社名を「伝説」にすればいろいろ「伝説の」になる

ちょっと美味しいものができると、すぐ「伝説の」って付けちゃう。

お土産とかスイーツとかに付いてる「伝説の」という枕詞を見るたび、本来お目にかかることがない「伝説」が、どんどんカジュアルなものになっているのを感じます。

今日スーパーに行ったらこんなものまで売られていました。

伝説もここまできたかという面持ちです。から揚げ粉を伝え説くとは、いったいどんな物語なのか。

止まらない伝説のカジュアル化。もういっそ、「株式会社 伝説」を作ればいいと思う。

この会社から生み出される商品はすべて「伝説の」が付くことになる。小林製薬の糸ようじ、桃屋のごはんですよ、伝説のから揚げ粉、である。

名刺を交換すれば「伝説の中村です」と名乗ることになる。電話を取り継げば「伝説の中村さんからお電話です」だし、伝説の中村による伝説のプレゼンテーションもある。

伝説の入社式では伝説の新入社員が出席し、伝説の社長から伝説の心得を聞かされる。伝説の人事や伝説の経理に配属されていく伝説の新入社員たち。

何か不祥事が起きれば伝説の記者会見が開かれ、伝説の謝罪がテレビで流される。売却される伝説の自社ビル。買収される伝説の株。荒れる伝説の株主総会。

あぁ、もう「伝説」という文字をみても心が動かなくなってきた。僕が買ったのは普通のから揚げ粉なんだと思う。