「未読缶バッジ」を作る

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iPhoneを使っていて、メールやLINEが来ると、アプリのアイコンの右上に「1」とか数字がでる。

数字が出ると「読まないと」となんだか焦る。実物で作ってみたら、もっと焦るんじゃないか。手触りを求めて缶バッジで作ってみました。

改めて「未読バッジ」とは

iPhone関連の書くお仕事をしている都合上、毎日iPhoneの画面を見る。そこでいつも気になるのが「バッジ」である。

新着メールが来た、まだ読んでない記事がある、などなど、「まだ読んでないよ」というお知らせを丸と数字で教えてくれるアレである。見たほうが早いですね。これです。

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この数字たち、「バッジ」と呼ぶからには、もっと目立つところに貼ってあげたい。もっと日の当たるところに連れだしてやりたい。思う存分人間たちにプレッシャーを与え続けてあげさせたい。

というわけで、「バッジ」を「缶バッジ」にすることにしました。なんとか取り繕うとしましたが結局ダジャレです。

なんちゃって缶バッジで手を打つ

「缶バッジを作る!」と意気込んだものの、今まで缶バッジを作った経験がない。

いろいろ調べてみると、ちゃんとした缶バッジを作るためにはそれなりのマシーンが必要とある。専門に請け負うお店もある。いや、そこまで大事にするつもりはないし、マシーンを買ったところで子供たちのオモチャになってしまう。ニセの妖怪メダルとか作り放題になってしまう。

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というわけで、やってきました100円ショップ。うっかり「ザ・缶バッジ」とかないかな。

事前に調べてみたところによると、手芸コーナーにある「くるみボタン製作キット」で「なんちゃって缶バッジ」が作れるらしい。それでなんとかしよう。早くもギアを一段落としました。

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何度も訪れている100円ショップだけども、手芸コーナーなんて初めて来た。

38歳男性、平日の昼間に手芸道具を物色である。店員さんがじっとこっちを見ている気がする。心が乙女と思われてもおかしくない吟味ぶりで選んだのがこちら。

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これが「くるみボタン製作キット」。

「くるみボタン」がそもそもわからなくて、「クルミに似ているボタンってことかな?」とぼんやり思っていたんだけど、どうやら「布でくるむボタン」ということらしい。あー、あるある。ちょっとオシャレな子供服のジャケットとかについてる。あれか。

くるみボタンで「未読缶バッジ」を作るためには、正攻法で行くのであれば数字が書かれた布を用意しないといけない。布でくるむボタンだから。

しかし、そんな刺繍の心得は無いので、紙で代用します。

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くるみボタンの型紙にあるサイズの円を描き、未読バッジの色を調べ、円を同じ色に塗りつぶし……

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似ているフォントを探して数字を入れます。

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プリントアウトして切り抜きます。型紙の大きさどおりにならなかったので、大きめにカット。アバウト。

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ここからが「製作キット」の出番。切り抜いた紙(本来は布)と、ボタンのパーツを合わせ、キットに付属しているゴムのケースに乗せます。

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裏から見るとこんな感じ。これを……

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紙もろともギュッ!と中に押し込んじゃう。

紙とボタンを密着させて、はみ出した部分は内側に折り込む。

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その後ろから、ボタンの裏フタを押し込む。折り込んだ紙もろともギューと押しこむので、キットには押しこむ用の黄色い部品も用意されている。

ギューギューと詰め込み、最後にキットからボタン一式を外してみると……

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できた!

紙を押し込んでいるので、周りにはちょっとシワが寄る。この後何個か作ったけど、毎回シワの寄り方が違う。全体的にピン!と張ることもあり、熟練の技をもってすればキレイな仕上がりになりそう。「くるみボタン職人の朝は早い……」とかになりそう。

あとよく見てもらうとわかるんだけど、数字がなかなかジャスト真ん中にならない。最初にきっちり合わせても、紙を押しこむ力加減でずれてしまう。お客様の中にくるみボタン職人の方はいらっしゃいませんか。

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もう一個作ったら、往年の大槻ケンヂのメイクような縦の亀裂が入ったりしました。

いろいろ「未読」にしてみる

「未読缶バッジ」が完成したので、さっそくリアルの世界でいろんなものを未読にしてやろう。

「未読にしてやろう」って、なんだかちょっとした悪の組織の悪巧みっぽい。未読を目にすることで人間たちは焦りを隠せなくなりミスを連発する。やがて地球が滅ぶだろう。そんなところから世界征服始めるの、というニッチなエリアからの侵略だ。

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「あ、1通未読か……」

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「……!3に増えている……!」

バッジを変えれば数字の変化も思いのままだ。アナログなので、少々お時間はいただきますけれども。

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リアルに「溜まっている……!」って感じの数字を出してみるのもいい。午前半休して会社に来て、PCを立ち上げるとメールがいっぱいきてる、あの面倒くさい感じ。

そろそろ新たなノウハウを得るため、封筒以外のものにも侵略してみよう。

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ご祝儀袋に謎の「3」の数字。

1通で3人分のご祝儀なのか?それとも3万円が入っているのか?いま3万円になったのか?放っといたら増えるのか?減るのか?それとも「いいね!」をつけられたのか?クエスチョンマークが終わらない。

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柿の種の残数も表示できる。

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見ればわかるのに「1」って出されると、なんだか切ない。食べていいのだろうか。

未読を知らせて焦らせるつもりが、数字を消すべきか迷う切ない気持ちになってしまっている。作戦は失敗だったのか。

なんの作戦だ。なんだか見失ってきた。柿の種は美味しい。

マグネットのほうがよかったんじゃないか

もう少し大きいバッジにして、「未読!」ってインパクトを持たせたほうがよかった気がする。手芸コーナーのプレッシャーに負けて、小さめのバッジを買ってしまったので、何にくっつけてもカワイイのだった。

あとこれ、缶バッジじゃなくてマグネットにしたら、冷蔵庫に小学校のお便りなんかを「読んで!」って意味で貼れたりしていいかもしれない。日が経つにつれて数字を増やせばプレッシャーになる。アナログ未読通知プレッシャーである。

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最後にiPhone本体に置いてみたけど、デジタルとアナログが交錯していっそう混乱する。珍しいおできっぽい。