ロンドン地下鉄のホームには、”MIND THE GAP”の文字が書いてある。
photo by chalo84
直訳すれば「隙間に注意」。日本の鉄道なら「ホームと車両の隙間にお気をつけください」といったところ。でもなんか、”MIND THE GAP”ってフレーズにはいろいろな意味が読み取れて、それでいて短くて、シャープで、なんか好き。
「ギャップに注意」といえば。
人って、他人がちょっとだけ見せた良い/悪い部分こそ、その人の本性と捉えがちだ。「瞬間最大善」「瞬間最大悪」とでも言おうか。
不良が見せた優しさにときめく女子(「あの人はホントはいい人なの!」)なんてのはもう説明する必要もないほどベタなシチュエーション。「瞬間最大善」の記録を大事にし、また同じだけの風が吹くと信じている。
逆に、普段いい人がポロッと悪口や暴言を言うと「腹黒い」「裏表がある」という評判になりやすい。最近ではSNSなどでこの「瞬間最大悪」の部分だけ切り取られ広まったりして、瞬間最大のはずが常に暴風だと思われてしまう。
善や悪といった人の本性までいかなくても、例えば「瞬間最大オモシロ」とか「瞬間最大下ネタ」とか、今の世の中、いろんな「瞬間最大」が記録され広まり、レッテルとして作用する。
誤ったレッテルほどやっかいなものはない。「瞬間最大」かどうか見極める力って大事だ。
SNSは「瞬間最大」を記録するけど、普段の発言も記録している。その人の発言が「瞬間最大」かどうかは、その人の普段の発言を見ればわかる。瞬間最大に踊らされず、まずは冷静になることだ。
MIND THE GAP.
ギャップに気をつける。仮面と内面の、現実と真実の、仮想と真相の。
情報リテラシーって、こういうことだと思う。