駐車場おじさんは残る

人工知能やロボットが発達すると、たくさんの仕事がなくなるらしい。

「日本の労働人口の49%が代替可能に」というニュースを見た。ほぼ半分。代わりにロボットが働いてくれるから遊んで暮らせるようになる、というわけでもないらしい。

この手の話を聞くといつも頭に浮かぶのが、駐車場おじさんである。

駐車場おじさんは、ショッピングモールの駐車場の出入口にいる。駐車券を出す機械の横に立って、出てくる駐車券をドライバーに渡す。逆に、ドライバーから駐車券を受け取って精算機に入れたりする。

本当はドライバーがやることである。おじさんがいなくても大丈夫なんだけど、車が混んできたときにスムーズに駐車券のやり取りができるよう、おじさんが立っている時があるのだ。たまに、全然混んでいないのに立ってる時もある。あれはなんなんだろう。

本来、そういう駐車場を管理する人を減らすための機械なのに、結局おじさんが立っちゃってる。機械の仕事を代わりにやっちゃう。だから、ロボットが増えても、なんだかんだいってロボットの仕事を取る人が出てくると思う。「たらたらやんなよ貸せよ!」と短気なおじさんが工場ラインに割って入ると思う。

そういえば、ロボットが取って代わる仕事に「事務作業」があったのだけど、例えばロボットのリース会社の事務もロボットになっちゃうのかな。事務ロボットを管理するロボットがいて、管理ロボットを棚卸するロボットがいて、棚卸ロボットを修理するロボットがいて…とかなるかな。どこまでも続くロボットループ。その途中に、段差につまずいたロボットをよいしょ!と直すおじさんがいる。