書店から「なくなる日」がなくなる日

このあいだ本屋に行ったんですよ。

そうしたら新書のところの並びがですね、こんなんなってまして。

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もういろいろなくなりすぎだろうと。

これ、どれも著者が違うんですよ。でも全部「主婦の友新書」。主婦の友新書、「なくなる日」の見出しが好きらしくて、Amazonで「なくなる日 主婦の友新書」で検索してみたら、まだまだなくなってた。

・文学部がなくなる日
・霞が関がなくなる日
・ラーメンがなくなる日
・ドルがなくなる日

などなど。そして2012年の今現在どれ1つまだなくなってない。いつくるんだ。なくなる日。

こんな「なくなる日」も。

「ブスがなくなる日」や「婚活がなくなる日」がくるのに女のしあわせまでなくなってしまう。不憫すぎる。

盗難かな?

なんか、なんでも「なくなる日」ってつければ新書の見出しになる気がしてくる。

「安易な見出しがなくなる日」もくるかもしれない。

サンタクロース、年内の活動を休止

サンタクロース(写真)が活動を休止することがわかった。

所属事務所からのFAXによれば、本日25日を最後に年内の活動を休止するとのこと。再開時期は未定。

全身真っ赤な衣装に真っ白な口ひげという奇抜な出で立ちで、瞬く間にお茶の間の人気者になったサンタクロース。ハロウィンが終わった直後からその存在感を現しだし、カーネルサンダースが衣装を真似るなど、社会現象を巻き起こしてきた。

しかし、その急激な人気上昇ぶりから、業界内からは正月以降が勝負時との見方が強かった。年末年始の特番ラッシュが明けたあと消えていく一発屋芸人の数は少なくない。しかしサンタクロースは正月特番の収録には参加しておらず、そのキャラクターとは裏腹に、幕引きなタイミングを慎重に見定めていたのではないかと思われる。

「ホッホッホッ」と耳に残る笑い声を発し、子供たちに夢を与えてきたサンタクロース。FAXの最後は自身のギャグ「メリークリスマス!」で締められていた。いい子にしていれば必ずまた現れてくれるはず。さらにパワーアップした姿で復帰してくれることを祈ろう。

IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2012

IKEAのぬいぐるみをウオッチし続けるこの企画、気がつけば5年目ですよ。今年はギリギリになってしまった。間に合った。

ギリギリになった代わりに、暦はもうすぐクリスマス。ひょっとしてIKEAのクリスマスは相当浮かれているんじゃないだろか。あの珍獣たちがツリーを彩っているんじゃないだろか。こりゃ初のクリスマススペシャルになるのでは。


と言うわけでやってきましたIKEA港北店。

期待に胸膨らませ店内に入ってみると…。


あれ?

クリスマスのクの字もない、いつもの感じでお出迎え。ここまで何もないとは、全く思っていなかった。

あとで知ったのだけど、いつも売ってるモミの木のクリスマスツリーはもう売り切れてしまったらしい。それでクリスマスムードゼロなのか。ギリギリすぎた。

ぬいぐるみ売り場に行ってみる。


やっぱり普通。

クリスマススペシャルになるかと浮かれていたけど、浮かれていたのは僕だけだったみたい。

来年の干支

クリスマスムードは見当たらないけど、正月を迎える準備はしていた。来年の干支、ヘビのぬいぐるみが充実していたのだ。


赤と黄色のヘビ。普通に可愛い。


しかし油断していると上から狙っている。


普通じゃないヘビもいた。

シルクハットにストライプとチェックの服、飛び出した舌には星が三つもついている。そんなところに星。まさに「蛇にピアス」か。

年賀状の絵柄にお困りの方は2匹ぐらい買ってグルグルさせればそれなりのモノができるのではないでしょうか。

かわいいぬいぐるみが増えている

「センスがおかしい」で始まったIKEAぬいぐるみウオッチ。数年観察していたせいで変化がわかる。

ぬいぐるみが、明らかにかわいくなってきてる。


目がぱっちり。

キツネにウサギにクマ。普通の動物、しかも、目がぱっちりとしたモノが新しく出てきてる。かわいい。


ゴマフアザラシ。白い子供アザラシもついている。


玉乗りアシカ。口に魚をくわえている。ご丁寧に魚の目が×印になっていた。


ベビー向けのモビール。象やライオンが風船で浮かんでいる。


紳士的な犬もいる。

着てる服もちょっと微妙ではあるけど、これまでのセンス(身体全体が青いなど)に比べれば余程マシである。

やっぱり売れるぬいぐるみを追求した結果、かわいいぬいぐるみになってきたのだろうか。この企画も今年で終わりだろうか。

そうでもないやつら

しかしというか、やっぱりというか、なんかおかしいぬいぐるみもちゃんといた。


恒例、ハートに両腕。陳列の密度が低いせいか、虚空に手を伸ばしている様子が生々しい。

かわいいぬいぐるみが増えたせいなのか、おかしいぬいぐるみの「おかしさ」がより濃くなってる気がする。

たとえばこれ。


くち。

ピンクのくちびるに前歯だ。うろ覚えでストーンズのマークを描いたみたいになってる。


去年登場した子供ぬいぐるみも健在。無造作にカゴから足が飛び出ていてビックリする。


初登場のパペット。半笑いのライオンの頭にネズミ。物語が始まる予感。

いやー、こりゃ今年は「くちびるに前歯」が一番かな、ハート両腕と合わせたら子供泣くなぁ、なんて思いながら、満足してレジ付近まで進んで行った。

そうしたら、そこに今日一番のインパクトがあった。

藁の山羊

とにかくご覧ください。こちらです。


ワラ!?

ぬいぐるみどころかワラ人形!?そしてまさかの9割オフ!


とてもIKEAとは思えない売り場のワラ感。

正月飾りまで売り始めたのか、熊手とかもあるのかな…と思ったけど、違った。

このワラのヤギ、北欧の伝統的なクリスマスの飾りらしい。ユール・ゴートという名前。

アメリカ風のサンタクロースが広まるまでは、スカンジナビアでは北欧神話の神「Tor / Thor / トール」がいつも連れている山羊が、クリスマスのプレゼントを各家々に届ける役目を担うと信じられてきました。

引用元:もういくつ寝ると…クリスマス! : ハナトモのベルギー→スウェーデン→オーストラリア日記

今でも北欧ではこのワラの山羊が飾られていて、大切にしている家だと実家から代々引き継いで、ヴィンテージと化しているものもあるらしい。知らなかったなぁ。


ミニサイズもある。かわいい。

図らずも最後にクリスマス感が出たのでした。

以上、2012年のレポートでした。

*関連
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2011
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2010
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい2009
IKEAで売ってるぬいぐるみのセンスがおかしい

終末占いカウントダウン

2012年12月21日、つまり明日、「世界が滅亡する」という話があってなんだか騒がしい。

なんだかマヤ暦が?終わるから?もう世界が滅ぶ?飲み物はラストオーダー?とかなんとか。

あやふやなことが多すぎるので、ちゃんと調べた。

Chichen Itza's Kukulcan Temple

マヤ文明 – Wikipediaによると「マヤ暦」というのは古代マヤ文明で使われていた暦、いわゆるカレンダー。マヤの人々は天体観測に優れ、精密なカレンダーを作っていたそう。1年が365日になる太陽暦の考え方も持っていた。すごい。マヤ暦、おそろしい暦!

マヤ文明、普通の太陽暦の他に「長期暦」という暦も使っていたらしい。紀元前3114年を基準として、そこから何日経ったかで数えるカレンダー。この長期暦、187万2000日で一区切りつくらしい。紀元前3114年から187万2000日目、約5129年経って区切りがつくのが、明日2012年12月21日。だから「終わっちゃう!」という話になってるらしい。

なんとも気が長い話。でも長期暦が一区切りつくだけで、具体的に「人類が滅亡」とかは書いてるわけではないらしい。しかも、終わったらまた新しい5129年が繰り返すという話もある。

これ、繰り返すと考えると、5129年ぶりに正月がくるわけでしょう。

すごいめでたいんじゃないの?

1年ぶりの正月だって、初詣におせちにお年玉にと大騒ぎなのに、5000年ぶりに正月が来るなんていったら、それはもう大騒ぎでしょうよ。

帰省ラッシュも乗車率5000%。正月休みも5000日。浮かれたまま5年ぐらい経ちそう。しかもマヤ文明があったのはメキシコ。年中テキーラ飲みまくりだ。

あれ、テキーラ飲みまくりで人が死んじゃうってことかな?

結果的に滅亡するかもしれない。怖い。浮かれすぎないようにしよう。食べる前に飲もう(大正漢方胃腸薬)

『東西ミステリーベスト100』に回答した僕のベスト・ミステリ10冊

先日、文藝春秋の『東西ミステリーベスト100』に参加したことをご報告したのですが(詳細→【お仕事】『東西ミステリーベスト100』に参加させていただきました)、誰がどんな作品になんてコメントしたのかって、本誌には全部載ってないんですよね。

というわけで、この場を借りて、僕が投票した順位・作品名・コメントを公開します。僕のベスト10冊。

ただ、順位については最大瞬間風速なので、もう変動しています(本誌を見て「それがあったかー!」「忘れてたー!」を連発しているため…)一応、作家1人につき作品1つ、という縛りで挙げました。また、海外についてはベスト10を選べるほどの読書量ではないので、国内のみ回答しました。

とにもかくにも、この10冊、どれもメッチャ面白いです。年末の本選びの参考になれば。

【オールタイムベスト:国内】

■1位:『震度0』 横山秀夫

警察内部の不祥事の発端から始末までを、幹部五人と宿舎の妻たちの視点から織り上げる、曲者たちの地層地図。読後感はまさしくタイトル通りの「震度0」。静かな震えが止まらない。(過去のレビュー:横山秀夫『震度0』

■2位:『叫びと祈り』 梓崎優

灼熱の砂漠、極寒の礼拝堂、多湿の密林と舞台を変え、特殊な人々の特殊なルールに則った謎と解決が素晴らしい連作短編。これに叙述トリックまで巧みに仕込まれるのだから溜息で肺がつぶれる。(過去のレビュー:動機と叙述の華麗なる融合 梓崎優『叫びと祈り』

■3位:『霧越邸殺人事件』 綾辻行人

館シリーズと迷ったが、超常現象とフーダニットが同居するインパクトからこちらを推す。邸内見取図の複雑さから来るワクワク感は今でも色あせない

■4位:『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎

仙台市内をバラバラの5人がバラバラに動いているはずが、読者含めて全ては作者の手のひらの上。いくつも小さなハテナが、ある一点で全て氷解する様が美しい。(過去のレビュー:伊坂幸太郎『ラッシュライフ』

■5位:『奪取』 真保裕一

圧巻の偽札作りエンターテイメント。印刷、材質、機械の認識などなどなど、全ての関門をくぐり抜けるトライアンドエラー。まさにDASHの一気読み必至。

■6位:『斜め屋敷の犯罪』 島田荘司

全てが謎とその解明に奉仕するとはまさにこの事。こんな着想からここまでパッケージ化してしまう、緻密さと豪快さにただただ敬礼。

■7位:『ロートレック荘事件』 筒井康隆

狭い邸内、限られた登場人物、全て提示された手がかり。なのに犯人が全然当たらない。衝撃の種明かしに誰もがアッとページをめくる。言語の現場に限界なし。

■8位:『亜愛一郎の狼狽』 泡坂妻夫

逆説、逆転、逆回転。不可思議な現象を軽やかにくるりと回す手さばきはまさに手品師の業。

■9位:『空飛ぶ馬』 北村薫

「日常の謎」のゲートを開けたサラブレッド。発端の不思議、論理の飛躍、解決のエレガントさを短編に込めた職人芸。一つのジャンルを作った功績をもつ一作。

■10位:『鉄鼠の檻』 京極夏彦

水墨画の世界で繰り広げられる論理と禅のつばぜり合い。京極堂シリーズでは珍しいクローズドな舞台が謎と真相に大貢献。勝つのは悟りか理(ことわり)か。