アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんが亡くなられた。
娘六歳も息子二歳も、アンパンマンが大好き。
何度も何度も子供たちとテレビアニメを観ているうちに、主題歌や挿入歌も自然と覚えてしまった。
アンパンマンに使われてる歌は、やなせたかしさんが作詞している。主題歌の「アンパンマンのマーチ」も、「アンパンマンたいそう」も。
愛と勇気だけが友達さ、でお馴染みの「アンパンマンのマーチ」だけど、改めて歌詞をじっくり読んでみると、とても深い。
テレビアニメで使われてるのは、実は2番から。1番の歌詞はこうして始まる。
何のために生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのはイヤだ!
今を生きることで 熱い心燃える
だから君は行くんだ 微笑んで
生まれた意味を求め、今を生きて心燃やす。とても熱い歌詞なんだけど、僕が惹かれるのはその次のフレーズ。
「だから君は行くんだ 微笑んで」
熱いものをたぎらせながら、歯を食いしばるわけでもなく、涙を見せるわけでもなく、「微笑んで」いる。なんで微笑んでいられるんだろう。
テレビでは流れない3番の出だしは、もっと重い。
時は早く過ぎる 光る星は消える
だから君は行くんだ 微笑んで
時は過ぎてしまい、星も消えてしまう。
光を失い、暗がりを手探りで進むようなときだって、微笑みを忘れない。
全てを受けいれて、微笑んでいられる。
この微笑みは、強さなんじゃないだろうか。
本当の強さは、力でねじ伏せることじゃなくて、微笑みを忘れないことなんじゃないか。そんなメッセージに聞こえてくる。
やなせさんは童謡「手のひらを太陽に」の作詞もしている。ここにも笑顔が登場する。
ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから 笑うんだ
生きているから笑うんだ。だから僕らは、微笑んで進むんだ。
やなせさんが残した微笑みの強さを、子供たちに伝えていこう。ちゃんとできるかな。まずは僕が笑っていこう。
photo credit: Sharif Mohamed via photopin cc