三河屋さん=Amazon説における、インフラとしてのサブちゃん

日曜日、家族で夕飯のカレーを食べながら、サザエさんを観ていた。

その時やっていたのが、三河屋のサブちゃんメインの回。

いつもより機嫌がよく、奥様がたへのおべっかが絶好調のサブちゃん。不思議に思ったサザエが周辺を洗ってみると、三河屋さんに新米のカワイイ女子が入っていることを知る。お似合いの二人だとテンションがあがり、デートコースまで考え、結婚が近いのではと街中に言いふらすサザエ。しかしその女子は名古屋の酒屋にお嫁に行くために、三河屋さんで仕事の内容を教えてもらっているだけだった。

いつもどおり「ズコー」な内容であったが、ここでふと疑問に思ったのが、

「サブちゃんの仕事は、いまの子供に理解ができるのか?」

だった。

酒屋の御用聞き、今となってはすっかり見かけなくなってしまった。電話で注文を受け付けることはあっても、実際に毎日各家庭を回るなんてことはもうしてないだろう。「あの人、ヒマなのかな?」と思われてもしょうがない。現代の何かに例えて説明したい。

注文した翌日には配送してくれる。お急ぎの場合も対応してくれる。そろそろこれはどうかとレコメンドしてくれる。送料無料。代引き払い可能……。

これはもう、Amazonではないか。

サブちゃん=Amazonじゃないのか。

いやいや、サブちゃんは各家庭と三河屋さんをつなぐインフラであって、本体は三河屋さんにある。三河屋さん=Amazonになるはずだ。

Amazonと違うのは、毎日「ちわーっす、三河屋でーす」とやってくる、プッシュ型のサービスというところだ。直接配送するのでダンボールなどの資源ごみも出ない。地球に優しい。

いまは酒や調味料を売ることからはじめているが、書籍・音楽・ファッションまで取り揃えはじめるかもしれない。

サンタクロースからタラちゃんへのプレゼントも、キッズ雑貨を扱う三河屋さんに頼むかもしれない。

カツオが三河屋さんからのアフィリエイト収入を得るために一騒動起こすかもしれない。

一方その頃、花沢不動産は「HOME’s」になっているのだが、それはまた別の話だ。

小栗旬「1口目からおかわりのことで頭がいっぱい」を他の場面でも使いたい

味の素ほんだしのCMで、小栗旬が自分で作った料理を美味しそうに食べる姿が好きだ。

以前は窓の外からたんぽぽの二人が小栗旬の様子を見ていたのだけど、最近のCMでは姿が確認できない。こちらもグランドフィナーレだろうか。

その最近のCM、炊き込みご飯を食べるバージョンがまたいい。

炊飯器から、ほんだしを使った「だし炊きご飯」をお茶碗に山盛りによそう小栗旬。いきなりたくさん頬張って、「一口目からおかわりのことで頭がいっぱいだぁ」とモノローグがかぶる。

「一口目からおかわりのことで頭がいっぱい」って、いいフレーズだなぁ。もう楽しみで仕方がない感じが出てる。小栗旬、すごい幸せそう。嫁は山田優。

この「一口目からおかわりのことで頭がいっぱい」、せっかくだから他の場面でも使えないだろうか。

・小栗旬「1ページめから下巻のことで頭がいっぱいだぁ」

・小栗旬「1曲めからアンコールのことで頭がいっぱいだぁ」

・小栗旬「1杯目から2次会のことで頭がいっぱいだぁ」

・小栗旬「1球目からビールかけのことで頭がいっぱいだぁ」

・小栗旬「実写ルパンのクランクインから2作目のことで頭がいっぱいだぁ」

ただの気が早い人になってしまった。

ちなみに、米米CLUBは解散コンサートのとき、いつも「アンコールが楽しい」と言われるので、1曲目以降全部アンコールにしたことがある。後に、「活動再開」というアンコールがかかるわけであるが。

テレビ万能細胞としての「ふなっしー」

32年間もの間、フジテレビのお昼を守り続けていた『笑っていいとも!』が、2014年3月31日をもって終了、グランドフィナーレを迎えた。

そして翌4月1日から、5組のMCを揃えて『バイキング』が始まった。

新たな船出を意気揚々と迎えた『バイキング』であったが、視聴率的には大変な荒波だったらしい。待てば海路の日和ありといくか、船頭多くして船山に登るになるか。今後の航海の無事を祈るのみである。

さてこの『バイキング』、日替わりMC&レギュラーは『笑っていいとも!』と全くかぶっていない。アナウンサーですら、テレフォンアナからカトパン&伊藤アナに変わっている。いいとも残留組は残さず、リセットした状態で始まっている。

しかし一人だけ、いや、一匹だけ、『いいとも』と『バイキング』の両方に出演した者がいる。

ふなっしーである。

『いいとも』最終回前の数ヶ月は、「月曜レギュラーゲスト」として林先生とコーナーゲストに登場。「じっくり話し太郎」ではタモリとのツーショットトークまでこなした。『いいとも』最後の出演は月曜ラスト2回となった3月24日。エンディングでは涙声でコメントし「中の人が泣いてる!」と突っ込まれていた。

『バイキング』では坂上忍MCの月曜初回にゲスト出演。坂上忍に身の上相談をした結果、坂上から「辞めちまえ」と無駄に達筆で書かれた色紙を渡された。

ふなっしーは、ギリギリまで『いいとも』に出たうえで、『バイキング』の第1週に出ているのである。

老若男女に受け、生放送でも切り返しができるトークができる。その上、事務所同士のしがらみはない。気を使う先輩後輩もない。

出始めのころはキモキャラだったのふなっしーは、いまやテレビで数字が取れるキャラクターとなった。それでいて、一般的なタレントが持つしがらみが一切ない。自由に芸能界を飛び回れているのである。

昨日、4月9日、ふなっしーは『笑ってこらえて4時間スペシャル』にて、「ダーツの旅」で所さんに飛ばされていた。

所さんが投げたダーツが刺さったのは熊本県田浦市。「くまモンパイセン」のお膝元で住民たちはゆるキャラ慣れしているとはいえ、ふなっしーの活躍はめざましかった。

中学校に乗り込んで好きな子がいる男子の告白をサポート、玉砕した彼をしっかりとフォローする。直売所のお嬢さん(83歳)にいくつに見える?と聞かれ「68歳」と絶妙なラインをつく。彼氏がいない女子高生二人組に遭遇すれば、どうして彼氏ができないのかお互い言い合わせ、最後カメラに向かって彼氏募集中の告知をさせる。

『モヤさま』や『ぶらり途中下車の旅』など、芸能人が街をブラブラして素人と絡んでいく番組は多く、それに比べれば上記の絡みはベーシックな部類ではあるが、その基本ができない芸能人も多い。それを一介の梨の妖精がこなしているのである。

ふなっしーが持つのは、トークやロケのスキルだけではない。

昨年、ふなっしーが爆破ドッキリにかかったことがあった。

通常、着ぐるみに爆破ドッキリなどはかけない。意思の疎通を素早くこなせず、移動にも気を使う着ぐるみは、爆破にいたるまでの安全管理ができない。

ふなっしーはその条件を乗り越えてしまった。スタッフと会話ができ、身体能力も高い。事実、出来上がった爆破ドッキリの画は、次々立ち上る火柱をふなっしーが悲鳴とともに駆け抜ける、申し分ない出来になった。

しかし、ここで注目したいのは、ドッキリに至る前段階。

いまやドッキリの仕掛けでは定番となった、「ニセ番組」の段取りが組まれていたのだ。

そのニセ番組は、ゆるキャラのみが出演するゆるキャラ番組だった。ふなっしーと同様にしゃべるゆるキャラ・ちっちゃいおっさんが、ふなっしーとコンビになってMCをするのである(ドッキリは、ちっちゃいおっさんがふなっしー人気を妬んでふなっしーを爆破する体になっていた)

ゲストもゆるキャラで、人間は一人もいない。そして他のゆるキャラはしゃべらない。

MCにとってこんな厳しい条件は類を見ない。ロケVTR撮りとしてドッキリは始まったのだが、挨拶、キャラ紹介、コーナー前振りなど、ふなっしー&ちっちゃいおっさんは見事なコンビネーションで番組を回し、通常のバラエティロケVTRとして観られるものなっていた。ナレーションの垂木勉も、イッテQ!のあのノリで「意外と観れる!ゆるキャラだけの番組」と語るほどであった。

その後、ふなっしーが風船で空を飛ぶ!という流れで、大きな風船に近づくがヘリウムガスに引火、ふなっしーは火柱の中を逃げ延びた。悲鳴をあげながら走ったが、甲高い声のままだったので「爆破されてもふなっしーボイスをキープ!」と評価されていた。

トークも、ロケも、MCもできる。リアクションも取れる。

加えてふなっしーは賢い。クイズ番組でも活躍し、中国語がペラペラ。中国語は3年間勉強したらしい。トークの切り返しも地頭の良さから来ているのだろう。

そしてこれだけテレビ向けスキルがありながら、ゆるキャラゆえに女性スキャンダルが無い(たぶん)

もう200回以上はテレビに出ているであろう、テレビ万能細胞のふなっしー。まだまだテレビの中でヒャッハーと飛び回るのではないかと思うのだ。

恐ろしき四月馬鹿

「犯人がわかりました!警部さん、皆を大広間に集めてください」
「なんだって!犯人は一体誰なんだ!?」
「上原さんです」
「あの善良そうな娘が……!?」
「善良そうな振りをして、大旦那のお茶に毒を持ったのです」
「善良そうな顔して……」
「善良そうな顔をして、死んだ大旦那の悪口を2chで言いふらしていたんです」
「善良そうなのになぁ」
「善良そうなのに、その悪口をまとめブログにしてアフィリエイト収入も得ていました」
「なんで善良そうだと思ったんだろう」
「今となっては最大の謎です」
「よし、すぐに確保だ」
「待ってください」
「なんだ」
「ウソです」
「え?」
「今までの話はウソです」
「え」
「犯人は上原さんじゃないです」
「なんでそんな嘘つくのかね」
「エイプリルフールなので」
「今やることかね」
「様式美なので」
「Yahoo!とか円谷プロとかその辺に任せたらどうかね」
「とにかく、皆を大広間に集めてもらえますか」
「わかった」
「先にうちの助手の小林くんも向かっています」
「小林くんか。心強い」
「ウソです」
「またかね」
「またです」
「誰も行っていないのだな」
「佐藤くんが向かっています」
「そこがウソなのかね」
「そして助手ではなくて叔父です」
「そこもかね」
「佐藤さんです」
「叔父だからね」
「ところで、皆さんは大広間に……」
「いま集めようとしているんだよ」
「ウソです」
「集めなくていいのかね」
「この屋敷に大広間はありません」
「おかしいと思ったんだよ」
「6畳風呂なしです」
「屋敷ですらないもの」
「そして犯人ですが……」
「わかってないのかね」
「賢い人にしか見えません」
「バレバレのウソじゃないか」
「失礼しました。この事件には……犯人はいないのです」
「いない?」
「不景気による倒産、押しかける借金取り、上原さんとの不倫による泥沼の離婚劇……八方ふさがりになった大旦那は、自らのお茶に毒を盛り……」
「まさか……自殺……」
「……」
「……」
「ウソです」
「やっぱり」
「不倫相手は上原さんじゃなくて叔父の佐藤さんです」
「そこかね」