放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)
- 著者/訳者:相沢 沙呼 市井 豊 鵜林 伸也 梓崎 優 似鳥 鶏
- 出版社:東京創元社( 2010-11-27 )
- 文庫:345 ページ
- ISBN-10 : 4488400558
- ISBN-13 : 9784488400552
- 定価:¥ 714
相沢沙呼、市井豊、鵜林伸也、 梓崎優、似鳥鶏。東京創元社発の五人が書き下ろす”学園ミステリ”短篇集。全員1980年代生まれ。
元々持ってるシリーズが学園ものである相沢沙呼(『午前零時のサンドリヨン』)、似鳥鶏(『理由あって冬に出る』ほか)はシリーズものの新作だし、デビュー前の鵜林伸也を先行チェックできるし、昨年『叫びと祈り』で話題をさらった梓崎優の新作も読めるという、なんとも贅沢三昧。文庫書下ろしでお財布にも優しい。
梱包して送ったはずのビデオテープがなくなってる、100球あるはずのボールが99球しかみつからない、バレンタインデーに生徒たちのチョコたちが教壇の前に集められてる…人殺しなんて出てこない、いかにも学園ものの謎解き。若い作家が若人を描くためか、筆致もキャラも生き生きとしてて楽しい。”学園ミステリ”という縛りが効果的に働いているなぁとしみじみ。
その中で特にオススメしたいは梓崎優「スプリング・ハズ・カム」。15年ぶりの同窓会で掘り出したタイムカプセル。中から出てきた、”卒業式放送室ジャック事件”の犯行声明。放送部員たちはあの日を振り返りながら推理合戦を繰り広げる。その結末たるや…!同窓会と卒業式という2つの舞台を行き来して確かめられる、大人になってわかる事と若かったからできた事。ミステリ的な仕掛けもキマっていて、久しぶりにミステリを読み終わって呆然としてしまいました。短編でこれだけのものを詰められるのスゴい。ため息。
間違いなく今年の収穫ですよ。オススメです。



