エイプリル・パンダ・フール

エイプリルフールですよ。

嘘をついてもいい日、ということになっている4月1日。ここ最近は現実のほうが嘘みたいな毎日ですが。

それにしても4/1って年度の初めなので、大事なことをお知らせする事も多い日。もうちょっと中途半端な日がエイプリルフールだったらいいのにと思う。本当に大事なことも疑いの眼差しで見られてしまうこともあるだろう。

例えば今日は上野動物園でパンダ2頭が3年ぶりにお披露目される日である。震災のため、本来の公開日から延期して4/1になったらしい。

さぞかし上野動物園はにぎわっていると思うんだけども、例えば、ちょっとの間なんらかの事情でパンダが宿舎の中に入ってしまい、見えるところからいなくなったとする。

お客さんとしてはパンダを見に来たんだけど、そこにはパンダの姿はない。

あ、今日エイプリルフールだった!ってなると思う。やられた!

でもこのまま騙されるのもなんなので、何もいない所を指さして「パンダだ!」とはしゃいでみたりする。

他の人も最初は「(えっ…)」と思うけど、すぐに事態を理解して「パンダだ!」「パンダだ!」と次々反応する。木にぶらさがっているタイヤ(無パンダ)に向かって「かわいいー!」とか言う。

何もいないパンダ宿舎に巻き起こる、エアパンダフィーバー。いつしか見えないパンダは檻を越え、動物園中を練り歩いていることになっている。「あっちにもいたぞー!」とどんどんパンダが増える。サル山に登り、ペンギンと泳ぎ、ライオンと互角の戦いを見せるパンダ。魅了される観客たち。飛ぶように売れるグッズ。

やがて、一人の少年が「パンダ、いないよ?」とつまんなそうに言って、フィーバーは終わりを告げる。一人、また一人と輪から離れる大人たち。

そうだ。そうなんだ。王様は服なんて着ていなかったんだ。

パンダなんか、いなかったんだ。

パンダは裸だ!

…まぁ、裸なんですけども。
 

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