それでも明日、職場へむかう すべての人へ 「『うつ』とよりそう仕事術」

いつも読ませていただいてるブログFind the meaning of my life.の酒井一太さんの著作。

「自分の脳が信じられない」といううつ病の状態で、いかにスムーズに職場に復帰するか、が大きなテーマ。著者自身、うつ病による二度の休職を経て職場復帰を体験している。

「うつ」のドン底では何もやる気が起きない状態だけど、ちょっと改善してくると仕事ができるような気がしてくる。でも、だからって以前のように働けるかというとそうではない。この「前はできたのに」というギャップに苦しんでしまう。

この復職のタイミングをいかに大切にゆっくり着地させるか、これを「小さな工夫」で乗り切るという視点が独特。なんせ自分の脳は信じられなくて、時に生きることさえやめようとする。気の持ちようといった内側からのアプローチでなく、働く仕組みを外側に作ってしまうのだ。

ベッドから浴室までの5メートルを乗り越える、まず小さなスタートを切る、裏方仕事で小さな達成感を得る、一日の最後は気持ちよく終える仕事を選ぶ…。

数々の工夫は著者の実体験。難しいことは何ひとつなく、すぐに試せるものばかり。

生きるための「工夫」

特に僕が惹きつけられたのは、最終章である第四章「うつとつき合う小さな工夫」

それまでの「働く」ための工夫から、もっと根っこの「生きる」ための工夫が書いてあります。

生きることをやめようとする脳に逆らい、まだ死ねない、死なないために、「死ねない理由リスト」を作り、自分の頭の中を時間をかけてすべて書き出して「欲」を見つける。なにかがしたい、やりたい、という思いを大事に育てる。

目標がはっきりしてくれば、崩れそうだった道が段々舗装されていく。その上を歩いて生きていける。生きるという、普段は意識せずにできていることを意識して保つために、創意と工夫で乗り越えるのだ。

「それでも明日、職場へ向かう すべての人へ。」と帯に書かれた本書。この世を生きる、すべての人へ、と言ってもいいと思う。

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