「いま(___)出ました!」

蕎麦屋の出前が遅いとき、催促の電話に返ってくる返事といえば「いま出ました!」である。

…とは言ってみたものの、今のネット時代にあって、このベタ設定は生きているのだろうか…。

念のため解説すると、蕎麦屋としては表向きは「いま出ました!」といかにも出前に出発したことを装いつつ、慌てて蕎麦を作っているという状況である。大人のウソである。

でも「いま出ました!」には主語がない。何が出ている、とはハッキリ言っていない。

実はとんでもないものが出ているのかもしれない。

「いま(逆探知の結果が)出ました!」

これで蕎麦を届けられる!

「いま(実刑判決が)出ました!」

執行猶予なし!

「いま(エリア内にハンターが3体)出ました!」

逃げ回る逃走者たち。

「いま(屏風からトラが)出ました!」

逃げ回る一休。

「いま(目標までの距離が)出ました!」

5時の方向に850m!

「いま(蜘蛛の子を散らすように)出ました!」

散り散りに出発する出前持ちたち。

「いま(今月号が)出ました!」

クーポン付きのフリーペーパー。

「いま(蛇口をひねったらなんと水が)出ました!」

当たり前の日常を取り戻しました。

「いま(素人の域を)出ました!」

定年後の趣味が高じました。

「いま(……ウッ!……)出ました!」

下ネタ。

すいませんでした。