やぎさんゆうびんミステリー

白ヤギさんからお手紙ついた。黒ヤギさんたら読まずに食べた。

で、お馴染みの童謡「やぎさんゆうびん」。

手紙を読まずに食べてしまった黒ヤギさんはこのあと「さっきの手紙にご用事なぁに」と白ヤギさんに手紙を書く。2番では白ヤギさんも手紙を読まずに食べ、「さっきの~」と黒ヤギさんに手紙を書く…という無限ループに陥る。図にするとこう。

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□白ヤギ ⇔ ■黒ヤギ
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気になる。

食べられてしまうことがわかっている手紙をなぜ白ヤギさんが書いたのか?というのがずっと引っかかっている。

黒ヤギさんが手紙を食べてしまうのを知らなかったのかもしれない。そして以前にこんなことがあったら覚えているだろうから、これまで手紙を書いたことがない可能性が高い。ではなぜ、いま、手紙を出す必要があったのだろう。
 

例えば、白ヤギと黒ヤギの間に、第三者がいたとしたらどうだろう。


第三者のイメージ

第三者は白黒問わずヤギが手紙を食べてしまうのを知っている。

1番では白ヤギさんから手紙が届くが、これは第三者が偽装した手紙だ。黒ヤギさんはそれとは知らずに食べてしまう。

2番では黒ヤギさんから手紙が届くが、これも第三者が偽装したものだ。白ヤギさんも食べてしまう。

第三者が同時に、白ヤギ黒ヤギに差出人を偽装した手紙を食べさせているとしたら。図示するとこうだ。
 

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□白ヤギ ← ?第三者 → ■黒ヤギ
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つまり、この歌は1番2番の無限ループではなく、1番と2番が同時に起こっている出来事なのだ。手紙を食べる二匹のヤギの様子を別の視点から描いている。それが繋がって見えるだけなのだ。

そしてもちろん、食べられた手紙はただの手紙ではない。

「さっきの手紙のご用事なぁに」別々の場所で、それぞれの被害者に宛てられたダイイングメッセージに、探偵も頭をひねることだろう。

戦後最大のミステリーが幕を開ける。