュウ、ということは裏を返せばそれはもう濃いわけで、フーダニットもアリバイものも伏線・手がかりをみっちり配置して事にあたってます。

『三通の手紙』のロジックとか、『二枚舌の掛軸』のフーダニットとか、一つ一つ感心しつつ、最後の『一巻の終わり』を読み終わったあとの遊びにニヤリ。本格推理を読み慣れた方向け。

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東川篤哉『ここに死体を捨てないでください! 』

2009 年 12 月 11 日 コメントはありません

「死んじゃった…あたしが殺したの」有坂香織は、妹の部屋で見知らぬ女性の死体に遭遇する。動揺のあまり逃亡してしまった妹から連絡があったのだ。彼女のかわりに、事件を隠蔽しようとする香織だが、死体があってはどうにもならない。どこかに捨てなきゃ。誰にも知られないようにこっそりと。そのためには協力してくれる人と、死体を隠す入れ物がいる。考えあぐねて、窓から外を眺めた香織は、うってつけの人物をみつけたのであった…。会ったばかりの男女が、奇妙なドライブに出かけた。…クルマに死体を積み込んで。烏賊川市周辺で、ふたたび起こる珍奇な事件!探偵は事件を解決できるのか?それとも、邪魔をするのか?驚天動地のカタルシス。

『烏賊川市シリーズ』の5作目。上記のあらすじに加え、シリーズキャラの私立探偵・鵜飼の元には山田と名乗る女性から依頼の電話があるのだけど、待てど暮らせどやってこない。女性が言っていた「クレセント荘」(温泉つき)に行ってみると、そこに死体を隠し終わった男女が居合わせていて…、という展開。

作者お得意の勘違いドタバタギャグに、周到に伏線を組み入れて、最後にどえらいバカトリックが待っている王道パターン。みんながみんな何か思い違いをしていて、勝手に仮説を立ててるので、最後の方までなんも真実に近づかないという(笑)。

クライマックスは結構ド派手なことになるのだけど、この作者が今までやってきたに比べるとそんなにお馬鹿に見えないというか、結果的にちょうどいい按配に収まった感じ。

装丁が狙いすぎてちょっといまいちなのがなぁ…。

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西澤保彦『身代わり』

2009 年 12 月 10 日 コメント 1 件

身代わりの、身代わりの、身代わりは、身代わりの、身代わりだった―!?名作『依存』から9年。変わらぬ丁々発止の推理合戦、あの4人が長編で元気に帰ってきた!書き下ろし長編ミステリ。

『依存』からもうそんなに経つんだなぁ。『依存』で傷を負ったタックが回復するまでにこれほどの年月がかかったような錯覚も覚える。この作品単体でも成り立つようにできてるけど、『依存』の後日談となる作品であるので、事前に『依存』を読んでおくことをおすすめします。というか『依存』も過去シリーズ読んでおいたほうがいい作品だしなぁ…もうどこまで遡ったものやら…。

二つの事件が出てくる。それぞれに不自然な点がたくさんあり、いろいろ明らかになるにつれもうわけがわからなくなる。ひとつは深夜の公園で女性ともみ合ってる間に刃物が刺さって死んでしまった男の事件。男は一駅分離れた居酒屋で飲んでから歩いてその公園に向かっている。普段の行動範囲とは全く異なる公園に。強盗にしては不確実、女性と知り合いにしても待合せが不自然。しかも居酒屋を出た時点で男は手ぶら。

もう一つ、一軒家の中で女子高生とパトロール中の警官の絞殺死体が見つかるという事件。警官がその家を訪れるのは誰にも予測できないはず。しかも、女子高生と警官の死亡推定時刻には数時間の開きがある。犯人は家に留まっていた?にしてもなぜ来るかどうかわからない警官まで殺す?

過去のタックシリーズ同様、シリーズメンバーが酒をがぶがぶ飲みながらの推論を重ねるわけだけど、タックの回復が万全でもないので、仮設につぐ仮説、といったこれまでの作品よりは推論は厚くない。でもいくもの「?」がほろほろと吸い出され嵌められていく様子はもうおもしろくてしかたなし。

オススメです。この作品以降、またタックシリーズの刊行ペースが上がるといいなぁ。

探偵小説研究会『本格ミステリ・ベスト10 2010』に投票しました。

2009 年 12 月 9 日 コメントはありません

去年は私事多忙により辞退させていただいたのですが、今年も依頼をいただきました。微力ながら投票させていただきました。なんだか数をこなせてない中の投票で恐縮でございます。

国内のランキングは大接戦だったようで、1位がそれかいな!という驚き。刊行がもっと早い時期だったらもっと上位だったろうなぁという作品もちらほら。こちら片手に最近失われがちなミステリ成分をまた補給したいところです。

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