は行の作家 Archive
東川篤哉『密室の鍵貸します』
光文社 (2006/02/09)
売り上げランキング: 133668
東川篤哉のデビュー作であり烏賊川市シリーズ第一弾。手ひどく振られた元彼女が墜落死。でも彼にはアリバイがある。先輩と一緒にビデオを見ていたから。でも誰にもアリバイが言えない。その夜、密室となった先輩の部屋で彼の死体を発見していて…。
初めて書いた長編とのことで、地の文が回りくどく小ネタのキレもちょいと鈍い。ただメインのネタはなかなかに練られていて、この後の成長の片鱗が見えますよ。ギャグ描写と思われたのが重要な伏線だったりするのも油断ならないところ。自分のとって東川篤哉は今年の収穫なのでこれから追っていく所存。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
東野圭吾『容疑者Xの献身』
天才数学者でありながら高校で数学を教えている石神。彼は隣人親娘に想いを寄せていた。ある日彼は親娘が元夫を殺してしまった現場に遭遇する。二人を助けるため、持てる頭脳を駆使し、隠蔽を図る石神がとった行動とは…
『探偵ガリレオ』・『予知夢』と続く”探偵ガリレオ”シリーズの物理学者・湯川が石神の同級生として登場。混迷する警察捜査を横目に、石神の真意に気づきはじめる。天才同士の対決、という構図もあるが、何よりこの小説のもつ「恋愛感情」と「トリック」の有機的融合に感嘆。想うゆえに、こうするしかない、という流れで隠蔽工作が図られてこれが効果絶大。想いがトリックを生み、トリックが想いを映すという表裏一体。石神ー湯川の友情、という要素も絡むため、書く人が書くと大層盛り上がって大法螺な話になりそうなところ、そこは東野圭吾、最小限の言葉で最大限に効果を生む技量で、読者の中に静かに興奮を巻き起こす。これは巧い。巧いなー。
ただこれは色んな人の意見も聞いてみたいなぁ…。『秘密』で主人公に対する評価が(特に男女で)割れたように、石神の行動に感情移入するか白けるか割れる気がする。メイントリックはマニアでも虚を突くものだと思うけど、恋愛部分と表裏一体な分、感情移入度は作品全体の評価に大きく影響すると思うのだ。非モテ男が捧げた完全犯罪。一途か、キモイか。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
藤岡真『ゲッベルスの贈り物 』
謎のアイドル”ドミノ”を探す羽目になったCMプロデューサー「おれ」、著名人を次々と自殺に見せかけていく殺し屋の「わたし」、Uボートで日本に持ち込まれようとしていた最終兵器”ゲッベルスの贈り物”。交わるはずのない平行線が交わったとき、とんでもない真夏の夜の悪夢が幕をあける
あらすじが説明しづらい…。と言ってもトリックがばれてしまうからではなく、様々な要素が入り組んで、終いには日本中を巻き込むとんでもない大風呂敷にまで広がっていくから。後半に行くにつれ伏線がもつれ束ねられていき、もうなにがなにやらの大騒ぎ。仕掛けはあるにせよ、この大法螺の前は小さく平伏すのみ。いやぁ、この人が書く話は伏線やレッドへリングの積み重ねが厚すぎて、結局ストーリーがなんだったのか思い出せなってしまう…。
東京創元社 (2001/08)
売り上げランキング: 322,076
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
東川篤哉『館島』
バカ館最高!面白いなぁ。東川篤哉は実は初めて読んだのだけど、節度を保った小ネタギャグセンスに好感。肝心の館はもう一発炸裂の二尺玉。伏線を丁寧に拾うあまり謎解き部分がやや長く感じてしまうのはギャグを欲してしまうからか。突飛なトリックの割りになかなかに外堀を埋めてあって、箱庭の中で遊ばせてもらった印象。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0
藤岡真 『ギブソン』
- Comments (Close): 0
- Trackbacks (Close): 0







やってる人 : INO