1年ぶりに石巻に帰省して

年末年始は1年ぶりに石巻に帰省したんです。

実家の周りには被災した家々があったんですが、取り壊され、片付けられ、更地になり、雑草が生え、枯れていました。1年という歳月で「最初から家などありませんでした」という景色になっていました。実家のベランダから、それをぼんやり眺めていました。

僕には石巻に口の悪い妹がいるんです。

震災前、母が入院したことがあって。その時何かできることはないかと妹に電話したら「あんた金送る以外なにできるの?」と半笑いで言われた事があるんです。なにも言い返せなかったんです。

そして3.11。妹の言葉がずっと頭にこびりついて離れないんです。

お金を送る以外、僕には、なにもできることはないと。金の切れ目が縁の切れ目じゃないですけど、僕にお金がなくなったら、もう僕は用無しなのではないかと。両親に孫の顔を見せに帰省する、それもできることの一つかもしれない。でも…そう思ってるのは僕だけかもしれない。離れて暮らしている以上、いくら寄り添おうとしても、結局余所者に変わりはない。

被災した親族と僕の間にある、見えない深い溝。当事者と、そうでない者。

すべてを捨てて今から石巻に移住したとしても、この溝は埋まらないんだと思うんです。

実家の周りの更地をベランダから眺めながら、もう「帰省して実家でのんびり」なんて、二度とできないんだろうな、と考えていました。

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