無人の国会議事堂

なんか最近、議員のみなさんってちょっと問題あるとすぐ辞めろ辞めろって言われちゃうじゃないですか。で、辞めちゃうじゃないですか。

これ、辞め続けたらどうなっちゃうんだろうと思って。

「辞任だ!辞任だ!」と言われて、一人の国会議員が国会議事堂を去る。で、また別の人が「辞任だ!辞任だ!」と言われて国会議事堂を去る。

なんか問題が見つかるたびに辞める。リビアが大変なのに低俗なバラエティを観てた!辞める。返却日にDVDをTUTAYAに返さなかった!辞める。お茶こぼした!辞める。

終いには民主主義だ!と多数決でどんどん決まってどんどん辞める。

どんどん辞める。

最終的には議員が2人になる。もう多数決はできない。しかし程なくして、2人とも自ら職を辞してしまう。

最後の1人になって、全部の責任を負うのが嫌だから。

そして誰もいなくなる。無人の国会議事堂。

誰も映らない国会中継。

廃墟と化した議員宿舎。

乗り捨てられた選挙カー。

錆びた拡声器。

地層から発掘される議員バッジ

「かつてこの地には政治家という生き物がいたのだよ」

先生の言葉にフーン、と気のない返事をして、子供はバッジを後ろに放る。そんなことより恐竜の骨が出ないかな。
 

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