寝たら死ぬ館殺人事件

looming (365.2.182) by splityarn

探偵 「えー…みなさんにお集まりいたいだのは…他でもありません………なんだっけ…えー…すいません、全然寝てないので…」
男A 「俺も」
女A 「私も」
ベン 「Me too.」
探偵 「あぁ…みなさんそうですよね…。この、『寝たら死ぬ館殺人事件』の真相がですね、わかりましたので…フォォ…失礼…お伝えします。まずこの館に到着した、五日前のこと…」
男A 「長くなるの」
女A 「犯人言ってよ」
ベン 「Me too.」
探偵 「あの…いや、こういうのは順を、追ってですね…」
男A 「眠いんだよ」
女A 「眠いの」
ベン 「Me too.」
探偵 「すいません、全然寝てないので…」
男A 「俺も」
女A 「私も」
ベン 「Me too.」
探偵 「失礼…。では手元の資料を。みなさんのアリバイをまとめたものですが…」
男A 「全然頭に入らない」
女A 「クラクラする」
ベン 「Me too.」
探偵 「では裏面のタイムテーブルをご覧ください。この五日間のみなさんの行動と被害者の足取りを証言を元に時系列に並べてみました」
男A 「字が小さい」
女A 「こんな眠くなるもの渡さないで」
ベン 「I can’t read Japanese.」
探偵 「そうですか…すいません、全然寝てないので…」
男A 「俺も」
女A 「私も」
ベン 「…」
男A 「おい!ベン!寝るな!」
女A 「死ぬわよ!」
ベン 「Oh…」
探偵 「では単刀直入に申し上げます…」
男A 「…」
女A 「…」
ベン 「…」
探偵 「犯人は、この中にいる!」
男A 「知ってる」
女A 「知ってる」
ベン 「Me too.」
探偵 「…」
男A 「…」
女A 「…」
ベン 「…」
探偵 「すいません、全然寝てないので…」
男A 「今のは寝てないせいじゃないぞ」
女A 「ふざけないで」
ベン 「Kill you.」
探偵 「気を取り直して…」
男A 「…」
女A 「…」
ベン 「…」
探偵 「この館に到着したのは五日前のことですそれはそれはとても昔のように感じます人類の歴史の中でみればほんの一瞬の間かもしれませんいや生命の地球の宇宙の歴史から見ればそれはほんの刹那でしかないでしょうしかし我々には永遠にも感じる五日間でした遥か何万光年先の星の光が地球に届くまでのあいだその星はなくなっているかもしれない我々はまさにその星たちのように生きているのか死んでいるのかわからないそんな状態に置かれたのですそれでは生きているとはなんでしょう生物学上定義するのは簡単ですしかし我々の記憶に残る姿はいつまでも生き続けている遥か先の光が像を結ぶように死者もまた我々の記憶のなかで像を結ぶのですこの五日間のあいだいくつかの命が星となりましたそれすなわち新たな姿となって生きていることになるに変わりないのです」
男A 「…」
女A 「…」
ベン 「…」
探偵 「そうでしょう?」
男A 「…」
女A 「…」
ベン 「…」
探偵 「寝たかな?」
男A 「…」
女A 「…」
ベン 「…」
探偵 「手こずらせやがって…」

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