隠れキリシタンもわかる、iPadならね

iPadって、江戸時代に踏み絵で使ってた石板ぐらいの大きさだと思う。

iPadいっぱいにキリストの画像を表示して、これが踏めるかどうかで隠れキリシタンを探すハイテク大名。もう一押しすれば落ちそうな農民にはiPadをフリップしてキリストの画像をアップにしたり賛美歌を流したりする。「隠れキリシタンもわかる、iPadならね」だ。

しかし、アップルの信者もiPadを踏めないと思う。上記の手順では両者の見分けがつかない。隠れキリシタンを見つけるためには、ちゃんと段取りを考えなければ。

(1)iPadにキリストの画像を表示する
 →踏む:隠れキリシタンでもアップル信者でもない(END)
 →踏まない:(2)へ

(2)iPadをフリップしてスティーブ・ジョブズの画像に切り替える
 →踏む:アップル信者ではなく、隠れキリシタン(END)
 →踏まない:(3)へ

(3)「これ(iPad)欲しい?」と聞く
 →二の足を踏む:アップル信者ではない。(4)へ
 →二の足を踏まない:普通に欲しいだけ?(4)へ

(4)キリストを掘った石板を用意する
 →踏む:隠れキリシタンではない(END)
 →踏まない:隠れキリシタンである(END)

結局アップル信者ではないことはわかるが、アップル信者だと確定することができない。難しい問題だ。

なんの話だったっけ。

名前はまだない

「吾輩は猫である。名前はまだない」

夏目漱石『吾輩は猫である』の有名な出だし。吾輩は、とか意識をもつくらい育ってるのに、名前がまだついてないのって逆にすごい。「名前はまだない」をいろんな作品にくっつけたら、おもしろいことになるんじゃないだろうか。

「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている。名前はまだない」
 

「働けど働けど 我が暮らし楽にならざり ぢっと手を見る。名前はまだない」
 

「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。名前はまだない」
 

「それはいつ生まれたのか誰も知らない。 暗い音の無い世界で、ひとつの細胞が分かれ増えていき、三つの生き物が生まれた。彼らはもちろん人間ではない。また、動物でもない。 だが、その醜い体の中には正義の血が隠されているのだ。名前はまだない」
 

「見知らぬ、天井。名前はまだない」
 

「体は子供、頭脳は大人!名前はまだない」
 

「室井さん聞こえるか、名前はまだない」
 

「メロスは激怒した。名前はまだない」
 

メロスって言ってんのに。
 

サムライブルーの憂鬱

マリッジブルー「私、結婚していいのかしら…」

マタニティブルー「私、子供を産んでいいのかしら…」

サムライブルー「私、刀なんて持っていいのかしら…」

オーシャンブルー「私、海なんか入っていいのかしら…」

ディープブルー「ちょっと深いんじゃないかしら…」

ヒステリックブルー「春がくるたびあなたに会えるんじゃないかしら…」

限りなく透明に近いブルー「よく見えないけどブルーなのかしら…」

((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル「このネタここで終わっていいのかしら…」

「その、まさかだよ」

「その、まさかだよ」って言ってみたい。

個人的に言ってみたい台詞上位に入る「その、まさかだよ」驚きで声を失う相手、そこにかぶせて自分は最初から知っていたのだよと優越感をもって繰り出される「その、まさかだよ」、たまに悪役が使うけど、ちょっと言ってみたい。

しかしなかなか言う場面がない。理由は色々あるけれど、特に厳しい条件が相手が「まさか…」と言わないといけないところだと思う。驚いたとしても「まさか」と言ってもらわないと「そのまさか」が使えない。

どうしたらいいだろう。

—-

「あのさ、金太郎の歌の出だしってなんだっけ?」
「は?えーっと、♪まーさかり…」
「その、まさかだよ!」

—–

「あのさ、中森明菜『DESIRE』のサビってどんなんだっけ?」
「は?えーっと、♪まっさかさーま」
「その、まさかだよ!」

—-

「問題。松平健の名字と名前の最初の一字を入れ替えると?」
「けつだいら まん!」
「では草刈正雄では?」
「まさかり…」
「その、まさかだよ!」

—-

全部だめだ。そういうことじゃない。そのまさかじゃない。まさかりじゃない。
 

なんかおめでとう

職場で「有志募集!Tさんお祝い」という件名のメールがまわってきた。

Tさんは事務の女性である。一口500円で有志を募り、お祝いの品を送るとのこと。

でも、何のお祝いか書いていない。なんだろう。心当たりがない。

結婚…していたような気もするし、じゃぁおめでた…?いや、女性のお祝い=結婚・おめでたとは限らない。なんか賞でももらったのか?当選したのか?ホールインワンか?実家の畑から石油が?僕はここにいていいんだ!おめでとう!おめでとう!…か?

誰かに聞けばいいかもしれないけど、自分以外既に周知の事実かもしれない。それは恥ずかしい。おめでたと思って本人に「どうりでお腹が大きくなって!」なんて言って「太っただけですが」と冷ややかに返されたら大変だ。どうしよう。

こうなると、このメールを送ってきたのは本当に社員なのだろうか。本当は何にもめでたいことはないのに、一口500円を集めてドロンという算段じゃないだろうか。

タイトルの「有志募集!」も本当は「融資募集!」なんじゃないだろうか。

でもとりあえずTさんなんかおめでとう。