「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」

photo:grulla by EmreAyar

「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」
「えー見たい」
「開けないでください」
「500円!」
「だめです」
「1000円!」
「だめです」
「5000円!」
「うーん、だめです」

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「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」
「え、そうなの」
「はい」
「そっちの部屋に布団が」
「今のうちに」
「あと着替えが」
「今のうちに」
「あとケータイの充電器が」
「今のうちに」

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「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」
「あ、そっち暖房ないんで、こっちの部屋でどうぞ!」
「でも」
「大丈夫大丈夫!あのはた織りキャスター付きだから動くんで!」
「でも」
「大丈夫大丈夫!」
「でも」
「大丈夫大丈夫!」

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「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」
「あ、じゃぁ監視カメラも止めたほうがいいですか?」
「あんのかよ」

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「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」
「いやだ、と言ったら?」
「あなたにも大切な人の一人や二人いるでしょう?」
「人質というわけか」
「聞こえが悪いですねぇ。これは取引です。ビジネスといきましょう」
「やれやれ、この国の資本主義も来るところまで来たな」

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「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」
「被害者の女性は確かにそう言ったのですね?」
「はい」
「隣室にはあなた一人きり。家の周りは足跡一つない雪原。まさにそれが彼女の最期の言葉だったわけですね?」
「異議あり!裁判長、誘導尋問です」
「弁護人の異議を認めます」

※関連:恩返しがしたくって|イノミス

9件のコメント

  1. ツイートしていたショートコントをまとめました。 「私がはたを織っている間は、決して襖を開けないでください」 http://t.co/oz2TmNJi

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