3月 292012
 

TwitterやFacebookのアイコン。どうしてますか?

ソーシャルネットワーク全盛の昨今。自分を発信するために有効なメディアたち。でもパッと見で目に入るのはあの小さな四角い画像。「人は見た目が9割」なんて言葉もある。猫やオッサンのアップやアニメキャラ…あの小さな画像で「この人どんな人?」がパッと判断されちゃうことになり…。

ウジトモコ『デザインセンスを身につける』はこんな導入で始まる。せっかく自分を表現できる場なのに、「見た目」のアイコンに無頓着ではもったいない!と。見て欲しい自分をイメージして、ふさわしい画像を設定する。そのために必要なのはデザインのセンス。

ちなみに僕のTwitterアイコンはこんなのですが、

これはプラレールに入ってた注意書きで、おもろいなぁと思ったからアイコンにしているだけで、特になんの意味もないのだった。むむむ。

それで、デザインセンスと聞いて、黄金比とか色選びとかそういう手法の話かなぁ、と思ったら、違った。手法の話もあるけど、中心にあるのはもっと根っこ、「なにを誰に向けてどういうアプローチで、デザインするか」まずは対象のモノ、そのものについて考えるところから始まる。

なにかを表現するなら、自分をデザインすることから始まる。

個人的にいいなぁ、と思ったのは、この「自分をデザインする」ということ。

人間、どうしても考えることはフラフラして、やりたいこともコロコロ変わって、どうにも不安定。そこでデザインの力を借りる。こんな印象でいたい、こんな風に見られたい/見られたくない、などなどを考える。強いメッセージになる人もいるだろうし、柔らかい存在を目指す人もいるだろう。それをロゴなりアイコンなりの見える形に落としこむ。

目に見える旗印を持つと、途端にわかりやすくなる。帰ってくる場所が見えるというか、軸がピッと立つというか。

アイデアの力が、軸を立て、道を照らし、力を与える。組織も、人も。

なんだか、うちの家族のマークとかも作りたくなってきた。家紋ってこうやって生まれたのかな。

いやまずは自分のアイコンをなんとかせねば…。

7月 152011
 

いやー、面白かった!

脳科学者の著者が母校で行った講演&三日間の特別授業の講義録。もともと語り口が柔らかい人なんだけど、高校生を相手にしてよりわかりやすい言葉運びになっている。

わかりやすい、の最大の理由は、論文や実験をたくさん紹介してくれるところ。実際に「そんなことあるなぁ」っていう日常の”あるある”が、実は脳の働きだと証明されてたりとか、もう興味津々。すぐに実例や実験結果を出して説明してくれて、3,4ページに一つは例を出してるんじゃないか。そんなペース。

で、しかもその実験たるや、とにかくおもしろい。脳波を見るだけじゃなくて、脳の狙った部分ピンポイントに刺激を与えたりマヒさせたりしちゃうのだ。庭いじりならぬ「脳いじり」の数々が衝撃的。こんな感じ。

  • 運動を司る神経を刺激すると、勝手に右手が動いたりする
  • 「心が痛む」ときは脳で本当に痛みを感じている
  • 脳のある神経をマヒさせると、写真に写っているのが自分が他人かわからなくなる
  • 脳のある神経を刺激すると、幽体離脱を経験できる
  • ラットの脳内の快楽を司る神経を刺激し続けると、餓死する(食べるのより気持ちいいから)
  • ゴルファーの脳波を観測すると、パットを打つ前に入るか外すかわかる

 

もう、えらいことになっている。完全にSFの世界。でももう科学はここまで来ちゃってるのだ。この時点でグッとひきつけられる。

でも、著者はもっと深いところまで入り込んでいく。

例えば、何か物を取るとき。

脳と身体の仕組みを考えると、脳から「あれを取れー」って命令が出てから手が動く、と思いがち。

しかし実は逆で、脳が先に手に命令を送ってて物を取った時はじめて自分で「取った」と認識するらしい。言わば身体が先らしいのだ。無意識のほうが早い。

ということは、僕らは無意識にあやつられている。自分が思っている「自分」は無意識で動いた結果の「後付け」。自分探し、なんてホントはできない。じゃぁいったい自分ってなんなの?自分の意志はどこにあるの?自由はあるの?

科学に基づいた脳の仕組みから、「心」「自由」「命」などを考察していく。自分の脳で「自分」を考える。もはや哲学の領域に入っていくのだ。

自分ってなんだろう?と多感な思春期の若者と共に、「脳」という地図を持った科学者が探検を試みる。それはとてもアカデミックで、なんともエキサイティング!

「そうなの!?」「そうなんだ!?」「そっかー!」と、なんどものけぞる脳の摩訶不思議。著者自身も「今までで一番好きな作品」と言う本書。諸手を挙げてオススメです!

2月 102011
 

『のはなし』シリーズも3作目。2001年~2006年までtu-kaのメールマガジンに書いてきた約750本のエッセイから82本+新作書き下ろし3本をまとめたもの。

笑いあり、お馬鹿あり、しんみりあり、ハッとする構成あり、行き過ぎた妄想あり。多岐に渡る球種を使い分けるクオリティは健在。

前も言ったのだけど、改めて少年時代のエピソードの豊富さ・記憶の細かさには驚く。誰しも子供時代は予期せぬ出来事の連続だったはずだけど、その時の状況や感じたことを今の言葉で伝えられるまでよく覚えてるなぁ。

読み終えたとき頭に浮かんだ歌がある。山本正之の「少年の夢は生きている」という曲。

山本正之といえば「ヤッターマン」や「燃えよドラゴンズ」で有名。で、アルバム収録のこの曲は、山本正之の少年時代の出来事をただただ並べていく。なのに、段々とあの頃の夕焼けが浮かんでくる歌なのだ。

中日ドラゴンズの江藤慎一が
サインをしながら頭をなでて
ぼうや元気に育ってくれよと笑いかけた
酔っばらったオヤジが赤い顔のまま
真夏の夜の庭先で肩車をして
あれが天の川だとごつい指を天にむけた
丸太ん棒で建てたかくれ家の中で
おさななじみのアキちゃんが
大人になっても友達だよと腕をくんだ
超能力をもっている新聞記者のおじさんが
おもちゃの刀を念力でまげて
やろうと思えば地球も止まると教えてくれた

ビニール人形をストーブで溶かし、運動会でパンツが破れるよう細工をし、テレビのリモコンがどれくらい遠くから効くか試す伊集院少年。

山本正之「少年の夢は生きている」はこんなサビだ。

少年の夢は生きている 幾年すぎても生きている
橋を渡り山を越えて海に出会っても
深く深く胸に生きている

誇大妄想で、ひがみやで、屁理屈を言う肥満児の少年は、伊集院光の中に今も生きているのだと思う。

関連リンク
少年の夢は生きている|山本正之-歌詞GET

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2月 022011
 

もう、お腹が痛い。痛いよー。

2001年~2004年に『コロコロコミック』に連載されていた読者投稿ページ「コロコロバカデミー」のベストセレクション。「100点以上の0点をとろう!」を合言葉に、10年の時を超えて小学生たちのおバカ投稿がいまよみがえる。

言わば「小学校のテスト問題大喜利」を現役小学生が答えるわけなんだけども、設問が絶妙。例えば。

・右の人物(織田信長など)にあなたの考えたニックネームをつけなさい
・発明家エジソンの発明品をひとつ答えなさい。
・シンデレラがお城に忘れてきた物はなんですか?まちがえて答えなさい
・お巡りさんはふだんどんなお仕事をしていますか?まちがえて答えなさい

この「まちがえて答えなさい」がすごい発明だと思う。こう言われただけで、小学生たちが途端に面白いことを言おう言おうとしているのがビンビン伝わってくる。シンデレラがわらじを忘れたりしてる。

もう一つの特徴が、回答がすべて小学生たちの手書きのまま掲載されていること。もう字が汚いだけで面白い。また、読者投稿ページから問題部分を切り取って書いてハガキに貼る、というスタイルだったため、問題文のイラストになんか足されてたり、そもそも切って貼る段階ですごく汚くなってたりする。バカドリル公式のこちらのページで作品の一部を見ることができるのでぜひ → 自由すぎる!こどもの発想。-バカドリル

ずっと読んでると不思議なもので、小学生たちのおバカ脳に大人脳が順応しはじめて「ハイハイ、またウ○コね」となってくる。トランス。しかし、途中途中に編者の回顧録が挟まっていて、この”大人目線からのコラム”によって大人脳にリセットされる効果がある。これもまた絶妙な構成。

オトナの大喜利にはない、ルール無用・下ネタ上等・問答無用のハイセンス回答たち。飛び道具だらけの校庭に、オトナはもう腹を抱えて床を転がるしかない。超オススメ!

関連リンク
自由すぎる!こどもの発想。-バカドリル
「こどもの発想。」蛇足。-バカドリル

1月 212011
 

「なまもの!」と言えば、泣く子も黙って本を読みだす老舗書評サイト。イノミスも創設時からお世話になっております。その「なまもの!」の美人巨乳主婦オーナー(自称)こと大矢博子さんの初の単著は『ドアラ絶賛!』の帯。どういうことなのかと言うと、

脳出血で倒れ、右半身麻痺と失語症のリハビリと闘う夫との日常を、愛情たっぷりに描く痛快エッセイ。自分が倒れないための本音の介護情報が満載。「リハビリより鉄道、介護よりドラゴンズ」という脳天気な夫婦の、発病から1年間のお笑いリハビリ日記。

ある日突然、旦那さんが脳出血で倒れてしまう。よりにもよってリビングで医療ドラマ「E.R.」を観ている最中に。救急車で運ばれる時にまで最近買った鉄道の本を持ってきてと頼む旦那さん。病院の予定を「その日はドラゴンズの開幕戦だから」とリスケジュールする大矢さん…。

病状自体は大変なことになっているのに、お笑いエピソード満載で展開する闘病記ならぬ”笑病記”。鉄道マニアの旦那さんは失語症で妻の名が言えなくても「クモハ」と車両の記号は言えちゃうし、立浪引退の報道に驚いた大矢さんが中日スポーツを手に病室に転がり込みあまりの衝撃のニュースでリハビリが進んだり。

サイトの日記の軽やかな筆致そのままに綴られる「愛より実務、涙より行動」とドタバタ続く毎日。それでもその合間には夫婦がお互いを気遣い想う姿がかいまみれて、爆笑から微笑み、ニヤニヤニコニコまでいろんな笑顔をもらえます。

病気の人も、介護する人も、笑ったり休んだりしたってオールオッケー。もしドラゴンズファンの妻が鉄道マニアの夫を介護したら、という、もうひとつの<もしドラ>。笑ってほっこりする一冊になってます。
 
以上です、編集長!