走馬灯にNG集が流れたら

 
よく、死に際に今までの人生が走馬灯のように流れる、とか言う。

短時間にこれまでの人生がフラッシュバックするという。人生ダイジェスト版。あんなこともこんなこともブワーッと流れていく、らしい。

でもこれが普通のダイジェストじゃなくて、NG集だったらどうしよう。

死に直面して、頭が人生を振り返ろうとしたときに、恥の多い人生を送ってきたと思ってる人なんか特にNG集が流れてしまう可能性が否定出来ない。
 

急な山道を走る一台の車。下り坂のカーブでスピードを見誤り、ガードレールを突き破ってしまう。眼下遙かには岩だらけの渓谷。もう絶対に助からない。

突然、頭の中に流れる爆笑NG集。

みのもんた「まずはOKシーンから」

それは無いか。人生にOKシーンとかないか。あ、なんか今すごい良いこと言った気がする。

「人生にOKシーンなど存在しない。すべてが本番なのだ」(INO 1975~)

それはともかく実際は小学校の時に家から水着きて水泳の授業受けたけどパンツ忘れてたとか、先生をお母さんって呼んじゃったこととか、出社時に網棚の上にカバンを忘れて涙目で追いかけたこととか、リアル脱出ゲームの最中におもいっきり転んで未だにアザが消えないとか(これ本当)、そんなちっちゃなNGシーンが頭の中で流れながら車は谷底へ落ちていくんだと思う。
 

NG集をあらかじめ用意しておいてもいい。

「それではご親族の皆様、出棺前に故人のNG集を御覧ください」

祭壇の前に天井からスクリーンが降りてくる。スクリーンの中で素でずっこけている僕。笑いをさそうドリフ的な効果音。すすり泣きがやがてくすくす笑いに変わる会場。

やれやれしょうがねぇな、と言った感じで送り出されたい。
 

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