新・象を冷蔵庫に入れる3つの手順

「3つの手順だけで象を冷蔵庫に入れるにはどうしたらよいでしょう」というクイズがある。

象が入る冷蔵庫を作らなきゃ…とか、象を動かすためにエサを用意して…とかいろいろ考えてしまうけど、答えはこれである。

1.冷蔵庫のドアを開ける
2.象を入れる
3.冷蔵庫のドアを閉める

これ聞いて「なるほどー!」って絶対ならない。問題を出した人はしたり顔だけど、出されたほうはムッとパターンである。とんだいじわるクイズだ。もうなんだっていいじゃないか。「象を冷蔵庫に入れる」にすれば手順1つで済むじゃないか。

これ以上このクイズで不幸な思いをする人を増やすわけにはいかない。

ちょっと真面目に象を冷蔵庫に入れてみたい。
 

■そもそも象はどれくらいの大きさなのか

まずは象の大きさを把握しなければならない。

ゾウ – Wikipediaによると、象にはアフリカゾウとアジアゾウの2種類がいる。小さいのはアジアゾウの方で、体長5.5m~6.4m、高さ2.5~3.0m。

個体差はあるものの、今後のことを考えるとなるべく小さい象にしておきたい。小象も考えたがなんか負けた気がするので、先ほどの値の一番小さいところをとって、体長5.5m、高さ2.5mの象を冷蔵庫にいれたいと思う。

それでも電話ボックスよりも高く、10畳間にも収まらない長さ。

やっぱり象はデカイ。
 

■象が入るほどの冷蔵庫を探す

体長5.5m、高さ2.5mの象が入る家電の冷蔵庫はまずないだろう。大きい冷蔵庫が必要だ。

保冷車なんてどうだろう。

クール宅急便とかにつかう、荷物を冷やせるトラック。あれ大きさどれくらいだっけ。と思って調べてみた。株式会社 東海特装車 … 冷凍・保冷車によると、野菜や弁当を運ぶ中温冷凍車で高さ1.7m、幅4.4mだった。全然だめだ。

プレハブ冷蔵庫というのもある(※参考:ホシザキプレハブ冷蔵庫・プレハブ冷凍庫|プレハブ庫 ホシザキ電機) プレハブを組み合わせてどんどん大きくできる。これは!と思ったが、結局入り口が普通のドア一枚の大きさ。象は入れられない。

もうこうなると倉庫か。

よくテレビで、タレントが入って「さむーい!」ってリアクションとったりバナナで釘は打てるのか?!とかやったりするところがあるけど、あそこまで冷えてなくていい。冷蔵庫くらいの倉庫はあるだろうか。

社団法人 日本冷蔵倉庫協会によると、保管する温度によって冷蔵倉庫は7つに分かれる。-50℃以下まで冷やせるF4級から、+10℃以下‐2℃未満のC3級まで7つの級がある。

冷蔵の基本(冷蔵/冷凍)|lifeOn by LIONによると、一般的な冷蔵庫の冷蔵室は約3℃~5℃。チルド室で0℃だ。これを冷蔵倉庫に当てはめるとC3級のものということになる。

いろいろ調べたけど倉庫の容量は㎥で表されるので、高さと広さはわからない。ざっと見てみた限り一番大きいのが東洋水産㈱東扇島第一冷蔵庫で、13,783㎥、5513トンだ。

入るだろ。象。
 

■結論

というわけで、象を冷蔵庫に入れる3つの手順はこうなりました。

1.冷蔵倉庫(C3級)を契約し、象一頭分のスペースを確保する。場合によっては邪魔な荷物を搬出する。
2.アジアゾウ1頭を動物園から借用もしくは個人で輸入し、1で契約した冷蔵倉庫まで輸送する。
3.アジアゾウを冷蔵倉庫に入れる

ここまでがんばったのに結局3の手順だけでよくなってしまった。

試合に勝ったのに勝負に負けた気がする。っていうか勝ったのかすら怪しい。
 

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