先月のこと。宮城県慶長使節船ミュージアム(愛称:サン・ファン館)に行ってきました。
サンファン?何それ?という方にまずお見舞いしますと、こんな感じの船がドーンとあるところです。
いまから約400年前の1613年(慶長18年)、伊達政宗の指示によって石巻から出港し、ヨーロッパに渡ったガレオン船「サン・ファン・バウティスタ号」が復元されているのです。
船に行く前に「支倉常長」について
このサン・ファン・バウティスタ号を指揮したのが、石巻市民なら誰もが名前を知っている「支倉常長」。この船でなんと2度もヨーロッパに渡り、イスパニア(スペイン)国王やローマ教皇に謁見しています。おもいっきり鎖国なのに。
その辺りの話が展示室にもろもろ書いてあります。仙台領内でキリスト教を容認する代わりに貿易をしましょうよ、という交渉をしたんですが、江戸幕府のキリスト教弾圧によって目的が達成できなかったとのこと。命がけで海を渡ったのに切ない。
展示室には蝋人形的なものもありまして、これは「交渉に悩む支倉常長」という、実にインドア感あふれる人形です。
「支倉常長が使った鼻紙が大人気」というこぼれ話も。ハンカチで鼻をかむフランス人にとって、鼻紙の存在が珍しかったそうなんですが、使い終わった鼻紙に群集がひしめき合うという珍百景もあったとのこと。
そうそう、ミュージアムは「展示室」と「ドック棟」に分かれていまして、船が停泊しているドック棟は展示室がある丘の上から遥か下にあります。
というわけで、東京駅横須賀線ホームも真っ青のロングエスカレーターで移動です。
ワンピース感あふれる巨大船
ドック棟につきました。サン・ファン・バウティスタ号の回りを、U字型にテラスが囲んでいるような構造です。
あいにくの曇り空でしたが、後ろ姿だけでこのド迫力です。
どこをどうやっても全景が入りません……。
サン・ファン・バウティスタ号、中に入ることもできます。桟橋から意気揚々と船内に突入です。
マストの周りに張り巡らされたロープなど、ワンピース感あふれまくり。
船内は2フロアに分かれています。
ここが常長の部屋。中央に見えるのがベットだそうなんですけど、メチャメチャ狭いです。膝を折り曲げて寝ていたそうです。
「常長のベット」は、ドック棟にも展示されていて、実際に体験することもできます。ギュウギュウです。あと、手書きのイラストがカワイイ。
船内にも蝋人形的なものがあります。薄暗い中にリアルな船員が現れるので、息子三歳はビビりまくりでした。
先頭のドラゴンもカッコいい。
船尾にもちっちゃいドラゴンがいました。カワイイ。
ビックリするほどデカい帆船が見られるサン・ファン館。石巻にお越しの際は是非お立ち寄りください。